2014/09/01
『ポケモンGO』や『SNOW』でも使用! 『AR(拡張現実)』の正式名称や仕組みとは?
拡張現実、あるいは拡張現実感とは、現実の世界にコンピュータを用いて情報を付加していく技術のこと。英語のAugmented Realityを訳したものであり、略して「AR」とも呼ばれる。現実の世界の情報に情報を付加して、世界を拡張することから拡張現実と呼ぶ。一般的には、スマートフォンやヘッドマウントディスプレイに映した現実世界のカメラ映像に、映し出されたモノや建物などの情報を表示させたり、コンピュータグラフィックスで描いた映像を重ねて表示させたりする。
「ポケモンGO」も「スノー」もAR
現実世界の映像の上にモンスターのCGが現れるスマートフォンアプリ「Pokémon GO」は、ARを活用したエンターテインメントの代表的な例だ。自撮り用スマートフォンアプリとして若年層に人気の「スノーSNOW」も、AR技術を利用して自撮りの顔の映像に動物の耳や鼻などのCGを重ねて表示させて楽しむことができる。
観光案内やインテリアなど実用的な例も
現実世界の映像の上に情報を重ねる使い方では、観光案内にARを活用する例も増えている。画面に映し出された街の風景の上に、観光名所やおすすめスポット、レストランなどの情報を重ねて表示させることで、外国人を含む観光客にわかりやすく情報を提供できるものだ。さらに実用的な例では、世界的な家具製造販売企業のイケアが提供するアプリ「IKEA Place」のように、部屋の映像の上に購入を検討する家具の映像を重ねて、部屋とのマッチングを仮想的に試してみるようなこともできるようになっている。
ARの系譜をたどる
ARの起源はかなり古く、1968年まで遡ることができる。以下の図はARの歴史について主なトピックスをピックアップしたもの。
2000年以降、ケータイやスマホの普及でARが実用的で身近なものになったことがわかる。現在までに、エンターテインメントから観光、マーケティングなど幅広い用途でARを活用したスマートフォンアプリが登場し、利用者が「AR」を意識しないで活用するようになってきている。
ARの未来
エンターテインメントなどのコンシューマー用途に次いで、産業用の用途でもARの活用は着実に具体化してきている。透過型の小型ディスプレイを備えたメガネ型のウエアラブルデバイスである「スマートグラス」などを使って、現実世界の商品や機器に対して情報表示や作業指示などをする利用法である。物流の仕分けや、機器のメンテンナスなどの効率を上げるツールとして、ARが現実に使われるようになってきている。
今後もエンターテインメントやマーケティングなどのコンシューマー用途と産業用途の両面で、ARは生活や社会に欠かせないツールとして利用が拡大していくだろう。
文:岩元直久