2014/10/17

アプリで献血を楽しみに変える

アメリカ赤十字が、ユニークな献血アプリ「Blood App」を9月にリリースした。献血場所を検索したり、献血の時間を予約したりすることができるのとあわせて、インタラクティブ性やソーシャルメディア風のひねりも加えてあって、献血が楽しくなるように工夫されている。

アプリでは献血予約のほか、自分の献血履歴を閲覧したり、セルフィー(自撮り写真)を友達とシェアしたりできる。また、実際に献血をすればバッジなどの仮想的なご褒美がもらえるようになっている。バッジを集めれば、ギフトカードなど実際のご褒美と交換することもできる。

「インパクト」というボタンをタップすると、自分の献血がどれだけの人を救ったことになるのかといったことが表示される。献血チームを作ったり、すでにあるチームに参加することもできる。facebookやTwitterなど他のソーシャルメディアとの連携機能はないが、次に献血可能な時期を知らせたり、血液不足をプッシュで通知してくれる機能が実装されている。さらに、実際に献血によって救われた人の体験談を読んで、自らの貢献を実感できるようになっている。

日本では、2013年7月に、東京都赤十字献血センターからiOS用アプリ「献血@TOKYO」がリリースされている。主な機能は、献血ルームの風景閲覧や3Dパノラマ画像閲覧、献血バス検索など。予約機能などは提供されていない。携帯メールクラブ会員になれば献血するとポイントが貯まり、20ポイントで記念品と交換してくれる。

アプリを使って、社会に貢献するための情報に加えて、その意義や動機付けを、ゲーミフィケーション(ゲーム化)も交えて伝えるという方法は、献血以外でも有効に利用できるのではないだろうか。

著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。