2021/11/29
Xperia 5 IIIと1 III / 10 III / 5 IIを比較!スペックやカメラ機能など違いや特長を解説
auの2021年秋冬モデルとして「Xperia 5 III(エクスペリア ファイブ マークスリー)」が発売された。2020年の秋冬モデル「Xperia 5 II」の後継モデルにあたるハイエンドモデルだ。
auからは、XperiaのIII(マークスリー)モデルとして、すでに最上位モデルとなるXperia 1 IIIと手頃なミドルクラスのXperia 10 IIIが発売されており、これで3モデルともIIIとなった。
本記事では、このXperia 5 IIIを前モデルのXperia 5 II、上位モデルのXperia 1 IIIと比較し、さらにミドルクラスのXperia 10 IIIとのスペック比較を加えつつ、Xperia 5 IIIの特長を紹介する。
本体スペック比較
まずはXperia 5 III / 5 II / 1 III / 10 IIIそれぞれのスペックを比較する。
機種名 | 機種クラス | 発売年月 | 対応通信規格 | 画面 | ディスプレイ解像度 | 本体サイズ | 重量 | カラー | メインカメラ 有効画素数 |
サブカメラ 有効画素数 |
静止画ズーム | OS | CPU | バッテリー容量 | 電池持ち時間 | 内蔵メモリ(RAM/ROM) | ワイヤレス充電 | ワンセグ/フルセグ | 生体認証 | 防水 | 防塵 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Xperia 5 III | ハイエンドクラス | 2021年 11月 | 5G/4G | 約6.1インチ 有機EL シネマワイド™ディスプレイ |
フルHD+[2,520×1,080] | 約68×157×8.2mm | 約168g | フロストブラック/フロストシルバー グリーン/ピンク |
約1,220万画素/約1,220万画素/ 約1,220万画素 |
約800万画素 | 12.5倍 | Android 11 | Qualcomm Snapdragon 888 5G Mobile Platform 2.8GHz/1+ 2.4GHz/3+1.8GHz/4 |
4,500mAh | ― | 8GB/128GB | × | ワンセグ:× フルセグ:× |
指紋 | IPX5/IPX8 | IP6X |
Xperia 5 II | ハイエンドクラス | 2020年 10月 | 5G/4G | 約6.1インチ 有機EL シネマワイド™ディスプレイ |
フルHD+[2,520×1,080] | 約68×158×8.0mm | 約163g | ブラック/グレー/ ブルー/ピンク |
約1,220万画素/約1,220万画素/ 約1,220万画素 |
約800万画素 | 9倍 | Android 10 | Qualcomm Snapdragon 865 5G Mobile Platform 2.8GHz/1+ 2.4GHz/3+1.8GHz/4 |
4,000mAh | 約120時間(4G LTE/WiMAX 2+エリア) 約115時間(5Gエリア) |
8GB/128GB | × | ワンセグ:× フルセグ:× |
指紋 | IPX5/IPX8 | IP6X |
Xperia 1 III | ハイエンドクラス | 2021年 7月 | 5G/4G | 約6.5インチ 有機EL シネマワイド™ディスプレイ |
4K[3,840×1,644] | 約71×165×8.2mm | 約188g | フロストブラック フロストパープル |
約1,220万画素/約1,220万画素/ 3D iToFセンサー/約1,220万画素 |
約800万画素 | 12.5倍 | Android 11 | Qualcomm Snapdragon 888 5G Mobile Platform 2.8GHz/1+ 2.4GHz/3+1.8GHz/4 |
4,500mAh | 測定中(4G LTE/WiMAX 2+エリア) 測定中(5Gエリア) |
12GB/256GB | ○ | ワンセグ:× フルセグ:× |
指紋 | IPX5/IPX8 | IP6X |
Xperia 10 III | ミドルクラス | 2021年 6月 | 5G/4G | 約6.0インチ 有機EL トリルミナス®ディスプレイ for mobile |
フルHD+[2,520×1,080] | 約68×154×8.3mm | 約169g | ブラック ホワイト ブルー/ピンク |
約800万画素/約1,200万画素 約800万画素 |
約800万画素 | 10倍 | Android 11 | Qualcomm Snapdragon 690 5G Mobile Platform 2.0GHz/2+ 1.7GHz/6 |
4,500mAh | 測定中(4G LTE/WiMAX 2+エリア) 測定中(5Gエリア) |
6GB/128GB | × | ワンセグ:× フルセグ:× |
指紋 | IPX5/IPX8 | IP6X |
Xperia 5 IIIとXperia 5 IIとでは、見た目はほとんど変わっておらず、外形寸法もほぼ同じだ。Xperia 5 IIIのほうが高さが約1mm小さくなり、厚みが約0.2mm増しているが、手に持ってもわからない程度の違いで、見た目はほとんど変わっていない。
大きく進化しているのはその中身だ。基本的にXperia 5 IIIは、最上位モデルのXperia 1 IIIをコンパクトなサイズに詰め込んだモデルと言ってよいだろう。ただし、Xperia 5 IIIのスペックがXperia 1 IIIとまったく同じというわけではなく、RAMは8GBと12GB、ストレージ容量は128GBと256GBというように差がある。
またXperia 5 IIIは、Xperia 1 IIIに搭載されているスピーカーの音圧向上までは搭載していないものの、有線イヤホン使用時にXperia 5 IIと比べて40%の音圧向上を実現するなど、着実に進化を遂げている。
そして、ワイヤレス充電は対応していないが、Xperia 1 IIIよりもコンパクトなサイズながら、Xperia 5 IIIのバッテリー容量はXperia 1 IIIと同じ4,500mAhを搭載し、Xperia 5 IIよりも500mAhアップしている。
それでは、各項目について細かく確認していこう。
画面サイズ・ディスプレイ比較。Xperia 5 IIIは動画視聴やゲームにぴったり
Xperia 5 IIIのディスプレイサイズは、Xperia 5 IIから変わらず約6.1インチで、解像度も同じ2,520×1,080ピクセルの有機ELを搭載。Xperia 5 II / 1 IIIと同じく、リフレッシュレート120Hzに対応している。これは1秒間に120回の画面書き換えに対応しているということになり、この数値が高いほど滑らかな表示を実現できる。
Xperia 5 III / 5 II/ 1 III共通の仕様として、ディスプレイの高画質化エンジンには「X1™ for mobile」を搭載。映像制作者の意図を忠実に再現した画作りで映像を視聴可能にする「クリエイターモード」にも対応している。コンテンツ側の対応が必要だが、NetflixやAmazonプライム・ビデオの動画なら自動的にクリエイターモードが有効になる。
また、標準規格(SDR)の映像をHDR相当にアップコンバートするHDRリマスターに対応しており、HDR非対応の動画も高画質で楽しめる。
Xperia 5 IIIの基本性能はXperia 1 IIIと同等
Xperia 5 IIIのチップセットは、Xperia 1 IIIと同じ「Snapdragon 888 5G」を搭載している。開発元のQualcomm(クアルコム)によるとXperia 5 IIが搭載する「Snapdragon 865 5G」よりも、CPUの処理性能で25%、グラフィックの性能は35%向上している。AI処理や写真撮影時の画像処理能力も向上しており、後述するカメラ機能のアップデートにもつながっている。
RAMはXperia 5 IIから変わらず8GBを搭載。Xperia 1 IIIの12GBと比べると少ないが、日常使いにおいて物足りなく感じることは少ないだろう。
Xperia 5 IIIのカメラはシーンに合わせてさまざまな撮影を楽しめる
Xperia 5 IIIの背面カメラは、Xperia 1 IIIに搭載されている被写体までの測位を行う3D iToF(Time of Flight)センサーは非搭載だが、それ以外は同じで約1,220万画素(超広角)/約1,220万画素(広角)/約1,220万画素(望遠)という3眼構成になっている。この構成自体はXperia 5 IIから変わっていないのだが、望遠がXperia 1 IIIと同じ70mmと105mmの2つの焦点距離を切り替えられる可変式望遠になっている。そのため実質、レンズがひとつ増えたといってもよいだろう。
もちろん、ドイツの光学機器メーカーZEISS(ツァイス)と提携し、不要な反射光を低減し、クリアな描写を得られるT*(ティースター)コーティングを施している。
Xperia 5 III / 5 II / 1 III は3機種とも共通して、24mmの広角レンズでは、リアルタイムの「瞳AF」に対応する。側面にあるカメラキーを半押しすることで、毎秒最大60回のAF演算を行い、リアルタイムに人やペットの瞳にフォーカスを合わせ続けてくれる。まさにデジタルカメラ同様の使い勝手だ。
また、Xperia 1 IIIと同様に、撮りたい被写体を画面上でタップするだけで自動追従してくれる「オブジェクトトラッキング」に対応している。動き回る子どもやペットも、自動でピントを合わせ続けてくれるので、撮影者は画面内に被写体が収まることだけを意識すればいいので、簡単に撮ることができる。
高音質かつ迫力ある音楽体験ができるXperia 5 III
Xperia 5 IIIは3.5mmオーディオジャックを搭載し、Xperia 5 IIと比較して有線ヘッドホンを使用した際の最大音圧が約40%向上した。大音量再生時の歪みを軽減し、大きな音でも高音質で迫力のある音楽体験ができるようになった。
なおXperia 5 IIIは、Xperia 5 II / 1 IIIと同じく立体音響技術「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」に対応している。Xperia 1 IIIと同様にソニーの360立体音響技術を活用した新しい音楽体験「360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)」の認定スマホでもあり、生演奏に囲まれているかのような、没入感のある豊かな音場を実現する。
Xperia 5 IIIはゲーム機能もXperia 1 IIIと同等
Xperia 5 IIIは、ゲーム機能に関しても上位モデルのXperia 1 IIIと同等の性能を持っている。120Hz駆動のディスプレイに加え、1秒間に画面へのタッチ操作を240回検出できる、240Hzのタッチサンプリングレートに対応。タッチサンプリングレートが高いほど、より機敏な操作が可能になるので、一瞬の操作が勝敗につながるFPSやアクションゲームでは重要な要素だ。
また、ゲームに特化した機能である「L-γレイザー(ローガンマレイザー)」にも対応する。これは、ゲーム専用の画質設定から、画面のγ値(中間色の明るさを示す値)を調整することで、物陰など暗い部分の映像を意図的に明るく表示し、隠れている敵や障害物の視認性を高める機能だ。
このほか、「オーディオイコライザー」にもゲーム向けの機能が追加され、10帯域±10dBの範囲でカスタマイズが可能となった。これを利用すると、敵の足音や銃声など聞き分けたい音だけを強調し、そのほかの音を小さく抑えるといったことができる。
Xperia 5 IIIはバッテリー容量が増量
Xperia 5 IIIは、Xperia 5 IIと変わらないサイズながら、バッテリー容量は4,500mAhに増量された。これはひと回り大きいXperia 1 IIIと同じ容量だ。ワイヤレス充電には非対応だが、急速充電には対応しており、別売りの30W急速充電対応ACアダプターを利用すれば、最短30分で50%の充電を行える。
コンパクトサイズながらハイスペックなXperia 5 III
一般的にコンパクトなサイズのスマホは機能が省かれがちなのだが、Xperia 5 IIIは上位モデルのXperia 1 IIIとほぼ同等のスペックが詰め込まれている。スマホはコンパクトなものがいいという人や、純粋に小型のスマホが好きな人にはピッタリだろう。
Xperia 5 IIもまだ十分に現役で利用できるスペックだが、Xperia 5 IIIはパフォーマンスやカメラ性能が大きく向上している。ゲーム向けの機能も追加されているので、スマホゲームをよくプレイするという人も乗り換えを検討する価値はあるだろう。もちろん、より大きな画面でよりハイスペックなスマホがほしい人にはXperia 1 IIIという選択もある。お気に入りのモデルを選ぶ際の参考にしてほしい。
文:山本竜也