2014/06/30

スマートフォンで街の落書きを消す

Cif

家庭用品大手のユニリーバは、ルーマニアでもさまざまなブランドを展開している。その中のひとつ、「Cif」は住宅用クリームクレンザーだ(日本では「ジフ」というブランドで展開されている)。その効果を知らせるための、スマートフォンを利用した広告キャンペーンが話題になっている。

ルーマニアの首都、ブカレストには醜悪な落書きがあふれていた。Cifのアプリでこうした落書きの写真を撮り、位置情報といっしょにアップロードすると、あとはCifのスタッフにお任せ。彼らが現場に赴き、落書きを消してくれるというものだ。

1月から始まったキャンペーンだが、6月中旬までにこのアプリでクリーンナップした場所は385カ所に及び、25万人がCifのウェブサイトを訪れて、"ビフォー&アフター"の写真やビデオを見た。テレビでも取り上げられ、十分な広告効果があったようだ。

スマートフォンを使った落書き消去アプリはほかにもある。例えば、カリフォルニア州エスコンディード市の住民のためのアプリ「ReportIt」は、落書きや道路にあいた穴などの写真を撮って送ると市の職員が対処してくれる。オーストラリアの非営利団体が提供している「VandalTrak」は、パターン認識技術を利用して、落書きを消すだけでなく、同一犯による落書きを分類し、逮捕して罰金を科す場合などに活用しているという。

スマートフォン用アプリは、地域の住民のためにもいろいろ使い道がありそうだ。

著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。