2014/08/21

Yo! に加えられた実用的な使い途

FacebookのPoke(「つっつく」の意味で、軽いあいさつを送る機能)よりも短い「Yo!」だけを相手に送るメッセージングサービスの「Yo」は、すでに200万回ダウンロードされ、会社自体も150万ドルの資金調達で有名になった。相手に「Yo!」しか伝えられないなんて意味が分からないという声がある反面、画期的とか天才的と賞賛する声もある。

もともとYoは、イスラエルのエンジニアが勤務先の社長から秘書を呼び出すだけのアプリを作れといわれ、その可能性に気づいてサンフランシスコに渡って起業したというものだ。離れた場所にいる友達に単に、「元気?」とか「何してる?」の感覚で「Yo!」の一言だけ送るコミュニケーションのツールだが、APIを使って別のウェブアプリなども開発されている。

Yoを提供するLife Before Us社が具体例として挙げた「Yoラインアップ」は、医者が診察を待つ患者に、準備ができたので診察室に入っていらっしゃいと伝えるアプリ。レストランで待っている客にも席の用意ができたことを伝えることができる。「大変お待たせいたしました。ただ今お席の用意ができました。こちらでございます。途中、段差がありますのでお気をつけください」と告げるのと「Yo!」とだけ伝えるのが全く同じとは思えないが、短くても用が足りるということなのかもしれない。APIは無料で使えるが、患者やレストランの客がYoをインストールしていなければならないから、こうしたアプリの普及がひいてはYoの普及に寄与するということだろう。

著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。