2014/03/31

au2014春モデル特集『AQUOS PHONE SERIE mini SHL24』 女性への心遣いを詰め込んだコンパクトスマートフォン

最近のスマートフォンは大型化の傾向がある中、その小ささで異彩を放つのが「AQUOS PHONE SERIE mini SHL24」。女性ユーザーを意識して開発したモデルと聞いて、KDDI広報部女子が開発担当のKDDI 山部裕司に、その魅力を突撃インタビューした。

女性の手に優しいサイズと軽さを徹底追求

――最初に見た時に、「あ、これ、小さいな」と思ったんです。最近のスマートフォンって、大きいものが多いじゃないですか。たしかに大画面は見やすいんだけど、女性の小さい手では片手で持ちにくかったり、電話をするときにも耳にあてにくくて、なかなかいいなと思えるサイズがなくて困っていました。

AQUOS PHONE SERIE mini SHL24

山部:おっしゃる通り、お客さまのニーズは、「サイズは小さい方がいい、でも画面は大きい方がいい」という、相反するものでした。その両方を満たすひとつの答えが、AQUOS PHONE SERIE miniに採用したフレームレスの「EDGEST」デザインです。画面の縁に当たる部分を細くすることで、「小さいけど大画面」を究極まで突き詰めました。横幅は63ミリに抑えたのですが、これが70ミリを超えると、手が小さい女性は片手持ちでは画面の隅に指が届かないという声が増えてくるんです。なので、とにかく横幅を小さくして、片手での操作性を追求しました。実際に持ってみてどうですか?

――本当だ! 画面の隅々まで手が届いて操作しやすいです。それに、とても軽いですね。

山部:重さは115グラムで、最近のスマートフォンの中では軽い方だと思います。女性ではあまりないかもしれませんが、男性の場合はポケットに入れることが多いので、できるだけ軽い方が洋服のシルエットが崩れないという、いいところもあるんです。女性向けに絞っているわけではなく、女性でも男性でも、身に着けてできるだけ違和感がないものに仕上げたいと考えました。実は、軽いことによるメリットがもう一つあって、壊れにくいんです。重いほど落とした時の衝撃が強くなるので、軽いと衝撃が弱くなる分壊れにくいというわけです。

広報部女子が開発担当者にインタビュー

――軽いのはうれしいんですが、一方で、バッテリーの容量が少ないのでは? というのが気になってしまいます。

山部:バッテリー容量は2120mAhですから、スマートフォンのバッテリーとしては大きいですよ。2012年冬モデルで、auのAndroid初のLTE対応機種だった「AQUOS PHONE SERIE SHL21」は、重さ148グラムでバッテリー容量は2040mAhでしたから、1年で大きく進化しています。バッテリーの配置も背面がごつごつしないように、裏蓋側に基盤を入れてその奥にバッテリーを入れることで、背面に丸みを出すことができ、持ちやすさを狙っています。

――それで、どのくらいバッテリーはもつんですか? 私、この間まで使っていたスマートフォンは半日で充電が切れてしまって、いつもモバイルバッテリーを複数持ち歩いていました。

山部:人によって使い方が違いますので公式な数字は出していませんが、普通に使っていれば、モバイルバッテリーを持ち歩かなくても、バッテリー切れを気にすることなく使って頂けると思います。スマートフォンのお客さまの要望で一番多いのはバッテリー持ちです。シャープのスマートフォンはバッテリーの持ちがいいと評価いただいていますので、サイズを小さくしてもそこは犠牲にしてはいけないと、さまざまな工夫をしました。

――バッテリー持ちは、スマホを選ぶ時の重要なポイントですよね。フィーチャーフォンからスマートフォンに買い替えて最初のカルチャーショックが「バッテリーを気にしながら使わないといけない」ってことでしたから。

自分撮りや屋内での撮影が得意なこだわりのカメラ機能

山部:ところで、インカメ(インカメラ)って使います?

――はい、使います。自分撮りには必須ですね。

山部:インカメの位置、今までのスマートフォンと違うでしょう。

――あ、本当だ。インカメが下にありますね。

山部:インカメの部品は大きいので、上につけると、どうしても上のフレームが太くなってしまいます。一方で、下のフレームはボタンを付ける関係上、太さを削れません。だったら、太いフレームのところにインカメも持ってこようということで、上のフレームを細くしたんですね。

開発担当者のKDDI山部裕司

――でも、カメラアプリのシャッターは下ですよね。インカメも下だと隠れちゃいますね。

山部:それは、こうするんです(カメラの上下をひっくり返す)。

――あー! 画面が回転した!

山部:こうすれば上から撮れます。女性は写真を撮る時、下から撮るより上から撮る方が好きですよね。写真のアングルを意識されると聞いていたので、その点は気を使いました。

――それは乙女心をくすぐりますね! 自分撮りがかわいく撮れないスマートフォンなんて、女子にはあり得ないですから。

山部:やはりそういうものなんですね。

――はい、そういうものです!

山部:その辺の感覚が、男性は弱いんですが、シャープの女性の担当者の「下から撮られるのは女性は嫌だから」という一言から、上から撮るにはどうすればいいかを考えて、上下反転にたどり着いたんです。やはり女性のことは女性に聞かないと分からないですね。

――ところで、メインカメラの方はどうですか? とても写真がきれいになったという噂を聞いていますが。

山部:ピクセル数は1300万画素で、レンズはF値1.9という明るいレンズを採用しています。

――......すみません、F値というのは何でしょうか。

山部:F値はレンズの明るさを表していて、それが小さいと、光が十分にない室内などのうす暗いところでの撮影に効果的です。また、室内で撮影するときに明るい写真が撮れて、ブレにくくなります。Instagramの写真などを見ていると、女性が上げているのは料理とかインテリアとか、圧倒的に屋内の写真が多いので、屋内でもきれいに撮れることを目指しています。他にも子どもの写真を撮ろうと思うと、どうしても子どもって動いてしまって、残像が残ってしまったりしますよね。このカメラならそんな失敗写真を減らすことができるんです。

――それはいいですよね。よく「スマートフォンのカメラの性能が上がって、デジカメはもういらないんじゃないか」って言われますけど、やっぱり屋内でちゃんとした写真を撮ろうと思うとデジカメ、必要なんです。結婚式の写真とか、みんなで集合した"公式写真"はデジカメ、SNSでシェアする写真はスマートフォンで、って使い分けてます。だから、スマートフォンでも明るくきれいに撮れるようになるのはとてもうれしいです。フィルタ機能はあるんですか?

山部:色をセピア調に変えたりと、基本的な機能は持たせています。また、シーン別撮影メニューに「料理」という項目を作って、おいしそうに見えるように最適な色合いで撮影できるようなモードを入れています。さらに、「ナイトキャッチ」という、夜景などの暗いシーンでもノイズを押さえて撮影する機能もあります。さらに、フィルタも加工も、ベースになる写真がきれいに撮れてこそなので、そこはしっかりとケアしています。

背景をぼかしてプロっぽい写真も

明るいレンズのおかげで室内での写真も鮮やかに撮れる

山部:F値が小さいレンズのいいことがもう一つあって、近接撮影で背景がきれいにぼけます。

――実際に撮ってみてもいいですか?

山部:どうぞどうぞ。思いっきり寄ると、自動で接写モードになります。

――(撮影した写真を見ながら)本当だ、背景がきれいにぼけるとプロっぽくなりますよね。私、自分のデジカメも「ぼけコントロール」ができるミラーレス一眼なんです。

山部:こんな写真が撮りたい、みたいなイメージはあるんですか?

――うーん......色鮮やかな写真が撮りたいですね。Instagramのウォールが色にあふれた生活をしているように見られたい、っていうのがあります。色って大事なんですよ。

山部:女性は撮られた時の肌の色にもすごくこだわりますよね。

――私よりもう少し若い子は、「自分がかわいく撮れる」ことが一番大事ですから。プリクラも強い光を飛ばして肌を白く撮りますし。レンズが明るいということは、肌色が明るくきれいに撮れるということですよね。自分撮りもしてみますね。......我ながらきれいに写せています。遠くまで背景も見えます。普通の携帯で自分撮りすると味気ない写真になることが多いんですけど、めりはりがあってきれいな写真が撮れますね。

近接撮影では、背景をぼかした写真が簡単に撮影できる

山部:HDR機能を利用すれば、窓際で逆光でもきれいにとれますよ。

――......たびたびスミマセン。HDRというのは何でしょうか。

山部:露出の違う写真を何枚か撮って合成することで、明るいところも暗いところもきれいに撮ってくれる機能です。スマートフォンのカメラには搭載されることが多くなっています。

――カメラの立ち上がりも速いですね。ロック解除ボタンのそばにカメラボタンがあって、ロック画面から直接カメラが起動できるのも使いやすいです。

山部:カメラの立ち上がりは0.4秒です。かなり頑張りました。スマートフォンは手軽に写真が撮れるのが長所なのに、肝心のカメラを立ち上げるのにもたついていては瞬間を逃しますから。

鮮やかな4色展開。プライバシーへの配慮も万全

山部:カラーバリエーションは4色用意したのですが、これも女性を意識した部分です。

――メタリックカラーがかわいいですね。ふと気がついたんですが、黒が無いですね。

山部:auのカラーバリエーションは黒が入ることが多いのですが、今回は女性にも手に取ってほしいということで、黒のないモデルにチャレンジしました。AQUOS PHONEは男性が使う傾向が強かったのですが、あえて黒をなくしてもっと女性に使ってほしいという気持ちを表しました。メインカラーはピンクです。

――春っぽいですね。

山部:ピンクでも淡いピンクと濃いピンク、どちらが良いかを調査しました。どちらかと言うとコンパクトサイズを望まれる方は、濃いめのピンクが好きという傾向があったので、そちらのカラーを採用しています。

――縁がツートンになっているのがシャープっぽい感じです。

カラーバリエーションは、ピンク、ブルー、イエローグリーン、ホワイトの4色

山部:どの色がお好きですか?

――それはもう圧倒的にイエローグリーンです! まさにこれからの季節、Springっていう感じ。

山部:お、そうなんですね。種明かしをすると、この色は社内では「冒険色」の扱いでした。黄色のサンプルをたくさん作ってみて、フレームのレモンイエローと合わせて一番しっくりくる色を選びました。

――着せ替えケータイにもこの色があって、かわいいと思っていました。広報部女子の間では、ピンクが根強い人気なんですけどね。パステルカラーじゃないピンクは、20代後半の女性も挑戦しやすい色です。ラインアップが華やかなのはいいですね。

全体的に、今回のAQUOS PHONE SERIE miniは、細かいところに配慮が行き届いた端末だという気がします。例えば、USB端子に蓋がありませんよね。あの蓋って、爪を傷つけるのでできればない方がいいなーと思っているのでとてもうれしいのですが、防水はどうなっているんですか?

山部:USB端子は撥水コーティングしているので、水が入っても排水しやすく、端末の中まで入らないんです。逆にキャップがついていても、キャップが壊れたり、はめ方が甘いと水が入ったりするので、むしろ蓋なしで守れる方が安全だったりします。

――あと、スイッチ一つで横から覗き込めなくなる「ベールビュー機能」とか、端末を振るだけで画面をオフにできる「Shake Off」とか、プライバシーを守ってくれる配慮も、女性には嬉しいです。

山部:小型のスマートフォンというのは、小さくする代わりにカメラ機能が少し劣るとか、サクサク感が落ちるとか、何かを妥協していることが多かったんです。でも、この機種は、「小さいけれど全部入り」をコンセプトに、妥協しないで作っています。小さいということは何か性能を落としているところがあるんじゃないか、と不安に感じる必要はありません。多くの方に使っていただける端末だと思います。

――画面が大きくて軽いので、意外にお年寄りにもいいかもしれませんね。必ず使う機能がより良くなっているという印象を受けました。長く使える、いい端末だなと思います。私は昨年まで営業をしていたので、お客さまの声を聞く機会も多かったのですが、AQUOS PHONE SERIE miniは「人気機種になる!」と断言しちゃいますっ!

構成:板垣朝子  撮影:高橋正典

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