2013/08/13
シニア向け『KDDIケータイ教室』レポート 実際に操作して、スマートフォンの世界に触れてみる
急速に普及が進む携帯電話やスマートフォン。しかし、手にする機会がなければ、どんな使い方ができ、どのように楽しめるのかは分からない。
KDDIは、携帯電話やスマートフォンを使ったことがない、あるいは使い始めたばかりのシニア層を対象に、その使い方を体験して楽しさを知ってもらう「KDDIケータイ教室」シニア向け講座を無料で実施している。
この講座は、おおむね65歳以上の方を対象に、全国の地方自治体関連機関(生涯学習センターなど)や社会福祉協議会からの申込みを受けて開催しているもので、スマートフォンの急速な普及を背景にシニア層に大人気だそうだ。
なお、講座には、スマートフォンを体験する「シニア向けスマートフォンコース」と、簡単ケータイを利用して携帯電話の利用方法を体験する「シニア向け携帯電話コース」の2つのコースがある。
実際にスマートフォンを使って基本操作を体験
6月に横浜市白根地区センターで開催した「シニア向けスマートフォンコース」。参加した50歳代から80歳代までの約20名の受講者のうち、スマートフォンを持っている人は1名のみ。そこでまず、「スマートフォンって何でしょう」ということから教室は始まる。
「スマートフォンとは『多機能携帯電話』です。携帯電話は電話やメールの機能がメインなのに対して、スマートフォンはパソコンのように調べものをしたり、アプリを活用したりするために開発されたもので、電話とメールはおまけのようなものです」と、本日の講師であるKDDI CSR・環境推進室の山形豊氏が話しかける。
「アプリ」「ダウンロード」「アイコン」といったシニアにはあまりなじみのない用語についてひと通り解説がなされたあと、実際に電源を入れていよいよ体験だ。
参加者それぞれの席には、実際に操作を体験できるように、1人1台のスマートフォンが置かれている。このスマートフォンのOSはAndroidで、今回はこちらを使って学習する。
まずはロックの解除から始めるが、参加者の大部分はタッチパネルに慣れないのか、なかなかロックを解除できない。「画面を強く押すのではなく、やさしく丁寧に操作してください」という山形氏のアドバイスに従ってロックを解除する。
ロックを解除できたところで、まずは「タップ」「スライド」といったタッチパネルの使い方を練習する。タッチパネルの使い方がある程度分かったところで、電話を使ってみることに。天気予報が聞ける「市外局番+177」にかけてみるが、タップやドラッグといった操作が初心者にはなかなか難しい。
続いてメールの使い方について説明があり、あわせて文字入力の練習を行う。一般的な文字入力の方法として、テンキー画面を何度も押して文字を選択する「携帯電話式入力」と、テンキー画面をスライドさせて文字を選択する「フリック入力」があるが、機種によっては「音声入力」や、画面上に文字を書いて認識させる「手書き入力」ができるものもある。音声入力は、スマートフォンに話し掛けるようにして単語を認識させるもので、今回はこの方法で入力する。
「滑舌良く、標準語で話すのがコツです」と、まずは山形氏が実演する。続いて、皆がそれぞれスマートフォンに話し掛けると感度良く音声が認識されたようで、思い通りの文章に変換された受講者たちから大きな歓声が上がった。
講座では、スマートフォンのロック解除のしかたから教わる
アプリを使って、タップ操作の練習
スマートフォンを使った実習中は、講師が巡回してサポート
次は、無料のゲームアプリ「タッチザナンバーズ」を使ってタップの練習だ。画面上に並んだ数字を順番に押していくものだが、タップの仕方にもコツがある。「爪で触れても反応しません。指の腹を使うと違う場所を押してしまうので、指のまん中を使いましょう。力を入れず、やさしく丁寧に」。山形氏のアドバイスを受けながら、参加者は皆真剣だ。
画面のタップに少し慣れたところで、次はインターネットの使い方について学ぶ。検索窓をタップし、検索したい語を音声で入力する。閲覧したいホームページの画面が出てきたところで、特定の部分を拡大して見たいときは「ピンチアウト」をすれば拡大される。逆に画面全体を見たいときには「ピンチイン」の操作をする。この操作は比較的やりやすいようだ。
アプリの選び方に注意
次は、いよいよアプリのダウンロードについて勉強する。
「スマートフォンは便利ではありますが、一方で、危ない側面もあります。間違った使い方をすると、個人情報が漏れたり、アドレス帳の情報を抜き取られたりしてしまうことがあります」
安全に使うためにはアプリの選び方も大切だ。
「初めは日本の携帯電話会社のマーケットのものを使う方が安心でしょう。なぜなら、それぞれの会社で審査をしたうえでマーケットに出しているので、危ないアプリが少ないのです」
また、アプリをダウンロードするときに気をつけるポイントについて、山形氏はこう話す。
「必ず利用規約を確認しましょう。有料か無料かはもちろん、利用するためにはどんな情報を提供しなければならないのか、事故があったときにどこまで責任を負う必要があるのか等についてきちんと確認することが大切です」
説明のあと、「ナビゲーションアプリ」や「グーグル翻訳」でアプリの使い方を実演。「アプリの種類は70万以上あると言われています。安全性を確認したうえで楽しんでください」と山形氏は結んだ。
最後に写真とビデオの撮影、再生を実際に体験して実習は終了する。
最後に写真や動画を実際に撮影してみた
スマートフォンは災害時にも活躍
スマートフォンのごく基本的な操作を体験できたところで、選び方のポイントについて山形氏からのアドバイスがある。
「これからスマートフォンを購入するのであれば、緊急速報メールという地震速報等が受信できる機種をお勧めします」
また、大規模災害が起きて電話やメールが使いにくくなった場合、比較的つながりやすいのがインターネットであるため、携帯電話各社で行っている「災害用伝言板」が役に立つという。
終了後、受講者に感想を聞くと、「私には難しかったわ。でもスマートフォンを使ってみる機会が持ててよかった」という声のほか、「楽しかった。もっといろいろな機能を体験してみたい」という積極派も。いずれにしても、シニア世代にとっては、スマートフォンを持つ前に実際に操作を体験できる良い機会となったことがうかがえた。
取材・文:朝井久美子 撮影:斉藤美春
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