2019/02/20
Galaxy、Xperia、AQUOS 最新スマホで初心者が「自撮り写真展」を開催してみた
写真展というものがある。プロのカメラマンや、写真を趣味としている人が、テーマを決めて長い時間をかけて撮った写真を美術館やギャラリーに展示するものだ。多くは一眼レフカメラで撮影している。
そんな写真展をやってみたい。人生にレベルというものがあるとして、個人で写真展を開催したとなれば、間違いなくレベルアップするのだ。ただし、カメラの知識も長年撮っているテーマもない。だけど、写真展を開催することにした。
写真展への憧れ
写真展への憧れを大学時代から持っていた。私は美大を卒業していて、同級生は学生時代から写真展をやっていた。また、授業の一環で「写真界の芥川賞」とも称される「木村伊兵衛写真賞」の受賞作品展などにも行った。やはり写真展はカッコいいのだ。私もやりたくてたまらなかった。
ポイントは写真展をしたいということであり、繰り返しになるが、私に写真の知識はない。技術もない。長年撮りためている写真も当然なければ、テーマにしているものもあるわけない。ただただ写真展をしたいだけなのだ、カッコいいから。「こんな写真を撮りたい」とかないのだ。もっとも腕がないから撮れないけど。
という話をTIME&SPACEの担当者に相談したところ、「いいよ」と言われた。めちゃくちゃ理解がある。理解の塊だ。普通は怒ると思うの。「その写真展の動機はなんだ!」と。
しかし、そんなことはなく、「このスマホで撮れば、基本、誰でもうまく撮れるから」とスマホを貸してくれた。私に写真の知識はないので、むしろそういうカメラを求めていた。あざーす!
スマホまかせの撮影
たとえば、一眼レフにはシャッタースピード、絞り、ISO、ホワイトバランスなどがあり、状況にあったベストの設定が必要だ。さらにRAWデータで撮って、それをAdobeのLightroomなどのソフトで現像する必要があるらしいのだけれど、そんなことはわからない。そこでスマホなのだ。
「素敵な宇宙船、そろってます」 撮影:Xperia XZ3
この状況はなんなんだ、というのは置いといて、これは逆光である。光を背負った人にカメラを向けると人物が暗くなるのだけれど、「Xperia XZ3」には「プレミアムおまかせオート」という機能があり、被写体や環境に応じて、最適な設定を自動で賢く選択してくれる。つまり、誰でもきれいに写せるのだ。
今回は写真展のために、ある程度の枚数を撮影しなければならない。そこで、ひとつの建物にいくつものシチュエーションがあるスタジオで撮影している。ここでスマホを使って、写真展的な素晴らしい写真を撮るのだ。
プロデューサーを意識した写真を「Galaxy Note9」で撮った。花や食事など、20種類にわたるシーンを自動で認識してくれる。さらに「ライブフォーカス」というものがあり、かなりきれいな背景ボケを与えてくれる。
「人生に正しい道はない」 撮影:Galaxy Note9
ライブフォーカスはボケを与えてくれる「接写」と「広角」を同時に撮ってくれる。これはかなり便利だ。広い画角の画もほしいときがあるので、一度に撮れちゃうのは便利。一眼ではたぶんできないことだ。両方を確認できるのもいい。
電車内を模したスタジオにて、次の写真を「AQUOS sense2」で撮った。料理や夕景など、撮影するシーンにぴったりのモードをAIが自動でセレクトしてくれる。やっぱり勝手にいい写真を撮ってくれるのだ。写真のハードルはどんどん下がっている。
写真は画質なども大切だけど、構図も大切。それをさまざまなガイド線で補助してくれる。料理に適したガイド線や、複数の要素を安定的に配置できる黄金分割交点、黄金比を取り入れたバランスよい配置のフィボナッチなどを、選ぶことができる。
「未来への通勤快速がまいります」 撮影:AQUOS sense2
このような感じで3台のスマホを駆使して撮影した。知ってはいたけどスマホ、優秀。勝手にやってくれるのが素晴らしい。私は写真展がしたいだけなので、写真がきれいでさえあればいい。ジャーナリズムを感じる写真とかを撮りたいわけではないのだ。
10時から20時まで休憩なしでスマホで撮り続けた。写真は順調にきれいだ。3台とも暗部もきれいに写る。「Xperia XZ3」はスマイルシャッターがあったり、「Galaxy Note9」は「撮影」や「チーズ」と呼びかければシャッターを切ってくれたり、自撮りがスムーズだった。
「タイムイズマネー〜時は金なり〜」 撮影:Galaxy Note9
「小さな喜び、大きなワイシャツ」 撮影:Xperia XZ3
「働きざかりの君たちへ」 撮影:AQUOS sense2
「写真の世界観がよくわからない」という意見は、今回は無視だ。あくまできれいさだけを見ていただきたい。スマホの大きな画面ですぐに確認できて、それも便利だ。10時間も撮影したけれど、これで写真展ができるのなら効率が良すぎるくらいだ。
「愛することを恐れないで」 撮影:Galaxy Note9
フォトブックを作る
撮影を終えて、写真展へ向けての準備は次のステップへと進んだ。会場は渋谷のギャラリーを押さえたので、飾る写真と図録の準備だ。飾る写真は、撮った写真からモデル(私)の表情がいいものを選び、プリント会社にお願いした。A4より大きいA3でプリントしたいので、私の家のプリンターではできないのだ。
美術展などに行くと、展示されているものが一冊の本になった図録というものが売られている。それを作りたいと思う。ちょうどauのサービスにフォトブックを作れるものがあるので、今回はそれを使う。全部スマホで完結するので、簡単で楽ちんだ。
フォトブックはB6サイズの24ページ。タイトルや奥付もつけてくれるので本格的。1冊から頼めるのがいい。今回は自腹で50冊も作ったけど。1冊ずつ折れ曲がったりしないようにパッケージされていた。簡単に作れるけど、写真ごとのタイトルに3時間半も悩んだので、かなり時間がかかった力作だ。
緊張の当日です!
プリント会社から届いた写真をパネルに貼ったり、写真タイトルの名札を作ったりして、いよいよ当日を迎えた。プリントはきれいだった。スマホで撮ったとは思えない。A3というA4の倍の大きさにプリントしたのに、めちゃくちゃきれいなのだ。
会場はなかなかに広い。渋谷の駅から5分という好立地だけれど、センター街とは逆に位置しているので、人が来てくれるのか心配だ。写真展を開催できた時点で私の人生レベルはアップしたけれど、人は来てほしい。来てほしいじゃない!
結果的に2日間で約150人のお客さんが来てくれた。目標が100人で、自分のなかでは30人くらいだと思っていたので、涙が出そうなほど嬉しかった。そして、写真が好評だったのも嬉しい。きれいと写真を褒めてくれるのだ。「展示されている写真の世界観は謎」と言われたけれど。
「差し出される手は敵か味方か」 撮影:AQUOS sense2
今回の写真はすべて撮って出しなので、撮った後に明るくしたりなど、一切写真をいじっていない。撮った写真をそのままプリントしただけなのに、この美しさ。お客さんも口々に「スマホなの?」と驚いていた。あと「世界観が謎」も同じくらい言っていた。私もそう思う。
「人にはいくつかの分岐点がある」 撮影:Xperia XZ3
「井の中の蛙、喜びを知る」 撮影:Xperia XZ3
「心が歌いだしてる」 撮影:Galaxy Note9
来てくれたお客さんに作ったフォトブックも配った。数が50冊しかなかったので全員には配れなかったけれど。それも好評で、「このフォトブックは別にほしくないけど、どこで作れるのか?」というサービスの詳細だけを聞かれたりもした。
「Xperia XZ3」のモードに「ポートレートセルフィー」というものがあり、目を大きくしたり、輪郭を細くしたりできる機能がある。これが女性に人気だったようで、上記のような写真を撮っていた。あと7歳の男の子が私の写真を見て、腰から砕けて笑っていた。写真展は素晴らしい。
本当に大満足の2日間だった。アンケートも取っていたので、お客さんの満足度も高いことは間違いない。写真のきれいさのおかげだ。スマホの写真がどんどんきれいになっているのは知っていたけれど、それを裏付けるものなのではないだろうか。
では、最後にアンケートでいちばん人気だった写真と、いちばん不人気だった写真をどうぞ。
全員フォトグラファー
素晴らしい写真だらけだった。スマホでただ撮っただけなので、このようなスマホを持っている人は普段から撮っている写真が、写真展を開催できるレベルできれいに撮れているということだ。スマホを持っている人は全員フォトグラファーと言える。こうなると、より良い写真のためにはモデルのレベルを上げるしかないので、とりあえず今後はお風呂上がりに乳液とか使っていこうと思います。
文:地主恵亮
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