2014/09/10

子どもに電話を無視される母親からの逆襲──「電話に出なさい」アプリ

ティーンエイジャーの子どもたちが電話に出ないのに業を煮やし、ニューヨークに住む母親がスマートフォン用アプリを作った。「Ignore No More(これ以上、無視するな)」という名前のAndroidアプリは、子どものスマホを遠隔でロックしてしまい、電話してこないとロックを解除できないという、子どもにとっては面倒なアプリだ。1台の「親機」で複数の「子機」を対象にできる。

ロックされたスマートフォンは、友達に電話することも、テキストを送ることも、ゲームで遊ぶこともできなくなる。親に電話すればロックは解除される。ロックがかかった状態でできることは、親に電話するか、911(日本の110番と119番を合わせた緊急通報番号)に電話することだけ。火事や事故を目撃したとか、自分や友達が急病で倒れたといった緊急時に、いったん親に電話してロックを解除してから911に電話するのでは手遅れになるかもしれないので、そこは考慮されているようだ。

子どもがこのアプリを削除しようとするとロックがかかり、親に通知されるので勝手に消すこともできない。電源を入れ直しても無駄だそうだ。このアプリ、販売のターゲットは保護者で、ロックされるのは子どもたちということだが、高圧的なボスとか、要望の多いパートナーに使われたら、大人にとってもいささか面倒なことになるかもしれない。

著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。