2020/11/12
iPhone 12 miniとiPhone SEを比較!サイズや認証方式、カメラなど特長を解説
iPhone 12シリーズは全部で4機種発表されたが、2020年10月23日に発売された「iPhone 12」「iPhone 12 Pro」に続き、11月13日には「iPhone 12 mini」「iPhone 12 Pro Max」も発売となった。なかでも、iPhone SEなどコンパクトなスマホが好きな人にとっては、iPhone 12 miniが気になるところだろう。
そこで、iPhone 12 miniと2020年5月に発売された「iPhone SE(第2世代)」を比較しつつ、その特長を紹介する。
- 【目次】
スペック比較
まずiPhone 12 miniとiPhone SE(第2世代)の基本的なスペックを確認しておこう。
モデル名 | 発売年月 | 対応通信規格 | 画面サイズ | ディスプレイ | 本体サイズ | 重量 | カラー | メインカメラ | チップ | バッテリー駆動時間 | 容量 | ワイヤレス充電 | 生体認証 | タッチ機能 | 防水/防塵 |
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iPhone 12 mini | 2020年 11月 | 5G/4G | 5.4インチ | Super Retina XDRディスプレイ | 約64.2×131.5×7.4mm | 約133g | ブルー/グリーン/ (PRODUCT)レッド/ ホワイト/ブラック |
デュアル12MP超広角/広角 より明るいTrue Toneフラッシュと スローシンクロ ポートレートモード |
次世代の Neural Engine搭載 A14 Bionicチップ |
音楽:50時間 動画:15時間 |
64GB/128GB/256GB | ○ (MagSafeおよびQi対応) |
Face ID | 触覚タッチ | IP68相当 水深6mで30分 |
iPhone SE(第2世代) | 2020年 5月 | 4G | 約4.7インチ | Retina HDディスプレイ | 約67.3×138.4×7.3mm | 約148g | ホワイト ブラック (PRODUCT)レッド |
シングル12MP広角 True Toneフラッシュ ポートレートモード |
第3世代の Neural Engine搭載 A13 Bionicチップ |
音楽:40時間 動画:13時間 |
64GB/128GB/256GB | 〇(Qi対応) | Touch ID | 触覚タッチ | IP67相当 水深1mで30分 |
iPhone 12 miniは、iPhone SE(第2世代)と比べると本体サイズは小さいが、ホームボタンがないぶん画面サイズが大きい。また、生体認証はiPhone SE(第2世代)のTouch ID(指紋認証)に対し、iPhone 12 mini はFace ID(顔認証)だ。普段使いではロックを外す頻度も多いので、この認証方式でどちらを選ぶかを選択する人も多いだろう。
また、iPhone 12 miniはカメラが超広角と広角のデュアル仕様になり、iPhone SE(第2世代)のシングルカメラから大きく進化している。さらに、iPhone 12 miniは5G通信に対応しているのもポイントだ。
では、ひとつずつ詳細を見ていこう。
本体・画面サイズ比較
iPhone 12 miniの画面サイズは5.4インチで有機ELのSuper Retina XDRディスプレイを搭載。解像度は2,340×1,080ピクセルとなっている。この解像度、1インチあたりの画素数を表す画素密度(ppi)では476ppiとなり、iPhone 12シリーズ4機種のなかでは、もっとも高精細なディスプレイを搭載していることになる。
iPhone SE(第2世代)は4.7インチLCDのRetina HDディスプレイで、解像度は1,334×750ピクセルとひと回り小さい。画素密度は326ppiとなり、iPhone 12 miniよりもやや粗いが、人間の肉眼では違いがわからないほどに、どちらも写真や映像はもちろんのこと、細かな文字も見やすい高精細なディスプレイだといえる。
本体サイズはiPhone 12 miniのほうがコンパクトだが、ディスプレイサイズは大きい。これは、iPhone SE(第2世代)には上下に広いベゼルとホームボタンがあるのに対し、iPhone 12 miniはベゼルレスになっていることが大きい。重さもiPhone 12 miniが133gで、iPhone SE(第2世代)が148gと、iPhone 12 miniのほうが軽量だ。厚みは0.1mmの差なので、そこまでの違いはない。
また、iPhone SE(第2世代)では、エッジが湾曲した2.5Dディスプレイを採用していたが、iPhone 12 miniでは、前面のフレームがディスプレイと同じ高さのフラットデザインとなった。
iPhone 12 mini のデザインは、iPhone SE(第1世代)あるいはiPhone 6s以前に近く懐かしさを感じる人もいるかもしれない。だが、見た目とは裏腹に中身は着実に進化を遂げており、ディスプレイの保護ガラスに強靱なCeramic Shield(セラミックシールド)を採用したことで、落下耐性がiPhone 11と比較して4倍になっている。
iPhone 12 mini はFace ID、iPhone SE(第2世代)はTouch ID
iPhone 12 miniはiPhone X以降のモデルと同じく、生体認証は顔認証のFace IDのみで、指紋認証のTouch IDには非対応。これに対してiPhone SE(第2世代)は、Face IDには非対応で前面下部にTouch IDを搭載する。
どちらが優れているということはなく、どちらが便利かは利用するシチュエーションや好みの問題であるので、利便性に応じて機種選択の判断のひとつとして知っておきたい。
カメラスペック比較
iPhone SE(第2世代)は1,200万画素の広角カメラのみだが、iPhone 12 miniの背面カメラは、超広角と広角のデュアルカメラで、画素数はどちらも1,200万画素。これは、iPhone 12と同じものだ。最近のスマホカメラは性能が上がっているため、望遠はデジタルズームで処理し、代わりに超広角を採用するというスマホが増えており、iPhone 12 miniもこれにならったかたちだ。ちなみに、より上位のiPhone 12 Proシリーズは、超広角と広角に加え、光学の望遠レンズを備えている。
加えてiPhone 12 miniは、iPhone SE(第2世代)では非対応な「ナイトモード」や、機械学習により画質を高める「Deep Fusion(ディープ・フュージョン)」も利用できるなど、コンパクトな本体ながら高機能なカメラを搭載している。
単純にカメラ性能だけを考えるなら、iPhone 12 miniがおすすめだ。
充電がより便利になる「MagSafe」
iPhone 12シリーズ共通の特徴として、MagSafe(マグセーフ)への対応が挙げられる。MagSafeは背面のマグネットによりMagSafe充電台と張り付く。これにより位置合わせに気を遣う必要がなくなると同時に、簡単に外れたりズレたりすることがなくなる。iPhone SE(第2世代)もワイヤレス充電だが、より充電しやすい環境を用意した形だ。
iPhone 12 miniは防水防塵性能も進化
iPhone SE(第2世代)の防水防塵性能はIP67等級(最大水深1メートルで最大30分間)だったが、iPhone 12 miniはIP68等級(最大水深6メートルで最大30分間)へとアップデートされた。
防水性能がアップしたとはいえ、海やプールでの利用はおすすめできないが、機能の向上は故障率の低減につながるためありがたい。
上位モデルと同じ最新のCPU「A14 Bionic」を搭載
iPhone 12 miniは同時に発売されたほかのiPhone 12シリーズと同じCPUのA14 Bionicを搭載する。小型モデルとはいえ、その性能は上位のProモデルと同等だ。
このA14 Bionicの性能について、AppleはiPhone SE(第2世代)が搭載するA13 Bionicとの比較データは現時点(2020年11月)では公開していないが、例年の性能アップを見ると、今回も処理能力が上がっていることが期待される。
あわせて、A14 Bionicは電力効率も改善されており、利用時間も伸びている。
「Neural Engine」対応でAI処理にも強いiPhone 12 mini
最近のスマホでは重要な機能のひとつとなっているAI処理に関しても、A14 bionicは専用のAIコアであるNeural Engine(ニューラルエンジン)を搭載。A14 bionicのコア数はiPhone 11シリーズのA13 Bionicが搭載する8コアから16コアに倍増し、性能が劇的に向上。負荷が高い機械学習タスクも最大80%速くこなせるようになった。
AIによる写真や動画編集、AR機能など、機械学習を多用するアプリを使うのであれば、iPhone SE(第2世代)よりもiPhone 12 miniのほうが快適に作業できるはずだ。
コンパクトでありながら大画面のiPhone 12 miniは、多くの面でiPhone SE(第2世代)よりも進化しており、コンパクトなスマホを探している人におすすめできる。画面の大きさで選ぶか、認証方式で選ぶか、カメラ性能で選ぶか。本体価格と合わせ、自分にあったiPhoneを選んでほしい。
文:山本竜也