2015/01/15

驚愕! 15万円のiPhoneケース? その実態に迫る

世にはあまたのiPhoneケースがあるが、ひとつのジャンルとして「高級iPhoneケース」とでも呼ぶべき一群がある。しかし、個々人の尺度はさまざまで、一概に「ここからが高級!」と言いきれない部分もある。例えば、あなたならいくらからが、「これは高級iPhoneケース」という認識になるだろうか。ある人は2万円、ある人は5千円と言うかもしれない。やはり桁が変わる1万円あたりが大きな境目となるのではないだろうか。しかし、こうした曖昧な境界線を吹き飛ばす、問答無用に高級なiPhoneケースが登場した。お値段はなんと15万円! 製品名を「The Slit」という。

今からこの超高級ケースの、そのお値段の理由を解き明かしていこう。

まず、この「The Slit」だが、素材には「超々ジュラルミン」というものを採用している。この「超々ジュラルミン」という小学生が考えそうな名称は冗談でも何でもなく、日本工業規格においては「A7075」と呼ばれる、れっきとしたアルミニウム合金の正式名称。ジュラルミンより高い強度を誇るアルミニウム合金に「超ジュラルミン」というものがあり、当然のことながら「超々ジュラルミン」はさらにそれをしのぐ強度を有している。往時、世界最高水準の運動性能で注目を集めた零戦の一部に使用されていた金属であり、その信頼性は折り紙付き。

「The Slit」は、iPhone本体の着脱にネジを使わずに、上下のケースで本体をカチッと挟むだけで装着が完了。この特殊なロックの仕組みは特許取得中の「batto」と呼ばれるもので、メーカーがこの「The Slit」のためだけに開発した技術なのだとか。

ケースの成形にも最高精度の技術が使用されていて、ミリ単位ならぬマイクロ単位での削り出しが行われているほか、iPhoneケースが宿命的に起こしてしまう電波劣化をデザインなどの工夫により極限まで低減。「The Slit」は、日本最高クラスの技術者たちが、「日本の製造業に限界はない」という信念を掲げ、技術の粋を集め、不断の努力を経て誕生した、純国産のハイテクノロジーiPhoneケースなのである。

以上が15万円の理由である。15万円となると、酔狂でもなかなか手が届かない価格帯だが、購入した人はきっとその使用感に納得することだろう。何しろ握りやすさを考慮したエルゴノミクスまで考えられている。これはやはり、納得のお値段なのかもしれない。

文:武藤弘樹