2014/07/14

シャットダウンorスリープ......実際のところどっちがいい?

パソコンを終了する時、シャットダウンとスリープ、どちらを選んでいるだろうか。「終了するなら当然、王道のシャットダウンだろう」と考えたいところだが、ネット上ではさまざまな説が展開されており、「パソコンに詳しくない人はシャットダウンをするが、ちゃんと分かっている人はスリープ」などというものまである。そこで、日本マイクロソフト社が発表している資料を基に、Windowsパソコンにおいて選べる終了の仕方、「シャットダウン」と「スリープ」について、大まかな特徴を紹介しよう。

■電力的に考えると

「シャットダウン」について一応説明しておくと、「電源をオフにして、パソコンを完全に終了する」というもので、シャットダウン後は、待機電力が最も低くなる。その代わり、シャットダウン自体にある程度の電力を使う。電源オフの状態から起動させるには特に大きく電力を消費するため、シャットダウンと起動の頻繁な繰り返しは電力をものすごく使うことになる。

一方、「スリープ」は、「ちょっとパソコンを休ませる」というイメージだ。待機電力はある程度使うが、スリープ状態から復帰する(パソコンを起動させる)際の電力は、電源をオフにした時から起動するのに比べてかなり少なくて済む。

例えば、ちょっと離席する際に選ぶべきはシャットダウンかスリープか。これにはOSや、デスクトップかノートパソコンかによって多少の違いがあるが、だいたい1時間45分くらいを目安として、それ以上長い時間パソコンを使わないのであればシャットダウン、それより短いならスリープを選んでおけば、消費電力を最大限に抑えることができる。

■起動にかかる時間

これは圧倒的に、スリープ状態から起動した方が速い。電源オフからの起動は時間が掛かるため、ほとんどシャットダウンを選ばないという人もいる。多少電力をロスするとしても、電気料金で考えれば数円程度の差であるからそこには目をつぶる、というのがそうしたユーザーの考え方だ。

■メモリーの負担

パソコンを長時間つけっぱなしにしておくと、一時的な作業領域にたまった記録がスムーズに開放されなくなる「メモリーリーク現象」と呼ばれる現象が起きる。分かりやすくいうと、コピーや書き込み、移動といった処理を頻繁に行う中で、メモリー内にデータの「カス」のようなものがたまってくる。カスだから、少しくらいあったところでなんてことはないが、この量が多くなってくると、パソコンのエラーや、動作が遅くなる原因になる。スリープをしても、メモリー内のカスはそのまま残るが、シャットダウンをするとカスが一旦すっきり掃除される。パソコンの状態を健康的に保っておきたいのなら、定期的なシャットダウンは必須といえるだろう。

シャットダウンとスリープには、このようにそれぞれ一長一短があるが、これらを踏まえておけば迷うことなくどちらかを選ぶことができるはず。使用者の好みや使用頻度、状況などに応じて使い分けたい。

文:武藤弘樹