2014/04/10

恋の行方はFacebookがお見通し

気になる相手と交際を始めるかどうか、始めるとしたらそれはいつからなのかということは、本人たちよりも先にFacebookに予測されてしまうらしい。さらに、別れることも直前になれば予想できるそうだ。

フェイスブック・データ・サイエンスがブログで発表した一連の研究結果によると、Facebook上でメッセージを交換し、プロフィールを閲覧し、お互いのタイムラインで投稿をシェアする頻度などから、特定の2人が交際を始める兆候が分かるという。

フェイスブック・データ・サイエンスは、個人プロフィールのステータスを「Single」から「In a relationship」に変更した人々の行動を調べた。交際開始前の100日間にゆっくりと着実にタイムラインへの書き込み回数が増えてきて、直前には急増する。交際開始の12日前に一日当たり1.67回のポストで極大となり、その後、急激に下がってから交際が始まり、交際開始後にも減り続けて、85日後には1.53回まで下がる。回数は減っても内容的にはポジティブで甘い言葉、すなわち「love」「nice」「happy」が増え、ネガティブな言葉は減るという。

地理的傾向も顕著で、全米50都市の比較では、シングル比率が最も高いのはデトロイトで、ロサンゼルスやニューヨークも高い。サンフランシスコの住人は交際に至る可能性が最も低く、一方、カップルが最もできやすいのはコロラドスプリングスで、2番目はエルパソとなっている。

別れが近づくと、その人がFacebookを使ってやり取りをする回数が別れの一週間前から徐々に増え、当日には平常の3倍以上へと急増する。別れた直後には急激に下がるものの、別れる前よりは書き込みが多く、別れから一週間を過ぎたあたりからは平常の1.5倍強くらいの水準で漸増していく。別れる前には交際相手ばかりでなく、友人知人の意見を求めたりするのだろうか。別れた後には孤独になって、交際期間中には少し疎遠になっていた相手とのやり取りが増えるのかもしれない。あくまでもフェイスブックを介した交際開始と別れなので、もちろんこれですべての恋愛が予測されるわけではない。

こうした知見は興味深いものの、ターゲティング広告の材料に使われる可能性は否定できまい。交際を始めたばかりの人や別れたばかりの人は何を買わされそうになるのだろう。

著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発にあたる。現在はビジネスアーキテクツ社にてモバイルヘルス分野の新事業立ち上げに従事。同志社大学ビジネススクール嘱託教員として「技術開発と事業化戦略」を担当している。