2014/08/18

パートナー探しのアルゴリズムで天職探し

オンラインデーティング(いわゆる出会い系)サービスのキモになるマッチングモデルとアルゴリズムは、機能向上のために日々研究が進められている。

パートナー探しのマッチングモデルを新しい事業に転用しようとしているのが、2000年のサービス開始以来、60万組以上のカップルを結婚にまで導いているeHarmony(カリフォルニア州サンタモニカ)だ。同社は臨床心理学者兼結婚カウンセラーとして35年以上の経験を持つNeil Clark Warren博士らが1998年に設立し、セコイアキャピタルなどの資金を得て開発した相性診断モデルを武器に成長を続けている。

12月に同社は「Elevated Careers by eHarmony」という新サービスを提供開始するが、これはパートナー探しのマッチングで培ったノウハウを、就職・転職に生かそうという取り組みだ。就職希望者と求人企業を上手にマッチングして離職率を下げられれば、採用企業側にも従業員側にも大きな経済効果がある。さらに、従業員が職場で感じるストレスが減れば、家庭生活も円満になるし、プライベートも充実するはずだと同社は考えている。

ちなみに、仕事のキャリアと恋愛を関連づけ、パートナー候補を探す出会い系サービスも登場している。これもまた別の会社だが、LinkedUp!のスマートフォン用アプリ「LinkedUp!」だ。Facebookと連動する恋愛向け出会い系サイトはあるが、LinkedUp!は名前が強烈に示唆しているようにLinkedInと連動する。

パートナー探しのアルゴリズムで就職・転職した人の離職率が低いことが確かめられれば、この分野は大きな成長が見込めるかもしれない。

著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。