2014/03/05

親指のジェスチャーでデバイスをコントロール

Fin

インドのコーチンにあるRHLビジョン・テクノロジー社が開発した「フィン(Fin)」は、親指に取り付ける大きな指輪で、片手を使ってスマートフォンやAV機器、PC、カーナビ、ホームオートメーション機器などを操作することができる「ジェスチャーインタフェース」デバイスだ。クラウドファンディングサイトでのキャンペーンを成功させており、今年9月に発売したいという製品版の価格は120ドル程度の予定だ。

右手または左手の親指の付け根に装着し、その動きを検出して、Bluetoothで他のデバイスに信号を送る。親指の特定のジェスチャー(人差し指の上をすべらせるとか、薬指の第一関節と第二関節の間を触るとか)をコマンドと紐づければ、例えば、運転中にハンドルから手を離すことなくカーオーディオの音量を上げることもできるし、蛍光灯からぶら下がった紐を引き下げる動作で照明を消すこともできる。走りながらiPodで聴いている曲を変えられるし、プレゼンテーションで次のスライドに移ることもできる。手のひらをキーパッドやスライダーにできるわけで、視覚に障がいがある人が機器を操作するのに使えるかもしれないし、運転中や会議中など、よそ見するわけにいかない状況では便利なデバイスといえるだろう。

ジェスチャーコントロールには、マイクロソフトの「Kinect」のように、カメラで手や身体の動きを映像として捉えて行うタイプが多いが、身体に取り付けて微弱な電流から筋肉の動きを捉える「Myo」(Thalmic Labs)のようなものもある。フィンは、身に着けるという点では後者に近いが、捉えているのはフィンそのものの動きだ。

1個のフィンで3つまでのデバイスがコントロール可能で、現行版では、それぞれのデバイスに対してコマンドは5種類ずつ覚えさせることができるという。1回の充電で1カ月使え、iOS、Android、Windows Phoneに対応している。

色は白、赤、青の3色で防水。デザインについては意見が分かれるところだろうが、同社のウェブサイトは、「ファッショナブル」だと断言している。

著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発にあたる。現在はビジネスアーキテクツ社にてモバイルヘルス分野の新事業立ち上げに従事。同志社大学ビジネススクール嘱託教員として「技術開発と事業化戦略」を担当している。