2014/08/08

Wi-Fiのスピードでホテルを選ぶ

東京オリンピック開催に向けて、日本の公衆無線LAN環境の不備を指摘する声が多い。これでは来日する人たちに対して恥ずかしいという論調だが、逆に日本から海外に出掛けて、ホテルのWi-Fiのスピードが遅くてイライラしたという経験談もよく耳にする。

ホテルを予約する前に、Wi-Fiのスピードを調べておくことができるのが、「Hotel WiFi Test」。各国のホテルのWi-Fi環境をテストして、最高速度と期待値を公開している。テスト結果は頻繁に更新されている。例えば、サンフランシスコなら7月末時点で46のホテルがテストされており、そのテスト結果(最高速度)は、上は107Mbpsから下は0.01Mbpsまでと幅広い。Wi-Fi環境以外の情報もあるので、このサイトで、ある程度のホテル選びは可能だ。テストしていない多くのホテルについても、推定期待値が掲載されている。

同じホテルでも部屋によって環境は異なるし、混み具合や他のゲストの利用具合によってもスピードは異なるが、ホテル選びに当たって、Wi-Fiの期待値が0.31Mbpsと表示されていれば避けたくなるだろう。トップページには「今、ホテルにいますか?」という質問が提示されていて、宿泊客が実測値を登録したり、ソーシャルメディアでシェアできるようになっている。実際にテストされたホテルは数千軒レベルだが、今年7月に追加した「機械学習アルゴリズム」によって、10万軒以上のホテルについても都市やホテルチェーンから推定した期待値を掲載するようになった。

このサイト、Wi-Fiのアクセスポイントなどのシステムを売っている販社やベンダーにも役立ちそうだ。他のホテルとの比較を示して、高速なシステムを売り込むことができるのだから。

ちなみにWi-Fiや携帯電話ネットワークの管理サービスを提供しているwefi社も、同社のソリューションを導入している全米のホテルや空港、ビーチのWi-Fiスピード公開している。ホテルでは、Red Roof InnsやSleep Innチェーンが4Mbps超えを記録している。

著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。