2014/07/02
手軽に測れる脳波センサーでストレスコントロール
数字や図形の問題を素早くたくさん解くことで脳を鍛える「脳トレ系」のゲームはいろいろあるが、反応速度が向上したとか、脳年齢が若返ったとか、脳の活性化についてのフィードバックもさまざまだ。
その反対に、雑念を払って穏やかな脳の状態を保つ瞑想も、主にシリコンバレーの大立者やハリウッドスターたちが実践しているという話もあって、注目を集めている。瞑想により記憶力や集中力が増すとか、ストレスをコントロールできるようになるという説もあり、試みる人が増えているようだが、瞑想ができているかどうかは自己判断に頼るしかなかった。ウェイトトレーニングやランニングなら、体重や体脂肪率の変化や筋肉の具合で効果を実感できるし、筋肉痛も感じることができる。しかし、脳の安静度合いとなると、確かめるすべが無かったのである。
InteraXon社(カナダ・トロント)の「Muse」(299ドル)は、7つのセンサーを搭載した、額に当てるカチューシャのようなヘッドギアで、bluetoothで接続したスマートフォンやタブレットを通して、脳の状態をリアルタイムでフィードバックしてくれる。安静で平穏な状態なら静かな海の音、アクティブなら強風の音と、目を閉じて瞑想していても耳から状態を知ることができる。終了後にパイチャートや棒グラフで脳の状態を確認することもできる。瞑想のセッション中に、平穏状態がどれくらいの比率であったか、それが毎日どう変化したかを知ることができれば、自分の瞑想が上達しているのかどうかがはっきり分かる。何かひとつのことを集中して考えればいいとか、自分の呼吸だけに集中すればいいとか、瞑想のコツとされることは多いが、実際に試してみて結果をみれば、自分に合ったやり方も分かるだろう。
Museの使用レポートなどによれば、装着してもあまり気にならない程度の締め付け具合と重さだそうで、長時間使うこともできそうだ。食べ物やコーヒーなどの飲み物で脳波がどう変化するか、運動の前、途中、後ではどんな変化があるか自分で確認することもできる。常時装着できるEGG(脳波)センサーであれば、将来は、例えば思念するだけでテレビを消したり、エアコンの設定温度を変えたりすることもできるようになるだろう(現行のMuseにはそのような機能はない)。朝のバナナの脳への影響が実感できれば、コンビニで出勤前に買う人が増えるのかもしれない。あるいは、寺でMuzeを着けて座禅を組む人が並ぶなどという光景が見られるようになるのかもしれない。
著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)
NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。

