2021/04/23
| 更新
2021/05/11
Galaxy S21とS20の特長比較!画面サイズやカメラ機能など過去機種との違いを紹介
auの2021年夏モデルとして、2021年4月22日にGalaxyシリーズのハイエンド5Gスマホ「Galaxy S21 5G(ギャラクシー エストゥエンティワン ファイブジー)」「Galaxy S21+ 5G(ギャラクシー エストゥエンティワンプラス ファイブジー)」が発売された。
名称からわかるように、2020年夏モデルの「Galaxy S20 5G」「Galaxy S20+ 5G」の後継モデルだ。最新のチップセット「Snapdragon 888 5G」を搭載し、可変リフレッシュレートに対応するなど、順当にアップデートされているのはもちろんのこと、デザイン面でも従来から大きく変わっているのが特徴となっている。
一方、最大解像度がフルHD+までになり、メモリも8GBになるなど、一部スペックが変更されている箇所も存在する。また、microSDカードが非対応になったほか、充電器やイヤホンの同梱が廃止されるなど、これまでとは異なる部分もある。
そこで本記事では、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gを前モデルにあたるGalaxy S20 5G / S20+ 5G、そしてGalaxy S20 Ultra 5Gと比較しつつ、なにが変わったのか、それぞれの特徴を比較する。
本体スペック比較
まずはGalaxy S21 5G / S21+ 5G、Galaxy S20 5G / S20+ 5G、Galaxy S20 Ultra 5Gそれぞれのスペックを比較する。
機種名 | 機種クラス | 発売年月 | 対応通信規格 | 画面 | ディスプレイ解像度 | 本体サイズ | 重量 | カラー | メインカメラ 有効画素数 |
サブカメラ 有効画素数 |
静止画ズーム | OS | CPU | バッテリー容量 | 電池持ち時間 | 内蔵メモリ(RAM/ROM) | ワイヤレス充電 | 生体認証 | 防水 | 防塵 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Galaxy S21 5G | ハイエンドクラス | 2021年 4月 | 5G/4G | 約6.2インチ Dynamic AMOLED(有機EL) |
フルHD+[2,400×1,080] | 約71×152×7.9mm | 約171g | ファントム グレー ファントム バイオレット ファントム ホワイト |
約1,200万画素/約1,200万画素/ 約6,400万画素 |
約1,000万画素 | 3倍(光学)/10倍(デジタル)/ 30倍(光学×デジタル) |
Android 11 | Qualcomm Snapdragon 888 5G Mobile Platform 2.8GHz×1+ 2.4GHz×3+1.8GHz×4 |
4,000mAh | 約90時間(4G LTE/WiMAX 2+エリア) 約85時間(5Gエリア) |
8GB/256GB | 〇 | 指紋/顔 | IPX5/IPX8 | IP6X |
Galaxy S21+ 5G | ハイエンドクラス | 2021年 4月 | 5G/4G | 約6.7インチ Dynamic AMOLED(有機EL) |
フルHD+[2,400×1,080] | 約76×162×7.8mm | 約200g | ファントム シルバー ファントム ブラック |
約1,200万画素/約1,200万画素/ 約6,400万画素 |
約1,000万画素 | 3倍(光学)/10倍(デジタル)/ 30倍(光学×デジタル) |
Android 11 | Qualcomm Snapdragon 888 5G Mobile Platform 2.8GHz×1+ 2.4GHz×3+1.8GHz×4 |
4,800mAh | 約100時間(4G LTE/WiMAX 2+エリア) 約100時間(5Gエリア) |
8GB/256GB | 〇 | 指紋/顔 | IPX5/IPX8 | IP6X |
Galaxy S20 5G | ハイエンドクラス | 2020年 3月 | 5G/4G | 約6.2インチ Dynamic AMOLED(有機EL) |
クアッドHD+[3,200×1,440] | 約69×152×7.9mm | 約163g | クラウド ブルー コスミック グレー クラウド ホワイト |
約1,200万画素/約1,200万画素/ 約6,400万画素 |
約1,000万画素 | 3倍(光学)/30倍(デジタル) | Android 10 | Qualcomm Snapdragon 865 5G Mobile Platform 2.8GHz/1+ 2.4GHz/3+1.7GHz/4 |
4,000mAh | 約130時間(4G LTE/WiMAX 2+エリア) 約125時間(5Gエリア) |
12GB/128GB | 〇 | 指紋/顔 | IPX5/IPX8 | IP6X |
Galaxy S20+ 5G | ハイエンドクラス | 2020年 6月 | 5G/4G | 約6.7インチ Dynamic AMOLED(有機EL) |
クアッドHD+[3,200×1,440] | 約74×162×7.8mm | 約186g | コスミック グレー クラウド ブルー |
約1,200万画素/約1,200万画素/ 約6,400万画素/ 深度測位カメラ(ToF) |
約1,000万画素 | 3倍(光学)/30倍(デジタル) | Android 10 | Qualcomm Snapdragon 865 5G Mobile Platform 2.8GHz/1+ 2.4GHz/3+1.7GHz/4 |
4,500mAh | 約145時間(4G LTE/WiMAX 2+エリア) 約130時間(5Gエリア) |
12GB/128GB | 〇 | 指紋/顔 | IPX5/IPX8 | IP6X |
Galaxy S20 Ultra 5G | ハイエンドクラス | 2020年 7月 | 5G/4G | 約6.9インチ Dynamic AMOLED(有機EL) |
クアッドHD+[3,200×1,440] | 約76×167×8.8mm | 約222g | コスミック ブラック | 約1,200万画素/約1億800万画素/ 約4,800万画素/ 深度測位カメラ(ToF) |
約4,000万画素 | 10倍(光学)/100倍(デジタル) | Android 10 | Qualcomm Snapdragon 865 5G Mobile Platform |
5,000mAh | 約150時間(4G LTE/WiMAX 2+エリア) 約145時間(5Gエリア) |
12GB/128GB | ○ | 指紋/顔 | IPX8 | IP6X |
最初に、Galaxy S21 5GとGalaxy S21+ 5Gの違いから確認しよう。Galaxy S20 5GとGalaxy S20+ 5Gでは、画面サイズのほか、カメラ性能などでも差が付けられていたが、Galaxy S21 5GとGalaxy S21+ 5Gでは、本体サイズと画面サイズ、バッテリー容量以外にスペック上の差はない。その意味では、単純に好みの大きさで選んでも問題はないだろう。
また、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gはデザインが従来のGalaxyシリーズとは大きく変わっている。とくに背面カメラ部分のデザインが顕著で、側面フレームと一体化しているのが印象的だ。さらに、ディスプレイ左右にエッジ部がなく、フラットディスプレイになったのもデザイン上の特徴だ。
Galaxy S21 5G / S21+ 5Gは最新のチップセットを搭載
もちろん、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gは見た目だけではなく中身も進化している。前述のとおり、チップセットは最新のSnapdragon 888 5Gを搭載しており、これは開発元のQualcomm(クアルコム)によるとGalaxy S20 5G / S20+ 5、Galaxy S20 Ultra 5Gが搭載する「Snapdragon 865 5G」よりも、CPUの処理性能で25%、グラフィックの性能は35%向上している。AI処理や写真撮影時の画像処理能力も向上しており、カメラ機能のアップデートにつながっている。
順当にアップデートされているGalaxy S21 5G / S21+ 5Gだが、Galaxy S20 5G / S20+ 5Gと比較し、スペックが変更されている箇所がいくつかある。Galaxy S20 5G / S20+ 5Gでは12GBだったメモリが、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gでは8GBになり、microSD非対応となっている。そのぶん、ストレージが256GBに倍増していることから、本体保存容量を増やした形だ。
画面・本体サイズ比較。Galaxy S21 5G / S21+ 5Gはフラットディスプレイを採用
画面の特長として、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gでは、ディスプレイの左右が湾曲していないフラットディスプレイを採用した。これまでのGalaxy S20 5G / S20+ 5G、そしてGalaxy S20 Ultra 5Gでは、ディスプレイ側面がわずかに湾曲したエッジディスプレイで、左右のベゼルがほとんど見えない特徴的なデザインだったが、今回大きく変更となった。個人の持ち方にもよるが、エッジ部に指の腹があたり、誤動作してしまうと感じていた人には、今回のフラットディスプレイ化はうれしい変更点でもあるだろう。
Galaxy S21 5G / S21+ 5Gは、デザインだけではなくディスプレイの仕様そのものも変更されている。リフレッシュレート120Hzに対応する有機ELディスプレイ「Dynamic AMOLED」を採用しているのはGalaxy S20 5G / S20+ 5G、Galaxy S20 Ultra 5Gと同じだが、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gでは48Hz~120Hzの「可変リフレッシュレート」に対応した。
リフレッシュレートは1秒間に画面を何回書き換えるかを表すもので、リフレッシュレート120Hzなら1秒間に120回画面を書き換えているということ。当然、リフレッシュレートが高いほど滑らかな表示になるが、そのぶんバッテリーの消費も増えてしまう。
Galaxy S20 5G / S20+ 5G / S20 Ultra 5Gは、60Hzか120Hzの2択だったが、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gでは表示している内容に応じてリフレッシュレートの自動調整が可能になり、それによってバッテリーの消費を抑えることができる。なお、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gでもリフレッシュレートを60Hzに固定することも可能だ。使い方によっては、こちらのほうが省電力になる場合もあるだろう。
この可変リフレッシュレートの採用に伴い、ディスプレイ解像度はGalaxy S20 5G / S20+ 5G / S20 Ultra 5Gの3,200×1,440ピクセル(クアッドHD+)から2,400×1,080ピクセル(フルHD+)に変更されている。もっとも、Galaxy S20 5G / S20+ 5G / S20 Ultra 5Gでもリフレッシュレート120Hzを選択すると、解像度がフルHD+に制限されていたので、その意味では大きくは変わっていないと言えそうだ。
このほか、ディスプレイの保護ガラスも変更となり、最新の「Gorilla Glass Victus」を採用している。Galaxy S20 5G / S20+ 5G / S20 Ultra 5Gの「Gorilla Glass 6」と比べ、傷の付きにくさが2倍に強化され、落下耐性もGorilla Glass 6の1.6mから2mに引き上げられた。
Galaxy S21 5G / S21+ 5Gは、Galaxy S20 5G / S20+ 5Gから画面サイズや高さは変わっていないが、本体の横幅がGalaxy S21 5G、Galaxy S21+ 5Gともに2mm増加している。これは、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gがフラットディスプレイを採用したためと考えられる。なお、厚みに関してはGalaxy S21+ 5GはGalaxy S20+ 5Gと変わらず最厚部で9.1mmだが、Galaxy S21 5GはGalaxy S20 5Gの9.2mmよりも0.2mm薄い9.0mmとなった。
実機を触ってみたところ、重さについてはそれぞれ8gと14g増加しているが、横幅、厚みとあわせ、Galaxy S20 5G / S20+ 5Gとの違いはそこまで感じられなかった。
背面カメラはトリプル構成。新機能「ディレクターズビュー」に対応
Galaxy Sシリーズと言えば、高いカメラ性能に定評があるが、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gでもそれは健在だ。
まずハードウェアの仕様だが、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gの背面カメラは、Galaxy S20 5Gと同様の6,400万画素の望遠、1,200万画素の広角、1,200万画素の超広角のトリプルカメラを搭載する。Galaxy S20+ 5Gではこれに深度測位用のToFカメラも搭載していたが、Galaxy S21+ 5Gでは省かれ、Galaxy S21 5Gと仕様差はなくなっている。
望遠の光学性能は3倍で、デジタルズームを併用することで最大30倍のスペースズームに対応する。4,800万画素の望遠レンズで最大100倍ズームに対応するGalaxy S20 Ultra 5Gと比べると数値的には見劣りするが、10倍程度の実用的な範囲では遜色ない写真を撮影できる。
また、望遠を利用しなくても、6,400万画素で撮影し、必要な部分を切り出すといった使い方も可能だ。スペースズームとうまく使い分けるといいだろう。
Galaxy S21 5G / S21+ 5G は、ソフトウェア部分でGalaxy S20 5Gから大きな進化を遂げている。まず、Galaxy S20 5Gから搭載されている「シングルテイク」がアップデートした。シングルテイクは、シャッターを一度押すだけで最大15秒の動画を撮影し、そこから2~14種類の静止画や動画をAIが自動生成するというもの。
特徴的なシーンを抽出してくれるので、動きがある被写体や、旅行先での印象的な風景など、どう撮影すればいいか迷う場合でもAIまかせで気軽に撮影を行うことができる。このシングルテイクのシーン判別やオブジェクト認識がさらに向上したほか、コラージュ写真やハイライトビデオなど、新たな効果も追加された。
動画撮影ではトリプルカメラを活かし、すべてのカメラの映像をサムネイルでプレビュー表示できる「ディレクターズビュー」が新たに追加された。サムネイルをタップするだけで使用するカメラ(望遠、広角、超広角)を切り替えられるので、スムーズなアングルチェンジが行える。主に広角で撮影しながら、気になる箇所があれば望遠に切り替えるといったことが可能だ。
また、インカメラとアウトカメラを同時に起動させる「デュアルレコーディング」も搭載。背景の動画と一緒に撮影者の表情を記録することができるため、思い出を残すのはもちろん、動画配信やSNS投稿でも役立つだろう。
もちろん、動画の8K撮影にも引き続き対応している。8K動画を視聴する環境はまだ一般的ではなく、どちらかというと8K動画から3,300万画素相当の静止画を切り出せる「8Kビデオスナップ」が主な利用方法となるだろう。動画として撮影しているので、シャッターチャンスを逃すこともなく、日常の何気ない瞬間を写真として残すのにも向いている。
Galaxy S21+ 5Gはバッテリー容量を増量
Galaxy S21 5Gのバッテリー容量は4,000mAhでGalaxy S20 5Gと変わらないが、Galaxy S21+ 5Gは4,800mAhとなりGalaxy S20+ 5Gから300mAh増量した。電池持ち時間としてはGalaxy S21 5G / S21+ 5Gはともにやや減少しているが、Galaxy S21 5Gは5Gエリアで約85時間、Galaxy S21+ 5Gは5Gエリアで約100時間。
Galaxy S21 5G / S21+ 5Gのそのほかの仕様としては、おサイフケータイ®(EZ FeliCa)は利用可能。Galaxy S20 5G / S20+ 5Gもおサイフケータイ®(EZ FeliCa)に対応していたが、Galaxy S20 Ultra 5Gは非対応だ。
そのほかの点では、防水防塵もIP65/68相当で共通しており、キッチンなどの水回りでも安心して利用できる。また、ハイレゾ再生、Dolby Atmos対応も共通。ただし、ハイレゾ再生には対応のヘッドホンなどが必要になる。生体認証も各モデル共通して指紋/顔での認証となっている。なお、指紋センサは画面下に搭載している。
また、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gでは、これまで同梱されていた充電器とイヤホンがなくなっている。
ワイヤレス充電は「Fast Wireless Charging 2.0」に対応しており、純正のワイヤレスチャージャーデュオパッドや10W以上のワイヤレス充電をサポートする充電台で利用できる。もちろん、「Galaxy Buds Pro」などのアクセサリーや、qi対応のスマートフォンを充電できる「ワイヤレスパワーシェア」にも対応する。
魅力的な進化を遂げた「Galaxy S21 5G / S21+ 5G」
Galaxy S21 5G / S21+ 5Gは、Galaxy S20 5G / S20+ 5G / S20 Ultra 5Gと比べると一部でスペックが変更されている部分もあるが、プロセッサの処理性能アップやカメラ機能の強化など、魅力的な進化を遂げている。この記事を参考に、ぜひお気に入りのモデルを選んでほしい。
文:山本竜也