2014/01/22

患者の健康管理もクラウドで

ベライゾン・エンタープライズ・ソリューションズ社は、AT&T分割でできたいわゆるベビーベルの1社であるナイネックス(NYNEX)を前身とするベライゾンの子会社で、主に法人顧客に対してソリューション事業を展開している。

昨年10月下旬に提供を開始したのは、「コンバージド・ヘルス・マネジメント(CHM)・ソリューション」という統合健康管理プラットフォームだ。顧客は病院や保険会社、患者の雇用主などで、患者を遠隔モニタリングすることで、医師が治療の進み具合を把握できるようにして、医療の質を向上させるのが目的だ。同社のLTEネットワークとクラウド基盤を融合して提供する。

Wi-Fi通信機能付きの体重計、血糖値測定器、血圧計、血中酸素濃度系などの計測値をクラウドにアップロードし、医師がタブレットやスマートフォンで利用する。クラウドは、医療に関する個人情報のセキュリティー条件などを定めたHIPAA(医療保険の携行性と責任に関する法律、1996年制定)に準拠している。

患者側もアプリケーションとウェブのポータルを介して、カスタマイズされた健康管理プランの提供を受け、健康的な生活を送るとごほうび(特典)がもらえるといったプログラムに参加できるし、健康管理に関する教育的なコンテンツ(ビデオやオンラインセミナー)にアクセスすることもできる。匿名のソーシャルネットワークも用意されている。

CHMは、FDA(アメリカ食品医薬品局)の承認を得ており、医療の一部として使用することができる。

著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発にあたる。現在はビジネスアーキテクツ社にてモバイルヘルス分野の新事業立ち上げに従事。同志社大学ビジネススクール嘱託教員として「技術開発と事業化戦略」を担当している。