2022/10/20
つくば市が目指す 『誰もが安心・安全・快適に移動できるまち』
ITを活用してあらゆる移動をシームレスにつなげる次世代交通サービスMaaS(マース)は、「持続可能な都市」における交通手段の新しいかたちとして世界中で注目を集めている。
日本においてもさまざまな企業や都市でMaaSの取り組みが進むなか、2019年に国土交通省の「スマートシティモデル事業」に選定されたつくば市は、先端技術やビッグデータを活用し、行政サービスや交通、医療・介護、インフラなどさまざまな分野における課題解決に取り組んでいる。その活動のなか、つくば市、筑波大学、KDDIをはじめとする75機関で構成される「つくばスマートシティ協議会」は、2022年初頭に、病院への通院や受診における交通の利便性向上を目指す「つくば医療MaaS」の実証実験を行った。
同事業に携わるつくば市政策イノベーション部長の森 祐介さんは、この「つくば医療MaaS」の実証実験の狙いと今後の展望について次のように語る。
「つくば市は、交通における自動車への依存度が高く、高齢化にともなう交通弱者の増加が課題となっています。移動が困難な人にとっては、病院へ行くのもひと苦労。本来受けるべき医療サービスが受けられなくなる可能性もあります。これは高齢者だけの問題ではなく、障がいのある方々にも当てはまることです」
「そこでつくば市は、『高齢者や障がい者など誰もが安心・安全・快適に移動できるまち』の実現に向けて、さまざまな取り組みを進めています。医療にMaaSを活用した今回の実証実験もその一環です。移動やモビリティのサービスと、病院などで提供される医療のサービスを一元化し、住民の方々に提供していきます」
「今後もKDDIさんをはじめとする企業の協力を得ながら取り組みを推進し、将来的には、配車から病院の診察予約、会計、医薬品の配達まで、ひとつのアプリで利用できる一気通貫のサービスの提供を目指しています」
MaaSは旅行や観光における利便性向上だけでなく、医療や介護など誰もが安心・安全・快適に過ごせる街づくりの観点でも活用できる兆しが見えてきた。
KDDIはこれからも、地域の課題解決や住みやすいまちづくりのために通信やテクノロジーを活用し、さまざまなパートナーとともに安心で安全な暮らしをつないでいく。
※この記事は2022年3月23日の記事を再編集したものです。