2014/05/19

地震は世界のどこで起きているのか? データから素早くマッピング

30日間に世界で発生した地震のマップ(USGS)

言うまでもなく、日本は地震頻発国であり、毎日のようにどこかで大地が揺れている。同じように地球のどこかで毎日のように地震が起きているが、大きな災害をもたらす巨大地震以外、どこが揺れているかをあまり意識することはない。

米国地質調査所(USGS)が運営しているEarthquake Hazards Programでは、地球上のどこで地震が起きているかというデータをはじめ、地震に関連するさまざまなデータが公開されている。米国地域での地震の危険性を理解するための地域災害プログラムの一部として構築されたもので、米連邦緊急事態管理局(FEMA)、国立標準技術研究所(NIST)、および国立科学財団(NSF)といった複数の機関による国立地震災害軽減プログラム(NEHRP)の一部として運営されている。データを公開する目的は、地震などの災害による損失を軽減することだ。

さらに、Earthquake Archive Search & URL Builderのサイトでは、蓄積されたデータを編集して、過去にどこでどのぐらいの規模の地震が起きているかが分かる世界地図を作れる。地震の規模など数値を入力して最後にsearchボタンをクリックすると、世界地図上に地震の発生した場所が表示される。地図の表示方法や色などはいろいろ加工でき、例えば、過去100年間でM7.0以上の地震がどこで起きたのかを緑色で示すといったことも可能だ。データはCSVなどにも加工でき、過去100年分のデータを元に検証などを行なうこともできる。

USGSによると、毎年世界で数百万回の地震が起きていて、そのうちのほとんどは体では感じられない小さなものだという。だが、そうした小さな予兆を調べておくことが大事であり、過去3年間で米国内に新しいモニタリング機器を300ほど追加で設置しており、全体で6,000もの機器による完全な監視システムを構築することを目指しているそうだ。

日本国内では、気象庁やYahoo! JAPANのサイトから地震の情報をリアルタイムでチェックでき、指定した場所で設定した以上の揺れがあると通知してくれるアプリやメールサービスも揃っている。だが、先日のチリ地震のように、丸一日たってから日本に津波がやってくることもあり、世界規模で地震の動きを見ておくことは、日頃の警戒を怠らないためにも必要なのかもしれない。

著者:野々下 裕子(ののした・ゆうこ)

フリーランスライター。大阪のマーケティング会社勤務を経て独立。主にデジタル業界を中心に国内外イベント取材やインタビュー記事の執筆を行うほか、本の企画編集や執筆、マーケティング業務なども手掛ける。掲載媒体に「月刊journalism」、「DIME」、「App DIME」「ライフハッカー」ほか。著書に『ロンドンオリンピックでソーシャルメディアはどう使われたのか』などがある。