2021/05/10
| 更新
2021/05/17
Xperia 1 III / 10 IIIと過去機種を比較!世界初の機能や、1 II / 10 II / 5 IIとの違いを紹介
auの2021年夏モデルとして、ハイエンドモデルの「Xperia 1 III(エクスペリア ワン マークスリー)」、そしてミドルクラスモデルの「Xperia 10 III(エクスペリア テン マークスリー)」が発表された。
こちらは、2020年夏モデル「Xperia 1 II」「Xperia 10 II」の後継モデルだ。外観上の変化はあまりないが、Xperia 1 IIIはスマホとしては世界初の4K 120Hz HDR対応のディスプレイを搭載。Xperia 10 IIIもXperiaのミドルレンジでは初めての5G対応など、中身は大きく進化した。
そこで本記事では、Xperia 1 III / 10 IIIと、前モデルにあたるXperia 1 II / 10 II、そして2020年10月に発売されたXperia 5 IIと比較しつつ、なにが変わったのか、それぞれの特徴を比較する。
本体スペック比較
まずはXperia 1 III / 10 III、Xperia 1 II / 5 II / 10 IIそれぞれのスペックを比較する。
機種名 | 機種クラス | 発売年月 | 対応通信規格 | 画面 | ディスプレイ解像度 | 本体サイズ | 重量 | カラー | メインカメラ 有効画素数 |
サブカメラ 有効画素数 |
静止画ズーム | OS | CPU | バッテリー容量 | 電池持ち時間 | 内蔵メモリ(RAM/ROM) | ワイヤレス充電 | ワンセグ/フルセグ | 生体認証 | 防水 | 防塵 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Xperia 1 III | ハイエンドクラス | 2021年 6月中旬以降 | 5G/4G | 約6.5インチ 有機EL シネマワイド™ディスプレイ |
4K[3,840×1,644] | 約71×165×8.2mm | 約188g | フロストブラック フロストパープル |
約1,220万画素/約1,220万画素/ 3D iToFセンサー/約1,220万画素 |
約800万画素 | 12.5倍 | Android 11 | Qualcomm Snapdragon 888 5G Mobile Platform 2.8GHz/1+ 2.4GHz/3+1.8GHz/4 |
4,500mAh | 測定中(4G LTE/WiMAX 2+エリア) 測定中(5Gエリア) |
12GB/256GB | ○ | ワンセグ:× フルセグ:× | 指紋 | IPX5/IPX8 | IP6X |
Xperia 10 III | ミドルクラス | 2021年 6月中旬以降 | 5G/4G | 約6.0インチ 有機EL トリルミナス®ディスプレイ for mobile |
フルHD+[2,520×1,080] | 約68×154×8.3mm | 約169g | ブラック ホワイト ブルー/ピンク |
約800万画素/約1,200万画素 約800万画素 |
約800万画素 | 10倍 | Android 11 | Qualcomm Snapdragon 690 5G Mobile Platform 2.0GHz/2+ 1.7GHz/6 |
4,500mAh | 測定中(4G LTE/WiMAX 2+エリア) 測定中(5Gエリア) |
6GB/128GB | × | ワンセグ:× フルセグ:× | 指紋 | IPX5/IPX8 | IP6X |
Xperia 1 II | ハイエンドクラス | 2020年 5月 | 5G/4G | 約6.5インチ 有機EL シネマワイド™ディスプレイ |
4K[3,840×1,644] | 約72×166×7.9mm | 約181g | ブラック ホワイト |
約1,220万画素/約1,220万画素/ 3D iToFセンサー/約1,220万画素 |
約800万画素 | 9倍 | Android 10 | Qualcomm Snapdragon 865 5G Mobile Platform 2.8GHz/1+ 2.4GHz/3+1.8GHz/4 |
4,000mAh | 約105時間(4G LTE/WiMAX 2+エリア) 約100時間(5Gエリア) |
8GB/128GB | ○ | ワンセグ:○ フルセグ:○ | 指紋 | IPX5/IPX8 | IP6X |
Xperia 10 II | ミドルクラス | 2020年 6月 | 4G | 約6.0インチ 有機EL トリルミナス®ディスプレイ for mobile |
フルHD+[2,520×1,080] | 約69×157×8.2mm | 約151g | ブラック ホワイト ミント |
約800万画素/約1,200万画素 約800万画素 |
約800万画素 | 10倍 | Android 10 | Qualcomm Snapdragon 665 2.0GHz/4+ 1.8GHz/4 |
3,600mAh | 約140時間 | 4GB/64GB | × | ワンセグ:× フルセグ:× | 指紋 | IPX5/IPX8 | IP6X |
Xperia 5 II | ハイエンドクラス | 2020年 10月 | 5G/4G | 約6.1インチ 有機EL シネマワイド™ディスプレイ |
フルHD+[2,520×1,080] | 約68×158×8.0mm | 約163g | ブラック/グレー/ ブルー/ピンク |
約1,220万画素/約1,220万画素/ 約1,220万画素 |
約800万画素 | 9倍 | Android 10 | Qualcomm Snapdragon 865 5G Mobile Platform 2.8GHz/1+ 2.4GHz/3+1.8GHz/4 |
4,000mAh | 約120時間(4G LTE/WiMAX 2+エリア) 約115時間(5Gエリア) |
8GB/128GB | × | ワンセグ:× フルセグ:× | 指紋 | IPX5/IPX8 | IP6X |
Xperia 1 IIIとXperia 1 IIの外観の違いから確認しよう。見た目はほとんど変わっておらず、21:9の縦に長いXperiaらしいデザインを継承している。ただし、よく見るとディスプレイ周りのベゼル幅が細くなり、これに伴い外形寸法もわずかに小さくなっている。
また、Xperia 1 IIでは光沢仕上げだった背面が、Xperia 1 IIIではフロスト仕上げ(すりガラス)になり、指紋などが目立ちにくくサラサラとした質感になっているのもポイントだ。
なお、Xperia 1 IIIの本体右側面には、指紋センサー兼用となる電源ボタンの下にGoogle アシスタントボタンが追加された。これによって、すぐにGoogle アシスタントを起動することができる。なお、右側にボリューム、電源、Googleアシスタント、カメラのボタンが並ぶが、Google アシスタントボタンは一段凹んでおり、押し間違えることはないだろう。
Xperia 10 IIIとXperia 10 IIの外観上の違いもXperia 1 IIIとXperia 1 IIの場合と同様で、ディスプレイサイズはそのままに、ベゼル幅を縮小したことで本体サイズはわずかにコンパクトになっている。Xperia 1 IIIと違い、カメラボタンは搭載しないが、Googleアシスタントボタンは追加されている。
最新のチップセットを搭載したXperia 1 III、Xperia 10 IIIは5Gに対応
もちろん、見た目だけではなく中身も進化している。Xperia 1 IIIは、チップセットに最新の「Snapdragon 888 5G」を搭載。開発元のQualcomm(クアルコム)によると、Xperia 1 IIやXperia 5 IIが搭載する「Snapdragon 865 5G」よりも、CPUの処理性能で25%、グラフィックの性能は35%向上している。AI処理や写真撮影時の画像処理能力も向上しており、カメラ機能のアップデートにもつながっている。
メモリ容量も12GBに引き上げられたほか、ストレージも256GBに倍増した。1TBのmicroSDXCにも引き続き対応しており、写真や動画を撮りためたり、容量の大きなゲームをインストールしたりする場合にも安心だろう。
Xperia 10 IIIも「Snapdragon 690 5G」を搭載し、Xperiaのミドルクラスシリーズとして初めて5Gに対応した。メモリ容量も6GBにアップデートしているほか、ストレージも128GBに倍増した。
画面・本体サイズ比較。Xperia 1 IIIは世界初の4K 120Hz HDRディスプレイを搭載
Xperia 1 III / 10 IIIはそれぞれXperia 1 II / 10 IIから画面サイズは変わっていないが、どちらもベゼル幅の縮小により、本体サイズがわずかに小さくなった。Xperia 1 IIIが縦横とも1mm減少し、Xperia 10 IIIは横幅が1mm減の約68mm、縦は3mm減の約154mmとさらにコンパクトになっている。もともと小型なモデルではあったが、より持ちやすいサイズになったと言えそうだ。
重さについても、それぞれ7gと18g増加しているが、縦横幅とあわせ、Xperia 1 II / 10 IIとの違いはそこまで感じられないだろう。
ディスプレイはサイズこそ変わっていないが、Xperia 1 III / 10 IIIともにディスプレイのスペックは大きく進化した。
まずXperia 1 IIIは、スマホとしては世界で初めて4K(3,840×1,644ピクセル)HDRに加えて、120Hz駆動にも対応している。120Hzは画面のリフレッシュレートを表しており、1秒間に画面の書き換えを120回行えるということ。この数値が高いほど滑らかな表示を実現できる。120Hz駆動はXperia 5 IIでも対応していたが、解像度はフルHD+(2,520×1,080ピクセル)であり、4K HDRと両立させたのはXperia 1 IIIが初めてだ。Xperia 1 IIも4K HDRに対応していたが、リフレッシュレートは60Hz、画面の書き換え時に黒い画面を挿入する残像低減時も90Hzに留まっていた。
Xperia 10 IIIは、フルHD+(2,520×1,080ピクセル)の「トリルミナスディスプレイ for mobile」なことに変わりはないが、Xperia 10 IIでは非対応だったHDRに対応。これまで以上に美しい映像を楽しむことができる。
ゲーム機能も強化されたXperia 1 III
Xperia 1 IIIは、4K HDRで120Hz駆動のディスプレイ性能に加え、モバイルゲーム、とくに人気のFPS(ファーストパーソン・シューター)ジャンルを快適にプレイするための機能がいくつか追加された。
そのひとつが、240Hzに達する画面のタッチサンプリングレートだ。タッチサンプリングレートは、1秒間に画面へのタッチ操作を何回検出できるかというもの。タッチサンプリングレート240Hzなら、1秒間に240回検出を行えることになり、この数値が高いほどより機敏な操作が可能になる。一瞬の操作が勝敗につながるFPSやアクションゲームでは重要な要素だ。
また、ゲームに特化した機能として、「L-γレイザー(ローガンマレイザー)」という画質調整機能が追加された。ゲーム専用の画質設定から、画面のγ値(中間色の明るさを示す値)を調整することで、物陰など暗い部分の映像を意図的に明るく表示し、隠れている敵や障害物の視認性を高める機能だ。
さらに、120Hz駆動のディスプレイ表示の合間に黒い画面を挟むことで、疑似的に240Hz相当のリフレッシュレートとし、より滑らかな映像を実現する残像低減技術も備えている。
このほか、オーディオイコライザーにもゲーム向けの機能が追加され、10帯域±10dBの範囲でカスタマイズが可能となった。これを利用すると、敵の足音や銃声など聞き分けたい音だけを強調し、そのほかの音を小さく抑えるといったことができる。また、3.5mmオーディオジャックを利用する場合のみだが、ゲームで利用されることの多いインラインマイク、ブームマイクに特化したマイクチューニングを施し、雑音を除去することでボイスチャットの音声をクリアにできる。
Xperia 1 IIIは世界初の可変式望遠レンズを搭載
Xperia 1 IIIでは、カメラにも世界初の技術が使われている。
数字だけを見ると、約1,220万画素(超広角)/約1,220万画素(広角)/3D iToFセンサー/約1,220万画素(望遠)という構成こそ従来通りだが、大きく変わったのが望遠レンズだ。世界初の可変式望遠レンズを搭載しており、70mmと105mmの2つの焦点距離を切り替えられるようになった。実質、レンズがひとつ増えたと言ってもいいだろう。Xperia 1 IIの望遠レンズは70mmのみだったが、105mmを利用すれば、遠くの被写体もよりアップで撮影できる。
レンズにはXperia 1 IIと同様、ドイツの光学機器メーカーZEISS(ツァイス)と提携し、不要な反射光を低減し、クリアな描写を得られるT*(ティースター)コーティングが施されている。
20コマ/秒のAE/AF追従高速連写(広角レンズのみ)や動物にも対応する瞳AFなどの機能も健在だ。なお、Xperia 1 IIではトリプルレンズのうち、標準レンズのみソニーの「デュアルフォトダイオードセンサー」を採用していたが、Xperia 1 IIIではすべてのレンズが「デュアルフォトダイオードセンサー」となった。これにより、広角レンズ以外でも、最高10コマ/秒のAE/AF追従高速連写が可能となっている。
また、AIを用いて、動く被写体にフォーカスを合わせ続ける「リアルタイムトラッキング」を初搭載した。ピントを合わせたい被写体を画面上でタップするだけで自動追従してくれるので、撮影者は画面内に被写体が収まることだけを意識すればよくなった。
Xperia 10 IIIは、約800万画素(超広角)/約1,200万画素(広角)/約800万画素(望遠)と構成はXperia 10 IIと同じだが、シーン判別に新たに「ペット」が追加された。犬や猫を認識すると自動でシャッタースピードとISO感度を調整するので、動き回るペットもしっかりと撮影できる。
また、最高10コマ/秒の高速連写に対応。ハイエンドなXperia 1 III、Xperia 1 IIやXperia 5 IIの20コマ/秒にはおよばないが、Xperia 10 IIから機能アップしたポイントだ。それぞれのフレームで自動的に明るさを調整するので、連写した中から最適な1枚を選ぶことができる。
音もアップグレードしたXperia 1 III
ディスプレイだけでなく、Xperia 1 IIIはオーディオ面でもアップグレードされている。立体音響技術「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」に対応し、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントと共同開発した独自のサウンドチューニングを施しているのはXperia 1 IIから変わっていないが、音響構造が進化した新しいスピーカーの搭載により、最大音圧が約40%向上した。つまり、音量が大きく向上したということだ。低音性能の向上や、筐体の振動を抑えたことでクリアな臨場感も増し、映画などを観る際により一層没入感をもって楽しめるようになっている。
また、ソニーの360立体音響技術を活用した新しい音楽体験「360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)」の認定スマホでもあり、ヘッドホンだけではなく、本体スピーカーでも「360 Reality Audio」を体験できるようになった。これも世界初のことだ。
Xperia 1 III / 10 IIIは Xperia史上最大容量の4,500mAhバッテリーを搭載
Xperia 1 IIIとXperia 10 IIIは、ともにXperia史上最大容量の4,500mAhバッテリーを搭載する。それぞれ、Xperia 1 IIの4,000mAhから12.5%、Xperia 10 IIの3,600mAhからは25%もの大幅増量となる。
また、Xperia 1 IIIはUSB PDの急速充電にも対応しており、別売りの30W急速充電アダプターを利用すれば、最短30分で約50%の充電を行うことができる。加えてXperia 1 IIIは、最大15Wのワイヤレス充電を行えるほか、Qi規格のワイヤレス充電に対応するほかのスマホなどを背面にのせて充電できる「おすそわけ充電」にも対応する。出先で家族や友人のスマホのバッテリーが切れかかってしまったときなどに便利だ。
フラッグシップにふさわしいXperia 1 III、5G対応で魅力が増したXperia 10 III
Xperia 1 IIIは、世界初のディスプレイ技術に世界初の可変望遠カメラと、まさにフラッグシップと呼ぶにふさわしい進化を遂げた。Xperia 10 IIIもミドルクラスのXperiaとして初めて5G対応になったほか、ディスプレイのHDR対応やカメラに連写機能を搭載するなど、着実にアップグレードを果たしている。
Xperia 1 IIやXperia 5 IIは、いまでもハイエンドモデルとして十分に通用するスペックを持っており、カメラ性能に満足しており、さほどゲームもしないということであれば、買い替えは悩ましいかもしれない。
Xperia 10 IIは5G非対応ということもあり、5G対応になったXperia 10 IIIへの買い替えを検討してもいい頃だろう。5Gエリアもかなり広がっているので、通信速度の違いは体感しやすいはずだ。この記事を参考に、ぜひお気に入りのモデルを選んでほしい。
文:山本竜也
※掲載されたKDDIの商品・サービスに関する情報は、掲載日現在のものです。商品・サービスの料金、サービスの内容・仕様などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。