2014/11/05

離れていてもお見通し? 運転中の『ながらスマホ』を検知する電波センサー

運転中のテキストメッセージなど、モバイル機器の「ながら操作」は危険極まりないため、各国の警察は取り締まりに躍起だ。イギリスでは交通事故を起こした運転者から携帯電話を没収し、運転中に操作していなかったかどうかを確認する。オーストラリアでは、運転者がスマートフォンなどを操作していないか、700m離れた場所からでも画像で確認できる高性能カメラを導入している。

そしてアメリカでは、新たな摘発用の装置が開発されている。バージニア州のComSonics社は、警察官が使用することを想定し、速度違反取り締まりに使うスピードガンのような形の装置に電波センサーを組み込んだ。センサーが検出した周波数から、音声通話なのかテキストメッセージなのかデータ通信なのかを区別する。プライバシーに配慮して、検出するのは電話の機能が使われたかどうかだけで、通信の内容を解読する機能はない。

複数の人が乗っていたら、誰が操作していたか分からないじゃないかという意見もある。また、音声認識でテキストを送っていたら、あるいは、届いたメッセージに自動返信するように設定していたらという見方もある。この装置だけで、運転中にテキストを打っていたと確定するのは難しいだろう。それでもなお、運転中の操作を思いとどまらせる効果ぐらいはあるかもしれない。

フォルクスワーゲンが香港の映画館で上映した、運転中の携帯電話操作の危険性を伝える"ドッキリ"映像も話題になっている。警察に言われるまでもなく、運転中は携帯電話の操作は控えて、安全運転を励行したいものである。

著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。