2014/06/18

「着られる」ウエアラブルが続々と登場

身に着けることができるデバイスを「ウエアラブル」と総称しているが、それが衣類型のデバイスなら、まさにウエアラブル。そんなデバイスが続々登場している。

OMsignal社(カナダ・モントリオール)が発表したフィットネス用シャツは、ワークアウトの効率を上げるための製品で、運動中、心拍数などの身体の情報とパフォーマンスレベルを計測し、リアルタイムにフィードバックしてくれる。5月からiOS版・男性向け製品の予約販売を開始した。予約販売価格は、シャツ1枚と通信モジュールのセットで199ドル。女性用およびAndroid版は開発中だ。シャツは当然のことながら、ウォッシャブル(洗濯可)。センサーがシャツやリストバンドに縫いつけてある。通信モジュールは防水のようだが、シャツは水泳には使えないらしい。出荷開始は2014年夏とのことだ。

フランスのリヨンにあるCityzen Sciences社のTシャツは、繊維そのものにマイクロセンサーを織り込んであって、体温や心拍数などを計測する。また、サンフランシスコのSensilk社がフィットネスのトラッキングに使おうとしている最初の製品は、女性のブラジャーの形状をしている。マイクロソフトもダイエット用にブラジャー型のセンサーウェアを研究している。

ドイツのフラウンフォーファーIISのFitnessSHIRTもフィットネス用のシャツで、呼吸、心拍などをトラッキングする。カナダのAthos社のシャツとショーツもフィットネス用で、コアという通信モジュールでスマートフォンと連動する。こちらは今夏発売予定だったが秋に延びたようだ。

手首などに装着するトラッカー(活動量計)は日常使いには便利だが、フィットネスの時には手首の動きだけでは運動の様子を追いきれないし、そもそも本格的に運動する前には着替えをするはずなので、ウエア形のウエアラブルが向いているということのようだ。

著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発にあたる。現在はビジネスアーキテクツ社にてモバイルヘルス分野の新事業立ち上げに従事。同志社大学ビジネススクール嘱託教員として「技術開発と事業化戦略」を担当している。