2014/05/21

火事多発のニューヨークで、ビッグデータを活用したIT防火対策が進行中

アメリカには「火災捜査官」という職業があり、連続放火事件などを科学的に捜査し、犯人逮捕に努めている。しかし2014年のニューヨークでは、さらにその上を行く実験が展開中。ビッグデータを活用して、火事を予防する取り組みが進んでいるというのだ。

その内容は、消防局員が日々行っている建物検査の結果と火事の発生状況などを、コンピューターを活用して突き合わせ、何らかの関連性を見つけることで、火事を予防しようというもの。具体的には60の指標から市内33万の建物の火事リスクを算出するアルゴリズムを作成。毎年、3,000件あまり起きている大きな火事を防ごうとしているようだ。

例えば、低所得者層が多いエリアは火事の発生率が高くなるという。その他、「建物の年数」「電気設備の問題」「スプリンクラーの設置台数」「エレベーターの有無」なども火事の発生と相関があり、さらに「空き家や無人の建物は、出火率が2倍になる」という報告も。

ちなみに、日本では船越英一郎がドラマで演じていた「火災調査官」。実際には職種自体は存在せず、消防士が業務の一つとして担っているようだ。

文:加瀬正清