2014/12/22

意外な方法で火災を検知 外出中でも報知器のアラートを教えてくれるガジェット

火災報知器が異常を検知してけたたましい音を発しても、住人が外出中だったら異常に気づくことはできない。こうした課題を解決するためのソリューションを考えると、火災報知器自体に通信機能をつけ、煙や熱、一酸化炭素を検出したら、音を発すると同時に外出中の住人のスマートフォンなどにアラートを送信するというのが普通の発想だろう。しかし、自宅に既に取り付けられている火災報知器を交換することなく、音と同期した通信機能を組み込むのは容易なことではない。

Leeo社(カリフォルニア州パロアルト)の「スマートアラートナイトライト」(99ドル)は、まったく違った発想で作られている。温度、湿度センサーも内蔵されているが、ポイントはマイクロフォンの搭載だ。このガジェットは、既設の火災報知器の発する音を「聞く」と、自宅のWi-Fiネットワークに接続してスマートフォンに電話とテキストメッセージで知らせるように設計されている。アラートに対して反応が無い場合は、あらかじめ登録した家族や知人にも連絡をとろうと試みる。

形状は直径9cm弱、厚み3cm強の円形で、コンセントに挿しておく。照度センサー内蔵で、暗くなると点灯する。夜間用の照明として常時活用しながら、すでに設置済みの火災報知器に手を加えることも取り換えることもなく、不在時に火災発生を知るというニーズに応えるソリューションとなっている。アラートを受信すれば、911番(日本の119番)に電話するか、家族かご近所さんに電話して必要な処置を依頼できるので、何も知らずに自宅に戻ったら家が燃えていたという悲劇を減らすことができるだろう。

最初の製品は北米市場向けとのことで日本では使えないが、将来は欧州やアジアでの展開を目指している。同社はハイテク好きの特別な人たちではなく、普通の人々のために役立つ「コネクテッド(ネットワークに接続された)」製品を打ち出し続けることを目指しているという。

著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。