2014/04/16

文字入力より手軽な声のショートメッセージ

ウガンダテレコムが、声のSMS(Voice SMS)サービスを2月から提供している。携帯などから、「*」キーに続けて相手の電話番号を入れると30秒の音声メッセージを残すことができ、通知を受けた相手は「0」キーで聴いたり、「1」キーで聴き直したりできる。削除や返信、転送、保存なども可能だ。電話番号の入力は大変なので、「*MOM」(*666)や「*DAD」(*323)などのSpeed Codeと呼ぶ短縮ダイヤル機能もある。送る側には150ウガンダシリング(約3円)、受け取る側には50ウガンダシリング(約1円)が課金される。

プラットフォームを提供しているのは、アメリカのKirusa社。2001年に元AT&Tラボやベル研究所のエンジニアなどが設立し、アフリカや中東、東南アジア、中南米、東欧などに各種サービス用プラットフォームを提供している。同社のVoice SMSは世界で35キャリアが採用していて、毎月8,000万以上のユニークユーザーがいるそうだ。

音声SMSは、電話機を持って喋るだけなので、"テキストSMS"に比べてメッセージの入力が楽だ。テキストには別の課題もある。識字率が高くない国は多いし、どの国の言葉でも、読めるが書けないスペルの単語も多い。

タイムラインを後で確認する場合などには音声は不向きだが、電話をかけて会話するまでもない緊急度の高くない内容を、相手の状態を気にせず伝えることができるし、30秒で喋ることができる言葉の文字数は、同じ時間に指で入力するよりも格段に多いから、新しいコミュニケーション手段として定着する国が増えてくるかもしれない。Kirusa社は、年内にモザンビーク、ジンバブエ、ザンビアでもサービス開始を予定しているらしい。

著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発にあたる。現在はビジネスアーキテクツ社にてモバイルヘルス分野の新事業立ち上げに従事。同志社大学ビジネススクール嘱託教員として「技術開発と事業化戦略」を担当している。