2014/01/09

世界の学生がアイデアを競う未来の家電デザインコンペ

優勝した「Mab」

スウェーデンのストックホルムに本社を置く電機製品メーカーのElectrolux(エレクトロラックス)社が運営するElectrolux Design Labでは、毎年、世界中の学生を対象に未来を変えるような斬新な家電アイデアを募集するコンペを行っている。テーマはSocial Cooking(調理)、Natural Air or Effortless(空気清浄)、Cleaning(清掃)の3つがあり、全体で最優秀作品が選ばれ、賞金のほか、インターンシップのチャンスなどが与えられる。先日、2013年の結果が発表されたが、最終候補に残った作品はいずれもコンセプチュアルなアイデアにあふれたものばかりであった。

優勝した「Mab」は、丸い本体から羽根を持った小さなロボットが飛び出し、部屋中を飛び回って掃除をするという自動清掃システムである。掃除する場所は自動でスキャンされ、操作はワイヤレスで行われる。さらに、本体には洗浄剤以外に部屋用のフレグランスも充電できて、空気もきれいにしてくれるという。充電は本体で行うが、羽根についたソーラーパネルで行えるようにもするという。

最終候補に選ばれた「Nutrima」は平らで折り畳みができるキッチンスケールで、プレートの上に食材を置くと、量以外に栄養素や鮮度、添加物などを自動で調べてくれるというアイデアだ。さらに、どこでより鮮度の高い健康な食品が手に入るかといった情報も、このプレートを通じて共有できるようにするという、まさにソーシャル・クッキングのアイデアが盛り込まれている。

ほかにも、家にある食材から何を作ればいいかを教えてくれる「Kitchen Hub」や、ネックレスのように首にかけられ、アロマ治療もできるウエアラブルタイプの空気洗浄器「OZ-1」、壁に取り付けてまるで家が呼吸するかのように空気を清浄してくれる「Breathing Wall」、また、子どもが書いた絵をスキャンして、フード用3Dプリンターで食玩を作る「Atomium」といったユニークなアイデアも最終候補作品として紹介されている。

紹介したものも含めて、最終候補に残った作品は、コンセプトデッサンから実用までのアイデア、イメージビデオがElectrolux Design Labのサイトで紹介されているので、それを見るだけでも面白い。

著者:野々下 裕子(ののした・ゆうこ)
フリーランスライター。大阪のマーケティング会社勤務を経て独立。主にデジタル業界を中心に国内外イベント取材やインタビュー記事の執筆を行うほか、本の企画編集や執筆、マーケティング業務なども手掛ける。掲載媒体に「月刊journalism」、「DIME」、「App DIME」「ライフハッカー」ほか。著書に『ロンドンオリンピックでソーシャルメディアはどう使われたのか』などがある。