2014/04/18

航空券の購入はSNSで

Social Payment(KLM Royal Dutch Airlines)

TwitterやFacebookをプロモーションやマーケティングに活用する例はたくさんあるが、とうとうSNSで航空券の購入までできるようになった。

このサービスを導入したのはKLMオランダ航空。同社は2012年から、購入を希望する航路と日程を「@KLMfares」宛てに送信すると、最安値と予約用URLを返信してくれるという、SNSを活用したサービスを提供して話題になっていた。ほとんどの乗客は安い航空券を探すために、格安航空券販売サービスに登録したり、メルマガを購読したりするのだが、SNSを利用することでそうした煩わしさを無くし、ウェブサイトでの検索よりも素早く、ピンポイントで情報が得られるようになる。早い場合はものの数分で返事があるという、システムの質の高さでもかなり注目を集めていた。

だが、このサービスでは格安航空券の予約はできても、購入は電話で手続きを行なう必要があった。そこで、サービスをアップグレードし、チケット購入まで行えるようにしたのである。TwitterかFacebookのアカウントにログインした状態で、KLMのサイトでチケットの予約を行うと、購入専用のURLがダイレクトメッセージで送信され、そこから好きな支払い方法でチケットが購入できる。もちろん、モバイルにも対応していて、急な出張でも格安価格を確認して、購入までスマートに行えるようになる。

SNSを使った問い合わせは週に35,000件もあり、そうした影響もあってか、KLMのFacebookのファン数は500万人を超えたという。座席指定や追加手荷物の申告もできるようになっている。今後、他の航空会社でも同様のサービスが採用され、当たり前の手段として定着するのもそう遠くはないかもしれない。

著者:野々下 裕子(ののした・ゆうこ)

フリーランスライター。大阪のマーケティング会社勤務を経て独立。主にデジタル業界を中心に国内外イベント取材やインタビュー記事の執筆を行うほか、本の企画編集や執筆、マーケティング業務なども手掛ける。掲載媒体に「月刊journalism」、「DIME」、「App DIME」「ライフハッカー」ほか。著書に『ロンドンオリンピックでソーシャルメディアはどう使われたのか』などがある。