2014/08/26

夏のコミケで通信環境強化対策を実施 今年は『弱虫ペダル』とコラボ

東京ビッグサイトで8月15日~17日、世界最大規模の同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)86」が開催された。

3日間で延べ55万人と、鳥取県の人口に匹敵する数の来場者でにぎわった会場。昨年の夏コミケでは『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』、冬コミケでは『進撃の巨人』とコラボして展開された通信環境強化対策は今年も実施され、今年は『弱虫ペダル』とコラボした人間Wi-Fi隊と、痛車載型基地局が登場した。

イベントに先立ってauは、動画「KDDI社員が本気で弱ペダOP再現してみた」を公開しており、コミケ会場にも主人公が通う「総北高校自転車競技部」のユニフォームを纏った社員たちが人間Wi-Fi隊となって参戦。アニメの主要登場人物がラッピングされた痛車載型基地局と一緒に、真夏の強烈な日差しと熱気で過酷を極める「夏コミ」の中、コミケ来場者たちに快適な通信環境を提供すべく奮闘していた。

KDDIは、地震や大雨などの自然災害発生時、被災地における迅速なエリア復旧を行い、携帯電話による通話やデータ通信のサービスを利用可能とするため、車載型基地局を全国に25台保有しており、花火大会や野外イベントなど、利用者が集中するエリアにはトラフィック対策として、車載型基地局を派遣している。

今回のコミケから、これまで以上に安定した高速通信を利用できるように、次世代高速通信規格「LTE-Advanced」の技術であるキャリアアグリゲーションに対応した車載型基地局を導入した。

車載型基地局は、普通の基地局と変わらないアンテナの役割を果たす機能を備えており、車載型基地局1台で最大数百人の同時利用が可能な通信環境を確保する。

■1人が100人の通信環境をつなぐ人間Wi-Fi隊

一方、会場には合計で33人の人間Wi-Fi隊が配備された。人間Wi-Fiの場合、1人が100人分ほどの電波をカバーする。今年は、33人のうち6人が総北高校自転車競技部ユニフォームのコスチュームを身にまとい、「auの電波が弱い」との情報が入ったエリアを、Wi-Fiルーターを背負ってパトロールした。彼らが背負うWi-Fi機材は、バッテリーを含めると5~6キロと意外と重い。来場者であふれ返るコミケ会場を歩き回るのは、なかなかの重労働だ。

しかし、写真撮影を求められると、全員がいつも満面の笑みで応える姿が印象的だ。「KDDI社員が本気で弱ペダOP再現してみた」で、弱ペダ主人公の小野田坂道役で登場した社員の米谷亮比古は、3日間連続で人間Wi-Fiとして参加。ネット上でも「再現度が高い」「カッコ良い」などと話題になっており、多くの写真撮影にも笑顔で応じていた。

会場には、コミケスタッフを含め多くの弱ペダのコスプレイヤーが集まり、人間Wi-Fiの社員と、コスプレイヤーの区別がつかないという事態も発生した。また、KDDIの人間Wi-Fiと弱ペダコスプレイヤーが一緒に写真に収まるなど、会場と一体になった人間Wi-Fi隊は、今年もコミケを大いに盛り上げたようだ。

■人力スマホ充電器は「過酷過ぎる」と話題に

また、auの「アニメパス」ブースでは、自転車型の人力スマホ充電器が設置された。自転車をこぎ、ケイデンス(回転数)を上げることで充電ができるという企画で、熱気で過酷な状況にもかかわらず、多くの来場者が汗を流しながら充電を行った。

auは6月30日から、月額400円(税抜)で、人気の作品から懐かしの名作アニメまで、選び抜いた約500タイトルを見放題の「アニメパス」を提供しており、サービス開始記念として「弱虫ペダル」とのタイアップキャンペーンを実施している。

今回のブース出展での弱ペダ推しはこの一環で、「弱虫ペダル×アニメパス」特別デザインが入った瞬間冷却材や、「アニメパス」限定の「弱虫ペダル」書きおろしイラストが入ったポストカードをブースで配布。「アニメパス会員」限定で総北メンバー、箱学メンバーが勢ぞろいのデザイントランプも進呈した。

今回でアニメ作品とのタイアップが3度目となるKDDIのコミケ部隊。回が増すほどに本気度が増していると、コミケファンからも評価されているようだ。今度は寒さとの戦いになる冬の「コミックマーケット87」は、12月28日~30日に開催される。次は、どんなアニメとのコラボを見せてくれるのか楽しみだ。

文:伊東秀明

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