2014/12/12

乳がんを早期発見できるブラジャー型ウエアラブルデバイス

2008年に国立がん研究センターが発表したデータによると、生涯に乳がんを患う日本人女性は、14人に1人。残念ながら、乳がんが原因で死亡する女性は増加傾向で、1980年と比較して約3倍にもなっている。早期に発見すれば、90%以上が治るともいわれている乳がん。早期発見のため、乳がん検診を受けるよう呼び掛ける医療機関や団体は多いものの、レントゲン写真を撮影するマンモグラフィー検査では乳房を上下から圧迫しなければならず、不安を感じて受診しない女性も少なくない。そこで、現在開発が進められているのが、着用しているだけで乳がんの検査ができる「iTBra」だ。

主にヘルスケア商品を開発するアメリカのFirst Warning Systems社が商品化を進める「iTBra」は、繊維に小型センサーを組み込むことで体内の発熱パターンを検知し、乳がん細胞を発見できるブラジャー型ウエアラブルデバイス。検知されたデータはワイヤレスで送信され、パソコンやスマートフォンなどから確認できる。

「iTBra」による乳がんの検査方法は、12時間着用し続けるだけ。従来の検査では、場合によっては痛みを感じることもあったが、これを使えばストレスを感じることなく検査することができる。ちなみに、使用感は通常のブラジャーとほとんど変わらず、着用したまま就寝も可能だ。

同商品は、アメリカ食品医薬品局の認可待ちの状態で、2015年に一般発売する予定。女性が安心して乳がんの検査に臨める日は近い。

文:山田滝音