2021/10/01
iPhone 13シリーズとiPhone 12シリーズを比較!13/mini/Pro/Pro Maxの進化を解説
2021年9月24日、新しい「iPhone 13」「iPhone 13 mini」「iPhone 13 Pro」「iPhone 13 Pro Max」が発売された。昨年の「iPhone 12」シリーズと同じラインナップで、スペックや機能が進化した。
では、いったいなにが進化したのか。新モデルのiPhone 13シリーズと一世代前のiPhone 12シリーズを比較しながらそれぞれの特長を解説する。
- 【目次】
-
- ■iPhone 13シリーズ共通の進化ポイント
- ●デザインやサイズは変わらず、重量は微増
- ●画面上部のノッチのサイズが縮小
- ●カメラの新機能を搭載
- ●プロセッサがバージョンアップ
- ■iPhone 13 / 13 miniの進化ポイント
- ●カメラの配置が斜めに
- ●バッテリー駆動時間がアップ
- ●ディスプレイがより明るく
- ●ストレージ容量が増量
- ●5色のカラーバリエーション
- ■iPhone 13 Pro / 13 Pro Maxの進化ポイント
- ●さらに明るく撮影でき、ズームや接写も可能に
- ●バッテリーがより長持ちに
- ●ディスプレイ表示が明るく、よりスムーズに
- ●ストレージ容量が増量
- ●カラーバリエーションは4色
- ■スペック比較
iPhone 13シリーズ共通の進化ポイント
iPhone 13シリーズの各モデル共通のポイントは、おもに3つある。デザイン上の大きな変更点はないものの、ディスプレイ上部にあるノッチ(画面の切り欠き)サイズが縮小されたこと。カメラ機能が大幅に強化されたこと。そして、プロセッサの進化だ。
なお、通信方式についてはiPhone 12シリーズから引き続き、全モデル「5G」に対応する。それぞれの進化ポイントについて細かく見ていこう。
●デザインやサイズは変わらず、重量は微増
まずは外観の特長から。デザインやサイズについては、全モデルで大きな変更はない。
変更点としては、iPhone 12 / 12 miniでは縦に並んでいたデュアルカメラが、iPhone 13 / 13 miniでは斜めに配置されたことがある。そのほか、Face ID認証や、充電のLightning端子は変更なく継続となっている。
また、幅や高さといったサイズ感は変更ないが、厚みと重量は少し増している。たとえば、iPhone 12シリーズは厚さが7.4mmだったのに対し、iPhone 13シリーズでは7.65mmに。また、重量もiPhone 12シリーズと比べて、iPhone 13シリーズは各モデル10g前後増えている。とはいえ、どちらも普段の利用にあたっては微増の範疇といえるだろう。
●画面上部のノッチサイズが縮小
前述のとおり、一見するとデザインに大きな変更はないが、細かく見ると外観上にも進化した部分がある。画面上部のノッチサイズが縮小したのだ。
前面のTrueDepthカメラを再設計することで、iPhone 13シリーズのノッチはiPhone 12シリーズから全モデル20%の縮小を実現した。これにより、ディスプレイの表示領域がこれまで以上に広くなっている。
●カメラの新機能を搭載
iPhone 12シリーズと同様に、iPhone 13 / 13 miniはデュアルカメラ、iPhone 13 Pro / 13 Pro Maxはトリプルカメラという構成は変わらない。
だが、iPhone 13シリーズでは全モデルに新たなカメラ機能として「フォトグラフスタイル」と「シネマティックモード」が搭載された。
フォトグラフスタイルは、自分好みのテイストの写真をさまざまな条件下で撮影できる機能。いわゆるフィルター機能ではなく、肌の色味を変えずに背景だけを調整するといったことも可能になっている。
シネマティックモードは、動画撮影時に被写体の動きに合わせて最適なフォーカスをコントロールする機能だ。撮影後にフォーカスを変えたり、ボケ効果のレベルを調整したりすることもできる。
また、「iPhone XS」「iPhone XS Max」から搭載された「スマートHDR」が進化。iPhone 12シリーズでは「スマートHDR 3」だったが、iPhone 13シリーズでは「スマートHDR 4」にバージョンアップした。これにより、撮影時に一人ひとりの人物に合わせてコントラスト、明るさ、肌のトーンを自動的に微修正し、より美しい写真に仕上げることが可能になった。
●プロセッサがバージョンアップ
もちろん、iPhoneの“心臓”であるプロセッサも進化を遂げた。iPhone 12シリーズでは「A14 Bionic」だったが、iPhone 13シリーズでは最新の「A15 Bionic」にバージョンアップ。
A15 Bionicでは、2つの新しい高性能コアと4つの新しい高効率コアを備えたCPUを搭載する。また、専用のAIコアであるNeural Engine(ニューラルエンジン)も飛躍的に高速化。1秒間の最大演算処理は、A14 Bionicの毎秒11兆回から15.8兆回へと向上している。
iPhone 13 / 13 miniの進化ポイント
ここからはiPhone 13 / 13 miniと、iPhone 12 / 12 miniの違いや進化ポイントについて細かく見ていこう。
カメラの配置が斜めに
iPhone 13 / 13 miniのカメラは、iPhone 12 / 12 miniと同じく広角と超広角のデュアルカメラだが、前述のとおり、対角に配置されるデザインを採用。
より大きなセンサーを採用したことで、光を47%多く取り込めるようになり、より明るく撮影できるようになった。また、iPhone 12シリーズではiPhone 12 Pro Maxのみに搭載されていた「センサーシフト光学式手ぶれ補正(OIS)」が、iPhone 13 / 13 miniの広角カメラに搭載された。
●バッテリー駆動時間がアップ
バッテリー駆動時間がアップしたのもうれしいところだ。iPhone 13はiPhone 12と比べると最大2時間半、iPhone 13 miniはiPhone 12 miniと比べると最大1時間半長く使えるようになっている。
●ディスプレイがより明るく
ディスプレイサイズや解像度は変わっていないが、ディスプレイ輝度がより明るくなった。具体的には、iPhone 12 / 12 miniでは625ニトだったが、iPhone 13 / 13 miniでは800ニトに向上し、より明るい表示が可能になっている。
●ストレージ容量が増量
iPhone 12シリーズのストレージ容量は64GB / 128GB / 256GBの3種類だったが、iPhone 13シリーズでは64GBがなくなり、128GB / 256GB / 512GBの3種類に増量された。
●5色のカラーバリエーション
進化というわけではないが、カラーバリエーションも気になるところ。iPhone 13 / 13 miniは(PRODUCT)RED、スターライト、ミッドナイト、ブルー、ピンクの5色展開。スターライトとピンクは新色だ。
iPhone 13 Pro / 13 Pro Maxの進化ポイント
続いて、iPhone 13 Pro / 13 Pro Maxと、iPhone 12 Pro / 12 Pro Maxの違いや進化ポイントを見ていこう。
●カメラがさらに明るく撮影でき、ズームや接写も可能に
iPhone 13 Pro / 13 Pro Maxは 120度の超広角レンズ、標準の広角レンズの明るさがアップ。
さらに2cmからの接写に対応した。また、望遠レンズがiPhone 12 Proは2倍、iPhone 12 Pro Maxは2.5倍だったが、iPhone 13 Pro / 13 Pro Max は3倍へと進化し、カメラシステムの光学ズームレンジは合計6倍となった。
●バッテリーがより長持ちに
iPhone 13 ProはiPhone 12 Proと比較して最大1時間半、iPhone 13 Pro MaxはiPhone 12 Pro Maxと比較して最大2時間半長く使えるようになっている。
●ディスプレイ表示が明るく、よりスムーズに
サイズ、解像度ともにiPhone 13 / 13 miniとほぼ同様ではあるが、ディスプレイ輝度が増した。iPhone 12 Pro / 12 Pro Maxの800ニトから、iPhone 13 Pro / 13 Pro Maxでは1,000ニトに向上。
また、表示コンテンツに応じてリフレッシュレートを10〜120Hzに自動調整する「ProMotionテクノロジー」を搭載。「iPad Pro」に搭載されている技術だが、これによりバッテリー消費を抑え、スムーズな描画を実現している。
●ストレージ容量が増量
iPhone 13 Pro / 13 Pro Maxのストレージ容量はiPhone 12 Pro / 12 Pro Maxと同じ128GB、256GB、512GBに加え、iPhoneでは初めて1TBが追加された。
●カラーバリエーションは4色
iPhone 13 Pro / 13 Pro Maxのカラーバリエーションは、iPhone 12 Pro / 12 Pro Max と同様、4色展開。グラファイト、ゴールド、シルバーは継続だが、シエラブルーが新たに加わった。iPhone 12 Pro / 12 Pro Maxのパシフィックブルーより明るく、軽やかな印象の色だ。
スペック比較
最後に、iPhone 13シリーズとiPhone 12シリーズそれぞれの基本的なスペックを確認しておこう。
モデル名 | 発売年月 | 対応通信規格 | 画面サイズ | ディスプレイ | 本体サイズ | 重量 | カラー | メインカメラ | チップ | バッテリー駆動時間 | 容量 | ワイヤレス充電 | 生体認証 | タッチ機能 | 最大輝度(標準) | 最大輝度(HDR) | センサー | 防水/防塵 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
iPhone 13 | 2021年 9月 | 5G/4G | 約6.1インチ | Super Retina XDRディスプレイ | 約71.5×146.7×7.65mm | 約173g | スターライト/ミッドナイト/ ブルー/ピンク/ (PRODUCT)レッド |
デュアル12MP(広角/超広角) センサーシフト光学式手ぶれ補正 True Toneフラッシュとスローシンクロ ポートレートモード フォトグラフスタイル |
新しいNeural Engine搭載 A15 Bionicチップ |
音楽:75時間 動画:19時間 |
128GB/256GB/512GB | ○ (MagSafeおよびQi対応) |
Face ID | 触覚タッチ | 800ニト | 1,200ニト | 3軸ジャイロ/加速度センサー/ 近接センサー/環境光センサー/気圧計 |
IP68相当 水深6mで最大30分 |
iPhone 13 mini | 2021年 9月 | 5G/4G | 約5.4インチ | Super Retina XDRディスプレイ | 約64.2×131.5×7.65mm | 約140g | スターライト/ミッドナイト/ ブルー/ピンク/ (PRODUCT)レッド |
デュアル12MP(広角/超広角) センサーシフト光学式手ぶれ補正 True Toneフラッシュとスローシンクロ ポートレートモード フォトグラフスタイル |
新しいNeural Engine搭載 A15 Bionicチップ |
音楽:55時間 動画:17時間 |
128GB/256GB/512GB | ○ (MagSafeおよびQi対応) |
Face ID | 触覚タッチ | 800ニト | 1,200ニト | 3軸ジャイロ/加速度センサー/ 近接センサー/環境光センサー/気圧計 |
IP68相当 水深6mで最大30分 |
iPhone 12 | 2020年 10月 | 5G/4G | 約6.1インチ | Super Retina XDRディスプレイ | 約71.5×146.7×7.4mm | 約162g | パープル/ブルー/グリーン/ (PRODUCT)レッド/ ホワイト/ブラック |
デュアル12MP(広角/超広角) 光学式手ぶれ補正 True Toneフラッシュとスローシンクロ ポートレートモード |
Neural Engine搭載 A14 Bionicチップ |
音楽:65時間 動画:17時間 |
64GB/128GB/256GB | ○ (MagSafeおよびQi対応) |
Face ID | 触覚タッチ | 625ニト | 1,200ニト | 3軸ジャイロ/加速度センサー/ 近接センサー/環境光センサー/気圧計 |
IP68相当 水深6mで最大30分 |
iPhone 12 mini | 2020年 11月 | 5G/4G | 約5.4インチ | Super Retina XDRディスプレイ | 約64.2×131.5×7.4mm | 約133g | パープル/ブルー/グリーン/ (PRODUCT)レッド/ ホワイト/ブラック |
デュアル12MP(広角/超広角) 光学式手ぶれ補正 True Toneフラッシュとスローシンクロ ポートレートモード |
Neural Engine搭載 A14 Bionicチップ |
音楽:50時間 動画:15時間 |
64GB/128GB/256GB | ○ (MagSafeおよびQi対応) |
Face ID | 触覚タッチ | 625ニト | 1,200ニト | 3軸ジャイロ/加速度センサー/ 近接センサー/環境光センサー/気圧計 |
IP68相当 水深6mで最大30分 |
モデル名 | 発売年月 | 対応通信規格 | 画面サイズ | ディスプレイ | 本体サイズ | 重量 | カラー | メインカメラ | チップ | バッテリー駆動時間 | 容量 | ワイヤレス充電 | 生体認証 | タッチ機能 | 最大輝度(標準) | 最大輝度(HDR) | センサー | 防水/防塵 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
iPhone 13 Pro | 2021年 9月 | 5G/4G | 6.1インチ | ProMotion搭載Super Retina XDRディスプレイ |
約71.5×146.7×7.65mm | 約203g | シルバー/グラファイト/ ゴールド/シエラブルー |
Pro 12MP(望遠/広角/超広角) センサーシフト光学式手ぶれ補正 True Toneフラッシュとスローシンクロ ナイトモードのポートレート フォトグラフスタイル |
新しいNeural Engine搭載 A15 Bionicチップ |
音楽:75時間 動画:22時間 |
128GB/256GB/512GB/1TB | ○ (MagSafeおよびQi対応) |
Face ID | 触覚タッチ | 1,000ニト | 1,200ニト | LiDARスキャナ/ 3軸ジャイロ/加速度センサー/ 近接センサー/環境光センサー/気圧計 |
IP68相当 水深6mで最大30分 |
iPhone 13 Pro Max | 2021年 9月 | 5G/4G | 6.7インチ | ProMotion搭載Super Retina XDRディスプレイ |
約78.1×160.8×7.65mm | 約238g | シルバー/グラファイト/ ゴールド/シエラブルー |
Pro 12MP(望遠/広角/超広角) センサーシフト光学式手ぶれ補正 True Toneフラッシュとスローシンクロ ナイトモードのポートレート フォトグラフスタイル |
新しいNeural Engine搭載 A15 Bionicチップ |
音楽:95時間 動画:28時間 |
128GB/256GB/512GB/1TB | ○ (MagSafeおよびQi対応) |
Face ID | 触覚タッチ | 1,000ニト | 1,200ニト | LiDARスキャナ/ 3軸ジャイロ/加速度センサー/ 近接センサー/環境光センサー/気圧計 |
IP68相当 水深6mで最大30分 |
iPhone 12 Pro | 2020年 10月 | 5G/4G | 6.1インチ | Super Retina XDRディスプレイ | 約71.5×146.7×7.4mm | 約187g | パシフィックブルー/ゴールド/ グラファイト/シルバー |
Pro 12MP(望遠/広角/超広角) センサーシフト光学式手ぶれ補正 True Toneフラッシュとスローシンクロ ナイトモードのポートレート |
Neural Engine搭載 A14 Bionicチップ |
音楽:65時間 動画:17時間 |
128GB/256GB/512GB | ○ (MagSafeおよびQi対応) |
Face ID | 触覚タッチ | 800ニト | 1,200ニト | LiDARスキャナ/ 3軸ジャイロ/加速度センサー/ 近接センサー/環境光センサー/気圧計 |
IP68相当 水深6mで最大30分 |
iPhone 12 Pro Max | 2020年 11月 | 5G/4G | 6.7インチ | Super Retina XDRディスプレイ | 約78.1×160.8×7.4mm | 約226g | パシフィックブルー/ゴールド/ グラファイト/シルバー |
Pro 12MP(望遠/広角/超広角) センサーシフト光学式手ぶれ補正 True Toneフラッシュとスローシンクロ ナイトモードのポートレート |
Neural Engine搭載 A14 Bionicチップ |
音楽:80時間 動画:20時間 |
128GB/256GB/512GB | ○ (MagSafeおよびQi対応) |
Face ID | 触覚タッチ | 800ニト | 1,200ニト | LiDARスキャナ/ 3軸ジャイロ/加速度センサー/ 近接センサー/環境光センサー/気圧計 |
IP68相当 水深6mで最大30分 |
さらなる進化を遂げたiPhone 13シリーズ
iPhone 13シリーズはさまざまな点で進化しているが、なかでも目立ったのはiPhone 13 Pro / 13 Pro Maxのカメラ機能だ。もともと、Pro・Pro Maxモデルは写真・動画撮影機能に定評があったが、iPhone 13 Pro / 13 Pro Maxではさらに磨きがかかり、最新プロセッサのA15 Bionicの強力なパフォーマンスと合わさったことで、リアルタイムの写真・動画処理はプロ機材と比べても目を見張るほどになっている。
また、iPhone 13 / 13 miniも新たなプロセッサの搭載により、写真・動画撮影機能が大幅に向上。さらに、ストレージ容量も128GB / 256GB / 512GBの3種類になるなど、着実に進化を遂げている。
そのため、iPhone 13シリーズはどのモデルを選んでも確実に進化を感じられるラインナップとなった。使い勝手に合わせて、お気に入りのモデルを検討してほしい。
文:吉州正行