2014/01/23

50ドルのアクティビティトラッカー

イギリスのFitbug社は、昨年10月、ウエアラブルのワイヤレス活動量計デバイスFitbit FlexやJowbone UPの対抗馬となる活動量トラッカー、「Orb」を発売した。他社製品が80ドルから100ドル程度なのに対して、49.95ドルと安く、装着方法が選べることを特徴にしている。

Fitbit FlexやFitbit Force、Jawbone UPはリストバンド型で手首に装着することを前提にしている。Orbは分厚いコインのような形状で、色は白、黒、ピンク。リストバンドにしたり、ポケットに入れたり、下着用のストラップに取り付けたり、クリップで襟に留めたりできる。その点ではMisfit Wearable社のShineとよく似ている。

歩数、歩数から推計した歩行距離や消費カロリー、速度、睡眠をトラッキングして、スマートフォンやPCの無料アプリとBluetooth Smartで同期(シンク)する。データは14日分まで本体に保存できるから毎日シンクする必要はない。

KiKと名づけられたオンラインのコーチングプログラムも公開されていて、運動や食事のターゲットを設定しておくと、フィードバックや運動のヒント、そして激励が、メールやプッシュ通知で提示される。MyFitnessPalなど他社の健康プログラム用アプリとも連動できる。このような機能はどの会社の製品もほぼ同じように提供している。ゲームの要素を加味したり、ソーシャルで他の利用者たちと競わせたりするのも共通している。

リストバンド型の多くが充電式で、USBなどでフルチャージすれば1週間から2週間程度使えるのに対し、コイン型のOrbとShine、クリップ型のFitbit Zipは電池交換式で、どちらも半年くらいに一度、電池交換が必要となる。

社名のFitbugを見てアメリカのFitbit社と似ていると思われた方もおられるだろうが、サンフランシスコのFitbitは2007年創業なのに対して、Fitbugは2005年創業だ。昨年3月には、FitbugがFitbitを商標侵害などで訴えている。

著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発にあたる。現在はビジネスアーキテクツ社にてモバイルヘルス分野の新事業立ち上げに従事。同志社大学ビジネススクール嘱託教員として「技術開発と事業化戦略」を担当している。