2014/09/04

「KDDI社員が本気で弱ペダOP再現してみた」出演者にインタビュー 「反響はいかがでしたか?」

8月1日にYouTubeとニコニコ動画に公開された動画「KDDI社員が本気で弱ペダOP再現してみた」が注目を集めている。ネット上では「KDDIが本気で馬鹿をやっている!」「auさん、いったいどうしちゃったんですか?」などと話題となり、8月25日時点で、本物OP(オープニング)との比較動画と合わせて約40万回以上再生されている。

auスマートフォン向けアニメ見放題サービス「アニメパス」で、人気アニメ『弱虫ペダル』第1期全38話見放題、独占先行配信を記念して作った本動画。アニメを愛するKDDI社員が集い、『弱虫ペダル』第26話-第38話のオープニングを再現した。8月15日にはメイキング動画もアップされ、KDDI社員が楽しく撮影に臨んでいる様子や、本気具合がうかがえる。

そこで、TIME&SPACE ONLINE編集部は、動画制作スタッフを直撃。まず、今回の「やってみた動画」の制作進行を取り仕切り、動画中では「山神」東堂尽八役のKDDI新規ビジネス推進本部 auスマートパス推進部 課長補佐の野又友視さんに話を聞いた。

――KDDI社員で「やってみた動画」を作ろうというアイデアは、いつ頃出たのでしょうか?

野又:アニメパスでの『弱虫ペダル』の配信が6月30日からスタートしたのですが、その約2カ月前からキャンペーンの一環として検討を始めていました。実は、候補作はほかにもあったんです。ただ、弱虫ペダルは、アニメ初心者の方もストレートに楽しめる作品なんです。かつ、アニメファンにとっては作品の認知度はあるにもかかわらず、イベントやグッズ等が少ないイメージがありました。そこで、きちんとコンテンツを出せば、弱虫ペダルファンが注目をしてくれるのではないかと考えました。

――反響が大きいですが、作品の出来は狙いどおり?

野又:はい。動画では、アニメパスの立ち上げのコンセプトである「アニメファンに認められるサービス」を意識して、アニメファンがきちんと楽しめて、さらに「アニメパス分かってるね!」という反応をいただけるよう努力しました。また、私たち"中の人"が本気で楽しんでいることや、体を張って努力している様子をアニメファンの皆さんに伝えたかった。結果として、「お堅い企業の人たちがこんな馬鹿なことを本気でやっている」と話題になっているのは、本当にうれしいことです。

――動画には、総北高校、箱根学園、京都伏見などのさまざまなキャラクターが登場します。そのキャスティングは、どのようにして決まっていったのでしょうか。

野又:実は、アニメパスと『弱虫ペダル』がコラボすると決まった段階では、同作を知らない人たちも社内に結構いました。でも、みんなが見るようになり、気づいたら「弱虫ペダルまだ見てないの?」という空気感ができ上がって(笑)。そこから「やってみた動画」を作ることが決まり、「あの人がこの役に似てる」「この人だったら面白いんじゃないの?」「この役やりたい!」「面白そう! 参加したい」と、企画を楽しもうという人たちが自然と集まってきた形です。

――特に、御堂筋役と鳴子役への反響が大きいみたいですね。彼らのキャスティングはどのように決まったのでしょうか?

野又:御堂筋くんは人間離れしているキャラクターですが、キャスティングされた社員は、目も大きく顔も似ているので、「人類の中で一番近いのではないか」という理由と、本人もノリノリだったのですんなりと決定しました。鳴子役の社員は40代ですが、「面白そう! 出たい!」という形で自ら参加してきました。周りが「鳴子役やったら面白そう!」と推したのと、小さい鳴子くんに合っているので決定し、快く引き受けてもらいました。

撮影では、何テイクも山道を走ったので、疲れてしまったのか静止ポーズの集合シーンで、一人プルプル震えているのですが、それが「プルプル鳴子」などとネット上で話題になりました。コミケでも、「鳴子くんいますか?」と聞かれたり、やってみた動画の鳴子ファンまで出てきてすごいヒットだったのですが、本人は「鳴子ファンに申し訳ない」と心を痛めているようです(苦笑)。

――ロケはどこで敢行したのですか?

野又:総北メンバーは山での撮影だったので、早朝からバスで山梨の甲府まで行き、制作会社が用意してくれた素晴らしいロケーションで撮影をしました。それ以外のメンバーは、飯田橋の本社や、その近くの駐車場などを借りてロケを行いました。

――衣装はどうやって調達を?

野又:市販のものを使ったのですが、人気作品だけあって9月まで売り切れ状態でした。そこで、弱虫ペダルのサイクルジャージなどを多数取りそろえているJ SPORTSさんにご協力いただいて、何とか用意することができました。値段は一着3万円ぐらい。過去にコミケでやった進撃の巨人コスプレが結構な金額だったので、今回は安く収まったかなと。

――今後、『弱虫ペダル』やアニメパス関係で予定しているプロジェクトについて教えてください。

野又:弱虫ペダルのキャラクターたちから着信がある、「弱虫コール」の女性人気がすごくて、第二弾を予定しています。先日のコミケで配布した総北高校イラストのポストカードは、作者による描き下ろしですが、実は箱根学園のイラストも用意しており、今後はそれをグッズにして会員向けプレゼントにできないか考えています。夏のコミケが終わったばかりですが、私たちは「次の冬コミどうする? 時間が無い!」と動き始めています。これからも、どんどん仕掛けていく予定です。

■やってみた動画に出演した"なりきりKDDI社員" その素顔とは!

続いて、やってみた動画のメインキャストにもインタビュー。今回、集まってもらったのは、小野田坂道役の米谷亮比古さん、御堂筋翔役の斎藤紀明さん、今泉俊輔役の大川原勇太さん、田所迅役の村瀬友規さん、巻島裕介役の王妍さんの5人。今回は、弱ぺダのコスプレではなく、普通どおりのスーツ姿で登場です。

――コスプレしていないと、本当に普通の会社員にしか見えないですよね。皆さんは、どんな業務に就かれているのでしょうか。

米谷亮比古(小野田坂道 役):いつもは報道対応の仕事をしています。昨年末のコミケで「進撃の巨人」のコスプレをやって、社内の中では"フリー素材"みたいな扱いになったので、今回も出演することになりました。メガネが特徴的な役で、周りの人もメガネ=坂道と見てくれていたので、自分も役に入り込みやすかったですね。

斎藤紀明(御堂筋翔 役):新規ビジネス推進本部で、スマートフォン向けのサービス企画や、内製による社内ツール開発などを行っています。最初にプロジェクトの話を聞いた時は、「こんなふざけたこと、やって大丈夫なの?」と正直思いましたけど、めちゃくちゃ面白そうだったので、自ら参加を希望しました。自分では似ているつもりはなかったのですが、キャスティングの際、周りの人から「御堂筋くんはお前以外に考えられない」と言われ、光栄にも"おいしい役"をいただきました。以前から原作も読んでいましたし、アニメもファンだったので、御堂筋くんのイメージはすぐに湧きました。

大川原勇太(今泉俊輔 役):日常の業務では、KDDI直販WEBサイトでau端末、アクセサリーなどの販売を担当しています。何と言うか......、自分は本来参加する予定じゃなかったんです。ある日、やってみた動画の企画に関わっている同僚から、「今度楽しいことがあるから、この日空けておいて」と言われ、「旅行にでも行くのかな?」と思ってその日に指定された場所に行ってみたら、バスに乗せられ山梨まで連れていかれて......やってみた動画の撮影で、しかも大役でした(苦笑)。

村瀬友規(田所迅 役):KDDIのサービスのデータ分析、施策の効果検証などを日常の業務としています。やってみた動画については、ちらっと耳にしていたので「やりたいな」とぼんやりとは思っていたんですが、当初はメンバーに選ばれていませんでした。しかし、田所役を演じる予定だった社員が急遽出張となり、どたばたで僕に白羽の矢が立ちました。

王妍(巻島裕介 役):私は、映画関係のプロモーションなどを担当していて、今は『ルパン三世』と『るろうに剣心』を手掛けています。出演については、男役だったため、話を聞いたときは「男性のコスプレするの!?」と驚きましたが、そもそもコスプレも未経験でしたので、ぜひチャレンジしてみたいと思いました。

――かなりの本気度が伝わってくる動画ですが、役作りでこだわった点はありますか?

米谷(小野田坂道 役):どのキャラの中でも一番幼く、あどけなさが残るキャラクターなので、ニコッと笑うにしても、私生活では絶対しないような笑顔を作らないといけない......。20代後半の自分が高校生、しかもあの中で最もあどけない高校生を演じるわけですから、必死で役作りをしました。一番出演時間が長い役なので、ちゃんとやらないと完成度の高いものにならないなと、ある意味プレッシャーはありました。ですので、「仕事」という意識で取り組みました。

斎藤(御堂筋翔 役):目の周りにアイシャドーを厚めに塗っただけで、ほかには何もせず自然体で撮影に臨みました。なんというか、気がついたら、御堂筋くんが僕に乗り移っている感覚でしたね。

王妍(巻島裕介 役):笑顔のシーンがあり"深い笑顔"をしてと要求されたのですが、それが難しかったですね。顔半分は笑い、歯半分だけ出すという、ゆがんでいるような笑顔。あの顔を思い出すと、今でも自分で笑ってしまいます。

――動画が公開され、同僚やご家族の反応はいかがでしたか?

米谷(小野田坂道 役):社内では内線電話で「小野田くんお疲れ様です!」などと言われたりして、いじられました。また、疎遠になっている大学の同級生や、学生時代にやっていた塾講師時代の教え子など、多くの人から反応がありました。コミケでも「動画出てましたよね」などお声を掛けていただき、一瞬有名人の気分を味わいました(笑)。

斎藤(御堂筋翔 役):御堂筋ファンの人たちが、私のコスプレを見て機嫌を損ねていたら嫌だなと心配していたのですが、コミケ会場で「動画の方ですよね?」「握手してください」「一緒に写真撮ってください」などと多くの方に言われ、受け入れてもらえてるんだなと安心しました。ただ、握手など求められた時は、「こっちはだたの社員ですけどいいんですか?」と、恐縮してしまいましたけど(笑)。

――今後、またコスプレをしてみたいですか?

米谷(小野田坂道 役):人手が足りないならいつでもやります!

斎藤(御堂筋翔 役):機会あればまたチャレンジしたいですね。ガンダムが好きなので、いっそモビルスーツとかやってみたいです。

大川原(今泉俊輔 役):続編があるなら、またやってみたい。ロボット系アニメで育ってきたので、例えば『交響詩篇エウレカセブン』のホランド・ノヴァクとかいいですね。

村瀬(田所迅 役):今後やってみるなら、テトリスの棒とかデスノートとか、「こんなところに着眼するのか!」「それをやるとは、なかなか!」というコスプレに興味があります。

王妍(巻島裕介 役):日本の着物が好きなので『るろうに剣心』など、着物コスプレが気になります。志々雄真のコスプレだったら、喜んでやりたいです!

皆さん、今回の出演でコスプレにハマってしまったご様子。ちなみに、今回の『弱虫ペダル』のやってみた動画は、安全面を最大限に考慮し"地に足を付けて"撮影したとか。今後も、次々と繰り出されるKDDI社員による本気の取り組みに注目が集まりそうだ。

文:伊東秀明 撮影:下城英悟

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