2014/12/26

Firefox OSスマートフォン『Fx0』がついに登場 「つくる自由」を実現する新世代デバイス

オープンテクノロジーでモノや人がつながる未来のWebを体現

KDDIが発表した「Firefox OS」を搭載のスマートフォン「Fx0」

Web標準技術に基づくオープンなモバイルOSが、いよいよ日本にも登場した。KDDIは、日本の通信事業者として初となる「Firefox OS」を搭載したスマートフォン「Fx0(エフエックスゼロ)」を12月25日にauオンラインショップおよびau直営店で発売した。2015年1月6日以降、全国のauショップおよびau取扱店でも順次発売する。

12月25日に東京・渋谷で開催された「au Firefox OS EVENT」で、KDDIの田中孝司社長は、まず「ウェブ新世紀ハジマル」と宣言。高度な技術を持っていなくても、アプリやデバイスを「つくる自由」を実現するFirefox OSにより、世界に無限大の可能性が広がると述べた。Firefox OS開発責任者であるMozilla CTOのアンドレアス・ガル氏も登壇し、Firefox OSはオープンな世界で未来のスマートフォンを意識したさまざまな実験ができるプラットフォームであることを強調したほか、「FirefoxとKDDIは長い関係を持ってきました。今回、KDDIから発表されるデバイスは、最新の機能が実装された最先端のものです。KDDIが日本で、Firefox OSの地図に加わってくださることを、本当に嬉しく思っています」とコメントした。

Firefox OS開発責任者であるMozilla CTOのアンドレアス・ガル氏

Firefox OSは、グローバルな非営利組織であるMozillaが中心となって、スマートフォン向けに開発したOSだ。Web標準技術を基に、世界中のユーザー、アプリ開発者、スマートフォンメーカー、通信事業者等からなるMozillaコミュニティによって開発されている完全にオープンなOSである。すべての機能がWeb標準技術で実現されているため、アプリやインターフェースの開発、さらに周辺機器の開発も、全世界で800万人もの開発者がいるHTML5、CSS、Java ScriptというWeb標準のオープンテクノロジーで実現できる。また、Web技術でさまざまなモノをつないで連携させる「WoT(Web of Things)」のプラットフォームとしても期待されている。Firefox OSを搭載したスマートフォンは、2013年7月にヨーロッパで販売が始まり、既に世界29カ国で15の通信事業者から発売されている(日本発売以前の数値)。

KDDIは、2011年12月にMozilla JapanとのミーティングでFirefox OSと出会い、翌年、バルセロナで開催されたMWC(Mobile World Congress)で、アンドレアス・ガル氏から実物を紹介され、コミュニティーへの参加を検討し始めた。そして2013年2月のMWCに付随して開催されたMozilla主催のイベントで、Firefox OS搭載端末の日本市場への導入とFirefox OSの機能向上のためにMozilla Corporationと協力していくことを発表。今回、Fx0に初めて搭載されたいくつかの機能を含めて、Firefox OSの開発に貢献してきた。

世界初のハイスペックFirefox OSスマートフォン。デザインにもこだわり

Fx0は、最新のFirefox OS(Firefox OS 2.0)を搭載しており、また、Firefox OSスマートフォンでは世界で初めて、4G LTEに対応し、Qualcomm® Snapdragon™ 400クアッドコアプロセッサを搭載、HDディスプレイを搭載した世界初のハイスペックFirefox OSスマートフォンである。Mozilla、オムロンソフトウェアと共同開発した日本語入力環境「iWnn IME for Firefox OS」を搭載し、快適な日本語入力を実現しているほか、LINEやFacebook、歩行者ナビゲーションサービス「NAVITIME」も利用できるなど、日本で使用するスマートフォンとして必要な機能にもきちんと対応させた。

au design projectで「MEDIA SKIN」を手掛けた吉岡徳人氏による、透明で未来感のあるデザイン

デザインは、au design projectで「MEDIA SKIN」を手掛けた吉岡徳人氏によるもので、Firefox OSの最大の特長であるオープン性を、透明で未来感のあるボディで表現。ポリカーボネート越しに見えるパーツの形や色、レイアウトまで、綿密に計算されたものだという。さらに、Firefoxロゴが立体的に表現されたホームキー、色をデザインに合わせるため特注したネジなど、随所に試作を繰り返したこだわりのパーツが使用されている。

「つくる自由」を実現する機能も充実している。KDDIも開発に貢献したWebサーバー機能や、タッチするだけで簡単にWi-Fiによるローカルネットワークを形成し、動画や写真を共有できる「Web-cast機能」を搭載。Fx0を介してさまざまなネットワークデバイスをつなげることが可能だ。

また、ロック画面をデザインできるアプリ「Framin」を搭載。表示したい画像と、Webやスマートフォンのセンサーから得られる情報、利用したいエフェクトを選ぶだけで、現在地の地図を表示する、明るさに応じて画面が変化する、画面上の絵をタップすると楽器の音が鳴る、スマートフォンを振ると写真が変わるといったUIを、誰でも簡単に作成できる。

さらに、Fx0は、3Dプリンター用データも公開されている。背面カバーは取り外せるため、公開データを基に、自分だけの外観を自由にデザインしてつくることも可能だ。

Firefox OSの世界をいち早く体験したいユーザー向けに、月間データ容量上限2GBで月額3,500円(税別、以下同様)のFx0専用のデータ定額サービス「LTE フラット cp(f・2GB)」や、新規契約の場合は最大2年間基本使用料が0円になる「Fx0おトク割」も用意されている。

Firefox OSを通して開発者やデザイナーがつながる未来

KDDI は、Fx0発売に先立って、10 月 5 日に開発者向けのコミュニティサイト「au Firefox OS Portal Site」をオープン。 加えて、「Open Web Board」とアプリ開発ツール「Gluin」を開発している。Open Web BoardはFirefox OSを搭載したスティック型の開発ボードで、BluetoothでさまざまなセンサーやIoT機器、ウエアラブル端末と通信する Firefoxアプリを開発でき、ハッカソン等のイベントで配布している。Gluin は、Open Web Boardやさまざまなデバイスを一元的に管理し、連携させるプログラムを、WEBブラウザからグラフィックベースで簡単に作成できる。

KDDIの田中孝司社長、Mozilla CTOのアンドレアス・ガル氏(中央)とハッカソン参加メンバー

au Firefox OS Portal Siteでは、Firefox OSについての情報を伝えるとともに、ユーザーが作成した作品(FraminやGluinで作成したアプリ、Open Web Boardと接続するセンサ等、写真、アイデア等)を公開できる「Creator Showcase」も設けており、WoTに興味を持つプログラマー、エンジニア、デザイナーをつなぐコミュニティとなっている。

Fx0の発表の場となった「au Firefox OS EVENT」も、KDDIの開発者コミュニティとの協力関係を反映し、Firefox OSを利用したハッカソンの中で、開発者やユーザーを招待して開催されるという異例の形のもので、Fx0発表に続いて、4つのチームによるハッカソンの成果発表が行なわれた。Fx0から縫いぐるみを動かしたり、カメラによる画像認識とNFC機能を利用したロボット掃除機の自動運行、環境に埋め込まれたデバイスとの連携、Fx0をサーバーとしてアプリを他の端末に配信してさまざまなデバイスをコントロールするといった成果がデモ形式で披露され、Firefox OSの持つ限りない可能性の一端を垣間見せてくれた。

ただアプリを「使う」だけのスマートフォンでは物足りなくなった方は、Fx0で未来のスマートフォンの自由な世界を一足先に体験してみてはいかがだろうか。

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