2016/09/29
【通信×防災⑤】仕事仲間にも最適! 災害時の安否確認に使えるFacebook活用術
災害時、いざというときにはどう対応すればいいのか・・・・・・?
この連載では、今や最も身近な存在といえるスマホやケータイを使って災害時にできることや、SNSやアプリの活用術など、災害時に役立つ【通信×防災】の情報をお伝えしよう。
連載第5回は「実名登録」を推奨するFacebookを取り上げる。
Facebookは知り合いに対してまとめて安否情報を発信できる
こちらは東日本大震災のときに編集部員が実際に発信したもの
Facebookは「実名」での登録を推奨している。そのため、実名ならではの信頼感があり、Twitterほど気軽に知らない誰かとつながることはできないが、電話番号やIDを交換する必要がないため、LINEよりは簡単につながることができる、と言われている。そういった点で、多くのFacebookユーザーは、友人だけでなく、社会的な関係のある人、たとえば仕事関係の人や顔見知り程度の知人とつながっていることが多い。
連載第3回では、災害時にLINEで家族や親しい友人に安否を伝える方法をお伝えしたが、Facebookの場合は仕事仲間や知り合いなどに、一度にまとめて安否情報を発信するのに適していると言えるだろう。
特にクイックに情報を発信できるのがFacebookのメッセージ機能に特化した、「メッセンジャー」アプリだ。仕事上の関係のなかでも、さらに深い付き合いがある人同士のチームでやりとりで使用している人もいるだろう。
Facebookの「メッセンジャー」アプリは、LINEのように直接メッセージをやりとりすることができ、プッシュ通知や既読機能もある。グループの作成ができるので、仲のいいメンバーなどでグループにしておけば、電話がつながりづらい震災時にもスムーズに安否報告ができる。
実名登録なので信頼性が高い情報を入手できる
前段でも触れたとおり、Facebookの特徴のひとつが「実名登録」。実名で情報を発信することで、信頼性は自ずと高くなる。たとえば「○○病院ではタオルが不足している」などと、被災者自身が現地の情報や必要な物資、援助を発信することも可能だし、その情報を閲覧して、参考にすることもできる。
また、災害時には公的機関や災害時対応と支援を担当する組織など、情報がまとめられた「Facebookページ」のグループが作成されることも多い。これらのページには、防災対策や連絡先リスト、支援を受けられる場所や復旧情報などが掲載され、地域の人々との双方向のコミュニケーションの場ともなる。
もちろん、災害発生時だけでなく、普段から防災情報を発信しているページもある。たとえば、内閣府防災担当のページでは、地震だけでなく台風の接近など、深刻な影響を及ぼす可能性のある災害に関する情報を発信している。地方自治体でも、防災訓練や防災講座のお知らせ、防災情報などを発信していることがあるので、居住自治体がFacebookページを解説しているか確認しておきたい。
ほかにも、防災情報をまとめた「災害NGO結」「防災ガール」といった、民間組織のFacebookページもあるので、こちらもチェックしておくと良いだろう。
ちなみに、Facebookは写真の投稿が多いことも特徴のひとつ。Facebook社も災害時のFacebookページの活用法をまとめた「Facebookを活用した災害対策と対応」のなかで、「緊急状況の深刻性をより強く伝える」「支援組織や救助隊が、現場の状況を視覚的に把握できるようにするようにする」「災害時の落とし物や迷子になったペットを、持ち主や飼い主が後から見つけやすくする」などのために、写真や動画を積極的に活用することを推奨している。
被災地域にいる場合、Facebookから安否確認の連絡がくる
熊本地震でも活用された「災害時情報センター」も、Facebookの防災活用ではかかせない機能だ。
この機能では、利用者が災害地域にいる場合、Facebookから安否を確認する通知が届く。無事でいる場合は、「自分の無事を報告」というボタンをタップ。最新情報を示す通知とニュースフィード記事が作成され、Facebook上の友達に安否が報告される。一方、災害の影響を受けた地域にいなかった場合は、「影響を受けた地域にはいません」というボタンをタップすると、そのことを改めて示してくれる。
このようにFacebookは、仕事仲間や友人や知人などへの安否情報の発信、写真による現地状況の情報発信、信頼度が高い情報収集に強みを発揮するSNSと言える。災害時には、その特性を把握したうえで上手に活用してほしい。
- 【通信×防災⑤】のまとめ
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- 1. Facebookは知り合いにまとめて安否情報を発信できる
- 2.安否情報を送るなら「メッセンジャー」アプリが便利
- 3.基本「実名登録」だから信頼性の高い情報をゲットできる
- 4.被災地にいれば「災害時情報センター」から連絡がくる
文:T&S編集部
取材協力:高橋暁子