2014/04/22

ジュエリーとして着こなすウエアラブル

サンフランシスコのカフ(Cuff)社は、女性のためのウエアラブルデバイスを作っている。その製品は、外観をジュエリーのようにデザインして、見かけから機能が推測されないようにしている。リストバンドや腕時計、メガネといった形状で高機能を追及するのではなく、女性用のセキュリティデバイスとしてファッション性にこだわった製品だ。

フィーチャーフォンにせよスマートフォンにせよ、男性のようにポケットに入れることが難しい女性の場合、機器の持ち運びは頭の痛い問題だ。バッグに入れておくと着信に気づかないことも多い。カフはブレスレットやネックレス、キーチェーン(カフジュエリー)に「カフリンク」という部品を取り付けたもので、これがBluetooth 4.0でスマートフォンのアプリとつながる。カフリンクは、同社のほかのアクセサリーに付け替えて利用することもできる。

自分宛てにメールや電話の着信があれば、振動で知らせてくれるのに加え、何かトラブルに遭遇して助けが必要なときは、カフを握りしめたりタップしたりすると、あらかじめ登録した連絡先(複数設定可)に通知が届く。相手もカフをしていればカフが振動するし、持っていなければスマートフォンなどに位置情報付きで通知が送られる。タップ1回なら家族に、2回ならかかりつけ医師に、3回ならベビーシッターになどと使い分けることもできる。緊急通知には血液型や既往症などを含めて送ることも可能だ。予約販売価格は50〜150ドルで、CuffLink1個とそれを取り付けられるブレスレット、ペンダントで80ドルといったセット予約も受け付けている。

ブレスレットには「Lena」「Carin」「Mia」、ネックレスには「Lisa」「Soleil」、キーチェーンには「J」「G」などの名前が付けられていて、デザインも若者向けからシニア向けまでバラエティーに富んでいる。他の装飾品デザイン会社などにもCuffLinkを組み込んだ製品開発を促して、テクノロジーとファッションの両立を目指す方針のようだ。

カフの各製品は防水対応で、バッテリーは1年程度もつらしいし、今後、リモートで写真を撮るなどの機能を追加していく計画もある。発売は2014年秋の予定だ。

著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発にあたる。現在はビジネスアーキテクツ社にてモバイルヘルス分野の新事業立ち上げに従事。同志社大学ビジネススクール嘱託教員として「技術開発と事業化戦略」を担当している。