2014/01/15

体の位置を検知して音声でヨガ指導

視力に障がいを持つ人には、インストラクターの動きを真似してエクササイズの指導を受けるのが難しい人もいるだろう。DVDなどの教材もインストラクターの動きを模倣させるべく、視覚に訴える形で指導するのが一般的だ。

動きの激しいワークアウトでは難しいかもしれないが、ゆっくり動いて姿勢を決めるヨガなら音声でフィードバックできる。そう考えたワシントン大学の研究者たちが、マイクロソフトのキネクト(Kinect)を使ったヨガ講習プログラム「Eyes-Free Yoga」を開発した。キネクトで腕の位置などを3次元で検出し、「右腕を上げてください」「肩を左に回してください」などの指示を出す。指示のとおりのポーズが決まると、鐘の音がする。そして、「体の中心線よし、腕の位置よし、よくできました(Good job!)」と評価してくれる。

今のところ、指導できるポーズは6通り。16名にテストしてもらい、全員がまた利用したい、うち13名はほかの人にも勧めたいと評価しているという。この方法を応用すれば、目が不自由な人がさまざまなことを練習するのに役立つのではないだろうか。

キネクトは、リハビリや在宅治療などにも用いられるなど、ゲーム以外のシーンでも、多くの人々の想像力を刺激しているようだ。

著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)
NTT、東京めたりっく通信、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発にあたる。現在はビジネスアーキテクツ社にてモバイルヘルス分野の新事業立ち上げに従事。同志社大学ビジネススクール嘱託教員として「技術開発と事業化戦略」を担当している。