2014/04/21

自分を見つけるためのアプリ

携帯電話やスマートフォンで写真の撮影がずいぶん手軽なものになったが、これらのデバイスは、通信機器にカメラ機能がついているともいえるし、カメラに通信機能が備わっているともいえる。どちらにせよ、あなたのスマートフォンのアルバムには景色や人々の写真がどんどん増えていることだろう。子どもがいれば子どもの写真が多いだろうし、友達と出掛ければ友達の写真が増えるだろう。ただ、自分撮りが大好きでもない限り、自分が写っている写真は案外少ないのではないだろうか。

それでは自分の写真はどこにあるのか? それは友達のスマートフォンの中である。しかし、それをシェアしてもらうために、友達のスマートフォンの中をのぞかせてもらうわけにもいかない。そこで、カナダのストレージ用アプリケーション開発会社であるClickfree社が開発しているアプリが「MeFinder」。

MeFinderをインストールしたら、自分の姿を写真ではなく、ビデオに撮影する。正面だけでなく、横顔や斜め顔を記録するためだ。

もちろん、自分のスマートフォンだけにこのアプリが入っていても、友達の端末の中の写真を集めることはできない。自分の姿を写真に撮っていたに違いない友達に、フェイスブックなどを通じてこのアプリを紹介してインストールしてもらわなければならない。友達の端末に自分の姿の情報が送られると、アプリがスマートフォンに格納されている写真の検索(顔認識)を始める。

そこで探している写真が見つかったら、アプリにその写真が表示され、友達はその写真を本人とシェアしていいか判断する。つまり、勝手に写真を探して取っていくのではなく、撮影者のパーミッションを得る仕組みになっている。OKとなれば、友達のスマートフォンから自分のスマートフォン宛てに自分の写っている写真が送られてくるという仕掛けだ。

同じアプリを持っている友達の輪が広がれば、自分の写真が増えるだけでなく、友達にも本人の写っている写真を簡単に送ることができるようになる。スマートフォンのアルバムを見て、友達や知り合いの写真が多いようなら、こうしたシェアのやり方を考えてみる価値があるかもしれない。

著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発にあたる。現在はビジネスアーキテクツ社にてモバイルヘルス分野の新事業立ち上げに従事。同志社大学ビジネススクール嘱託教員として「技術開発と事業化戦略」を担当している。