2021/12/08
「Google Pixel 6」実機レビュー サイズやカメラなど「Pixel 5」とスペックを比較して解説
2021年10月、auの2021年秋冬モデルとして「Google Pixel 6(グーグル ピクセル シックス)」が発売された。昨年発売された「Google Pixel 5」の後継モデルではあるが、そのスタイルや性能などは大きく異なっている。
本記事では、Google Pixel 6とGoogle Pixel 5を比較しながら、その使い勝手やサイズ感、さまざまな特徴を紹介する。
本体スペック比較
機種名 | 機種クラス | 発売年月 | 対応通信規格 | 画面 | ディスプレイ解像度 | 本体サイズ | 重量 | カラー | メインカメラ 有効画素数 |
サブカメラ 有効画素数 |
静止画ズーム | OS | CPU | バッテリー容量 | 電池持ち時間 | 内蔵メモリ(RAM/ROM) | ワイヤレス充電 | ワンセグ/フルセグ | 生体認証 | 防水 | 防塵 |
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Google Pixel 6 | ハイエンドクラス | 2021年 10月 | 5G/4G | 約6.4インチ OLED |
フルHD+[2,400×1,080] | 74.8×158.6×8.9mm | 約207g | ストーミー ブラック ソータ シーフォーム カインダ コラル |
約5,000万画素 約1,200万画素 |
約800万画素 | 7倍 | Android 12 | Google Tensor | 4,614mAh | ― | 8GB/128GB | ◯ | ワンセグ:× フルセグ:× |
指紋 | IPX8 | IP6X |
Google Pixel 5 | ミドルクラス | 2020年 10月 | 5G/4G | 約6.0インチ フレキシブルOLED |
フルHD+[2,340×1,080] | 約70.4×144.7×8.0mm | 約151g | ソータ セージ ジャスト ブラック |
約1,220万画素 約1,600万画素 |
約800万画素 | 7倍 | Android 11 | Qualcomm Snapdragon 765G 2.4GHz/1+2.2GHz/1+ 1.8GHz/6 |
4,080mAh | ― | 8GB/128GB | ◯ | ワンセグ:× フルセグ:× |
指紋 | IPX8 | IP6X |
Google Pixel 6は、Googleとしては初となるオリジナルのチップセット「Google Tensor」を搭載している。
前モデルのGoogle Pixel 5は「Snapdragon 765G」を搭載したハイミドルモデルだったが、Google Pixel 6に搭載された「Google Tensor」はSnapdragonのチップで比較すると、多くのハイエンドモデルスマホが搭載している「Snapdragon 888」に迫るスペックとなっている。
Googleによると、Google Pixel 6はGoogle Pixel 5と比較してパフォーマンスが最大80%アップし、アプリの起動やゲームプレイの反応が向上しているとのこと。また、最先端の機械学習モデルが活かされており、Google Pixel 6独自のリアルタイムの文字変換や高度な写真機能などを実現している。
それでは、各項目について細かく確認していこう。
ディスプレイ・本体サイズ比較。ディスプレイ内指紋センサーを搭載
Google Pixel 6はディスプレイとして6.4インチ(2,400×1,080ピクセル)の有機ELを搭載する。Google Pixel 5は6.0インチだったので、ひと回り大型化したことになる。なお、フロントカメラはGoogle Pixel 5は画面左端のパンチホールだったのに対し、Google Pixel 6はパンチホールが上部中央に移動している。
ディスプレイまわりのベゼル幅は最近のスマホとしてはやや太目な印象もあるが、実際に使用しているとそれほど気にはならない。
なお、Google Pixel 6の本体サイズは画面が大きくなったぶん、74.8×158.6×8.9mmと、Google Pixel 5と比べると若干大型化している。本体重量も151gと軽かったGoogle Pixel 5と比べると、207gとやや増している。
また、Pixelシリーズとしては初めて、ディスプレイ内指紋センサーを搭載しているのもGoogle Pixel 6の特徴だ。Google Pixel 5では背面に配置されていたが、ディスプレイ内に搭載することで手帳型ケースなどを装着してもロックが解除しやすくなっている。
Google Pixel 6のカメラは大型センサーを搭載
横一列に並んだ特徴的なスタイルとなったGoogle Pixel 6の背面カメラには、スマホとしては大型な1/1.31型センサーが搭載されている。
これにより、Google Pixel 5と比べて取り込む光量が150%増え、被写体を色鮮やかに撮影できるほか、屋内や夜間などの暗所にもこれまで以上に強くなった。
Google Pixel 6は構成として、5,000万画素の広角カメラと1,200万画素の超広角カメラのデュアルカメラとなっている。望遠は非搭載だが、Googleが得意とするソフトウェア処理により、最大4倍までの超解像ズームに対応する。
Google Pixel 6専用「消しゴムマジック」「モーションモード」
Google Pixel 6専用のカメラ機能として、Google フォトに「消しゴムマジック」が搭載された。これは写真内に写り込んだ人や物をAI処理で消すことができるというもの。あくまで画像処理のため、よく見ると加工していることはわかるのだが、消したい対象を丸で囲うだけで認識・処理してくれる速度には驚かされる。
操作は、Google フォトから写真を選び、[編集]▶[ツール]で[消しゴムマジック]を選択。消したい箇所を丸で囲むか指で塗りつぶすだけだ。
また、「モーション」という撮影モードも追加された。これはデジタル一眼カメラの撮影テクニックである流し撮りや長時間露光をAI処理により簡単に実現できるというもの。手軽に動きのある写真を撮影できる。
日本語文字起こしやリアルタイム翻訳に対応
Google Pixelシリーズには「レコーダー」アプリがプリインストールされているが、Google Pixel 5までは日本語の文字起こしには対応していなかった。しかし、Google Pixel 6では日本語の文字起こしに対応。しかもGoogle Tensorチップにより、処理はスマホ内で完結するためネット接続も不要だ。
こうした文字起こし機能、これまでは手直しの手間などを考えると、サードパーティ製の有料サービスを利用するのが現実的だった。しかし、筆者も何度か利用してみたが、「レコーダー」アプリの文字起こしは、有料サービスと比較しても遜色がなく、むしろ文字変換の精度は「レコーダー」アプリのほうが高いと感じた。固有名詞などは手直しが必要な部分も出てくるが、8割ほどはそのままでも問題ない印象だ。
なお、バックアップを設定しておけば、文字起こしをした文章を含め、ウェブ版の「レコーダー」(recorder.google.com)でPCからも確認できるようになる。
また、Androidのアクセシビリティ機能である「自動字幕起こし」も日本語翻訳に対応し、より実用的になった。「自動字幕起こし」自体はGoogle Pixel 5でも利用できたが、英語の音声であればそのまま英語の字幕が表示されるだけだった。
これに対してGoogle Pixel 6では、字幕をリアルタイムで日本語に翻訳し、表示できるようになっている。YouTubeなどでは、すでに自動翻訳機能が使えるが、「自動字幕起こし」は、たとえばTwitterのタイムライン上で再生される動画などに対しても使えるのがメリットだ。
Google Pixel 6はバッテリーが増量
Google Pixel 6はバッテリー容量が4,614mAhと、Google Pixel 5の4,080mAhから500mAh以上増量された。使い方にもよるが、筆者の使用環境では1日は十分に持っていた。
なお、別売りだが、純正の30W充電器を利用すると、30分で50%まで充電できる急速充電を利用できる。また、ワイヤレス充電も利用可能。ほかのQi互換機器を背面で充電するバッテリーシェアにも対応する。
AI処理がより強力になったGoogle Pixel 6
ハイエンドモデルとして大きく進化を遂げたGoogle Pixel 6。独自プロセッサのGoogle Tensorを搭載することで、AI処理などがさらに強力になっている。また、ハイエンドモデルとしては、比較的手を出しやすい価格に抑えられているのもうれしいところだ。
文:山本竜也