2015/07/02
なぜ迷惑メールは『スパム』と呼ばれる?
スパムとは、出会い系やマルチ商法など、受信者の許可なく送りつけられてくる広告メールやワンクリック詐欺メールといった迷惑メールのこと。その語源は、ハッカーたちが偏愛する70年代イギリスのコメディ番組『空飛ぶモンティ・パイソン』にさかのぼる。ここで放映された伝説的なコントにこんな内容のものがあった。
バイキングが大勢いる大衆レストランにひと組の夫婦がやってきた。すると、なぜかウエイトレスが読み上げるメニューのすべてにランチョンミートの缶詰「SPAM」が入っている。そのため、スパム嫌いの夫人が怒ってウエイトレスと互いに「スパム」を連呼するうち、今度は周りのバイキングたちまでが「スパム、スパム、スパム......」と合唱をはじめ――というナンセンス極まりないコントだ。
これを踏まえて、初期のハッカーの1人がオンラインゲームのメッセージ機能を使って、「スパム、スパム、スパム......」と繰り返す嫌がらせをしたというエピソードがある。ここから、ネットでメッセージを繰り返して迷惑をかける行為がスパムと呼ばれるようになり、現在では、スパムといえば迷惑メールを指すようになったのである。
なお、余談だが、コンビーフとランチョンミートは、前者が牛肉の塩漬けであるのに対して、後者は豚と牛の合挽肉などソーセージの材料を型に入れて固めたものという違いがあり、まったくの別物である。
文:高倉功次郎
presented by KDDI