2014/05/12

部屋の空間を3Dデータ化する『Tango』プロジェクト始動

Googleが新たな野心的プロジェクト「Project Tango」を発表した。Project Tangoは、3Dビジョン技術を搭載したスマートフォンのプロジェクトで、センサー、カメラ、高度なソフトウェアの組み合わせにより、屋内のナビゲーションやVRゲームなど、これまでにない全く新しい応用方法を研究するという。

Tangoは、赤外線センサーとカメラを搭載した専用のAndroid端末を使って、リアルタイムで3Dモデリングを行う。普通のカメラは現実世界を平面で捉えるが、Tangoは現実世界を3次元で捉える。スマホサイズのボディに収められた4台のカメラが、空間をスキャニングして認識する。プロトタイプのデバイスは、スマホ向けのコンピュータービジョン用に開発された新しい電力映像チップ2個を搭載した5インチのAndroidフォン。背面に4メガピクセルのカメラ、奥行きセンサー、そして動きを追跡する第2のカメラを備えている。これらの装置により、「3D測定を毎秒25万回以上行って、位置と向きの情報をリアルタイムで更新し、そのデータを周囲の3Dモデルに統合できる」と、Googleは説明する。

この技術を利用することで、例えば、家具を購入する時に、自分の部屋をスキャンしておいて家具のデータと組み合わせれば、部屋に置いた時のイメージを検討できる。また、迷子になりやすい大きな建物やアトラクションでも、道案内の役割として活躍しそうだ。

現在、Googleにはストリートビューがあるが、この技術と連動してストリートビューが3D化したら、より楽しく利用できそうだ。今まで平面だけだった世界が立体化されるので、風景写真だけでも楽しめるのかもしれない。今後、どのような形でTangoと他の技術が組み合わさってくるのか要注目だ。

文:山田滝音