2014/03/24
子どもが楽しく安全に使えるメールソフト
TocomailのMailbox(Tocomail)
子どもとその両親のために開発されたメールクライアントが「Tocomail」だ。メールクライアントにはOutlookやMail、Becky!など有料無料取り混ぜていろいろあるが、基本的にはほとんどが大人用。フィルタリングなど機能が高度化しているから大人でも使いこなすのは大変だし、ルック&フィールは無味乾燥の実用主義だ。
Tocomailは、可愛いイラストのアバター、スタンプ、絵筆、ハガキなどが楽しく使えるキッズ向けメールクライアントで、アカウントは小さな子ども向けのシンプル版と高学年向けのスタンダード版がある。
両親が子どものメールのやり取りの相手を「セーフリスト」というコンタクトリストで指定できる機能があり、ここまでは子ども用アカウントと合わせて無料で使える。月額2.99ドル(年額だと29.99ドル)のプレミアム版では、セーフリストにない相手から来たメールは親だけに見えて、親がOKしたもののみ子どもに配信する機能(親宛に通知メールが来るのですぐにOKか拒否かを選べる)や、汚い言葉を「検閲」するプロファニティフィルター機能、いじめメールのパターンを検出して知らせるブリー認識機能などを利用することができる。Tocomailは、iPhone、iPadアプリ、またはPCのウェブブラウザから利用できる。
日本ではバンダイが数年前に「ぱそこんキッズキー」という、USBキーを挿すと一時的にパソコンを子ども専用機にするサービスを出しており、その中のメールソフトには親が許可したアドレスとしかメールのやり取りができない機能などがあった。ほかにも子ども向けメールとしては、iPhoneアプリ「Toymail」、iPad向けの「Maily」などがある。子どもにもネットやスマートフォンが広まるにつれ、日本でも海外でも、子どもも両親も安心して利用できるようにするツールが求められるようになっている。
著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)
NTT、東京めたりっく通信、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発にあたる。現在はビジネスアーキテクツ社にてモバイルヘルス分野の新事業立ち上げに従事。同志社大学ビジネススクール嘱託教員として「技術開発と事業化戦略」を担当している。