2014/03/25

600万人を突破したGPS宝探し参加者

ハイテク宝探しゲーム「ジオキャッシング(geocaching)」のプレイヤー数が600万人を超えた。

2000年にアメリカで生まれた、この元祖O2O(オンライン・トゥ・オフライン)ともいえそうなゲームは、まず、あるプレイヤーが世界のどこかに宝物を入れた宝箱を隠し、その場所の位置をGPS機器で読み取って、ジオキャッシング公式サイトに登録する。これを見た別のプレイヤーがヒントと座標を頼りに宝探しをするというシンプルなものだが、インターネットとGPSとアウトドアの融合ということで、世界中に愛好家が多い。

2009年には世界に50万から60万のキャッシュ(宝箱)があったが、2013年には230万を超えた。日本にも14,000以上のキャッシュがあるという。GPSがスマートフォンの普及で手軽に使えるようになったことも、ジオキャッシングの参加者を増やす要因と見て間違いないだろう。

キャッシュは防水の小さな容器で、中のお宝にはいろいろな種類のものがあるが、大抵は安物(偽物)の宝石やアクセサリー。見つけた人は、宝物を取り出した場合には、次の人のために同等レベルの別の宝物を入れておくのがルール。ログに署名と日付を記入して、発見した記録を残しておく。宝箱には、パズルのヒントが入っていることもあれば、次の宝物の場所の座標が入っていることもあるらしい。スマートフォンがなくてもGPSレシーバーと地図があれば参加できる。

アウトドアで宝探しを楽しむ個人の趣味として発展してきたジオキャッシングだが、最近では、村おこしなど観光誘致のツールとして活用されるケースも出てきた。地元での宝探しに飽き足らず、旅先でジオキャッシングのロケーションを探す人が多いためだ。欧米では自治体などがキャッシュを設置し、お宝とは別に地元の博物館や飲食店などのクーポンや案内を入れておいたり、キャッシュを順番に探し歩くことで同時に、名所旧跡巡りができるように工夫することもあるようだ。

著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発にあたる。現在はビジネスアーキテクツ社にてモバイルヘルス分野の新事業立ち上げに従事。同志社大学ビジネススクール嘱託教員として「技術開発と事業化戦略」を担当している。