2013/11/29

au2013冬モデル特集『AQUOS PHONE SERIE SHL23』 長寿命はそのままフルHDのIGZOに進化

フルHDになっても安心のバッテリーの持ちは健在

開発担当者のKDDI山部裕司

フルHDのIGZOディスプレイを搭載したAQUOS PHONE SERIE SHL23

フルHDのIGZOディスプレイを搭載した「AQUOS PHONE SERIE SHL23」が登場した。高精細なフルHD画面とバッテリーの持ちを両立させただけでなく、日常の使いやすさを随所に散りばめたモデルだ。開発担当者のKDDI山部裕司に、AQUOS PHONE SERIE SHL23のコンセプトと、ユーザーに提供する“おもてなし”について尋ねた。

バッテリーの持ちがいいと好評だったauの2012夏モデルの「AQUOS PHONE SERIE SHL22」の後継機種として、満を持して登場したのがAQUOS PHONE SERIE SHL23だ。いずれもAQUOS PHONE SERIEのニックネームを持つシャープ製の製品なので、両者を区別するため以下では夏モデルをSHL22、最新の冬モデルをSHL23と表記する。SHL23は、SHL22で評価されたコンセプトを生かしながら、さらに日常の使いやすさを磨き込んだモデルだ。

SHL22とSHL23の最大の違いは、搭載する液晶の違いだ。いずれも低消費電力のIGZOパネルを採用するが、夏モデルのSHL22はHD(1280×720ドット)だったのに対して、冬モデルのSHL23はフルHD(1920×1080ドット)へと大幅に解像度がアップした。待ち望んだフルHDパネルが実装されたことのメリットは大きい。

山部は「SHL23はSHL22からの正常進化を心がけたモデルです。液晶は解像度がアップしただけでなく、色味や表現力も高まり、一段とキレイな画像を再現できるようになりました。もちろん低消費電力のIGZOですから、表現力と省電力を兼ね備えたディスプレイを搭載できました」と語る。

正常進化する上で、バッテリーの持ちも「進化」が求められる。実はSHL22では、バッテリーの持ちとのトレードオフでフルHDのIGZOの搭載をあえて採用しなかった経緯があるという。「電池は持つけれど、フルHDではない――と言われるのが残念でした。今回は、フルHDでSHL22と同等かそれ以上のバッテリーの持ちを実現しました」(山部)。バッテリー容量は3000mAhでSHL22の3080mAhよりわずかに少ないが、約10gの軽量化を図ってバッテリーの持ちは同等以上というのだから文句はない。

テレビもカメラも、操作そのものも使いやすく便利に

バッテリーが持つというAQUOS PHONE SERIEの「基本のおもてなし」を保ちながら、SHL23には普段使いのスマートフォンとしてうれしい仕掛けがいくつも施されている。日本のスマートフォンユーザーをよく知っている日本メーカーだからこそのおもてなしが感じられるのだ。

ダクト付き卓上ホルダを使えば、前面から音が聞こえ、迫力のサウンドが楽しめる

例えばテレビ。auのAQUOS PHONE SERIEで初めてフルセグ(地上デジタル放送のフルセグメント)受信に対応した。手のひらに乗るフルHDの高精細な画像で見るフルセグの画面は、まさに精緻そのもの。受信状態が悪くなると自動的にワンセグに切り替えて受信を継続してくれるのもうれしい。さらに、フルセグの録画も可能なので、持ち運べるビデオレコーダーとしても活躍する。

自宅でのリラックスタイムのフルセグ視聴で、本体から伸ばすホイップアンテナでは感度が不足するようなら、アンテナケーブルを直接接続できるオプションも用意している。安定した電波で確実にフルセグの視聴や録画ができるわけだ。そして専用の卓上ホルダには、背面にある本体スピーカーの音を前面に回して鳴らすためのダクトを用意し、イヤホンなしでも迫力のサウンドを楽しめる。パーソナルテレビとしても活躍できる機能を備えているのだ。

新開発の画像処理機能「NightCatch」。暗い場所でもノイズが少なく明るい写真が撮れる

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おもてなしはカメラにも。「スマートフォンのカメラで撮影するシーンというと、自宅やレストランなど暗いところが多く、写真がブレやすいのです。SHL23は、F1.9という明るいレンズを搭載することでシャッター速度を高め、手ブレの少ない写真を撮れるようにしつつ、さらに1630万画素という高画素化も実現しています」(山部)。

暗いところでの撮影でも、複数の画像を連写して合成するNightCatchの採用で、ノイズが少なく明るい写真を撮れる。デジタルズームをしても画像が粗くならない「美ズーム」、明暗差の大きいシーンでも美しく撮れる「HDR静止画撮影」など、撮影をサポートしてくれる機能が満載。日常のシーンで誰にでもキレイな写真が撮れるおもてなしを実現した。

スマートフォンを「持つ」だけで画面表示がONになるなど、便利な新機能「グリップマジック」

新機能の「グリップマジック」もおもてなしを具現化したもの。スマホを時計代わりに使っている人も多いと思うが、普通ならばスマートフォンを使うとき、手に握ってから電源ボタンを押さないと画面は点灯せず、時計を見ることもできない。しかし、シャープは新発想でボディー側面にタッチセンサーを搭載し、スマートフォンを握ったときに自動的に画面が点灯するようにした。見ようと思ってスマートフォンを手にしたら、すぐに画面が点灯してくれるのだ。
他にも電話の着信時にスマートフォンを手にすると着信音を抑える設定や、手にしている間は、例えば寝転がっても画面が回転しない設定など、きめ細かいコントロールができる。

さらに、電車の中など公衆の面前でLINEなどプライベートなメッセージを交換すると、周囲の人に内容が見えてしまうのが困りもの。そんなときは、画面の上部に手をかざして「のぞき見ブロック」(ベールビュー)を起動。周囲から画面が見えにくくなって、安心してメッセージの交換ができる。

おもてなしを支える基本性能も最新スペック

よく使う機能を集約できる「クイックランチャー」

デザインでは、4.8インチの大画面を搭載していながら、手の小さい人でも片手で操作できる幅70mmを維持。片手で使いやすいように、よく使うアプリを起動する「クイックランチャー」を画面下部だけのタッチで操作できるようにする工夫もある。

おもてなしの心が詰まっていても、基本性能が伴わなければ役に立たないが、SHL23ならその点も抜かりはない。2.2GHzのクアッドコアCPU、4G LTEの高速通信、1630万画素のカメラセンサー。基本スペックは2013年冬モデルの最新性能を備えている。おサイフケータイ、NFC、赤外線通信、防水・防塵、microSDカードスロットももちろん搭載。au+1 collectionの卓上ホルダ対応ジャケットならば、ジャケットを装着したまま卓上ホルダで充電できるといったところまで心配りがなされている。

「不満を感じない製品を作るのはとても難しいのですが、今回のAQUOS PHONE SERIE SHL23は、多くのお客さまが不満に感じる点をしっかり押さえた製品を作り上げられたと思っています。発売ぎりぎりのタイミングまで、KDDIとシャープが協力して、アプリ1つ1つの電力消費を徹底的に減らすような取り組みも行っています。バッテリー、カメラ、操作と、さまざまな側面で"かゆいところに手が届く"スマートフォンができたと自負しています」(山部)。

スマートフォンを日常のツールとして使う多くの人が安心して使える1台、それがこのSHL23なのだ。

文:岩元直久

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