2014/05/09

ローマ字入力に比べ速度が2倍に? 第3の入力方法『親指シフト』とは

パソコンで文字を入力する時、「ローマ字入力」を使っている人は多いだろう。インターネットやITなどに関するニュースを配信する「インターネットコム」とネットリサーチ会社の「マーシュ」が2009年に行ったパソコンの「タイピングに関する調査」では、全国10~60歳代のインターネットユーザー300人が回答。日本語の入力方法について聞いてみると、「ローマ字入力」は87.7%(263人)、「カナで入力」は12.0%(36人)という結果になり、約9割の人がローマ字入力を用いていることが分かった。


大人気のローマ字入力だが、実は生産性の悪さを指摘する声もある。ローマ字入力を使い日本語の読みで1字入れる場合、母音以外はキーボードを2回打たなくてはならず、それを漢字やカタカナに変換する時はさらに打鍵数が多くなってしまう。それならば、カナ(かな)入力がいいかというと、そうともいえない。アルファベットに比べ数の多い50音を打つ必要があり、4列に配置されたキーの並びが、お世辞にも打ちやすい場所にあるわけではないからだ。

そこで注目したいのが、第3の入力方法「親指シフト」。もとは、1980年代に富士通が自社のワープロ「オアシス」に採用していたもので、一般的なJIS規格のカナ入力とは違って、3列に配置されたキーを使う。最大の特徴は、両手の親指の位置にくる2つの「シフトキー」。シフトキーの同時打鍵によって、すべての文字を1打で入力することができる。濁点、半濁点の「ば」や「ぱ」も1打でOK。また、25のキーで50音をタイプすることができ、指の負担を考慮した配列になっているので"打ちやすく疲れにくい"入力法といわれている。

一度この入力法を試してみたいという人には、現在使用しているパソコンのキーボードを親指シフトに変える「親指シフトエミュレーター」がおすすめ。専用キーボードを用意するが必要なく、ソフトを使ってWindows、Macともに親指シフトでキーボードを打つことができる。

ローマ字入力に比べ1.7倍スピードが速くなるともいわれている親指シフト。この機会にぜひトライしてみてはいかがだろうか。

文:大川竜弥