2014/05/20

通信できる服が登場! “スマート繊維”市場が急成長の予感

スマートフォンやタブレットといったスマートデバイスが急速に普及している中、「ウエアラブルデバイス」が次のデバイスとして注目を集めている。多くの企業が、同市場に参入する動きを活発化させており、すでに時計型、メガネ型、ブレスレット型など新しい製品も続々と登場するなど、確実に「持つ」デバイスから「身に着ける」デバイスにシフトチェンジしつつあることは既報の通りだ。

そんな中、米国の市場調査会社IDTechEx社は、今後、期待が持てる新しいウエアラブルデバイスについての調査結果を発表した。注目すべきは、着用するデバイス「スマート繊維(e−テキスタイル)」市場が10年以内に10億ドル規模へと急成長するという内容だ。

スマート繊維とは、簡単に言うと、"新しい機能"を備えたテキスタイル素材のこと。日本国内でも研究開発は進められており、例えば日立製作所では、電波を通して情報を読み込むことができる「RFID」という小型チップを活用している。このチップを繊維に織り込むことによって、ゲートをくぐるだけで入退室の管理ができたり、電子マネーのようにショッピングでの決済ができたり、もちろん通信も可能になるという。また、そうしたサービスを長時間継続して活用できるよう、太陽光発電や蓄電の研究も進められている。

一方、今年2月には、米マサチューセッツ工科大学と米陸軍が共同で"特殊な軍服"を開発していると発表した。スマート軍服ともいうべきもので、光ファイバーのような繊維を織り込むことで、光、熱、音を認知し、服に話しかけると通信ができるというもの。

現時点では、開発中の繊維の直径が太すぎるため、実用化にはこぎ着けていない。しかし、これが現実のものとなれば、当然、民間でも活用されることになる。例えば、衣服が人間の体温を感知することで医療の現場で役立つかもしれない。また、工事現場などで手を動かしながら連絡を取りたい時にも活用できそうだ。

ウエアラブルデバイスの進化系であるスマート繊維。私たちはそれを身にまとうだけで、通信や買い物ができるようになる。子どもの頃に観たSF映画のような世界が、もうすぐそこまで来ている。

文:山田滝音