2021/03/08
| 更新
2021/03/22
位置情報はオン/オフどちらがいい?メリットや注意点、設定方法を紹介
スマートフォンを使用しているときに位置情報を求められ、許可するべきかどうか迷った経験はないだろうか。位置情報には、アプリごとにオンにしたほうが便利なものと、使用しないときはオフにしたほうがいいものがある。位置情報は、オン/オフどちらが良いのか。メリットやデメリット、注意点を紹介しよう。
スマートフォンの「位置情報」とは
「位置情報」とは、人工衛星の信号から座標を計測するGPS(全地球測位システム)や携帯電話・Wi-Fi端末の基地局情報などから割り出される、利用者の現在地を示す情報のこと。スマホでは主に現在地情報と関連して、地図アプリやフードデリバリーアプリなどの各種サービスを利用するために用いられるデータのひとつだ。
iPhone・Android端末など機種によって異なるものの、位置情報の利用については設定画面から自分でオン/オフの切り替えが可能となっている。また、設定の詳細からアプリごとに位置情報の利用を許可したり、キャンセルしたりすることもできる。「普段どのようにスマホを使っているか」にも左右されるものの、位置情報をオンにすることでスマホの利便性は向上するといえるだろう。
位置情報をオンにするメリット
では、位置情報の設定をオンにすることでどのようなメリットがあるのか。
まず考えられるのが、位置情報をさまざまな機能に活かすことで、各種アプリやサービスの利便性が大きく向上する点だ。たとえば、地図アプリや乗換案内サービスを利用する際は、位置情報の設定をオンにすることで、現在地から目的地へ最短でアクセスする経路が表示される。
ほかにも、スマホの紛失時に現在地を捜索する機能を使えば、失くした場所や現在地の予測がしやすくなる。さらには、近隣の商業施設で使えるクーポンの受信やデリバリーサービスの対応エリア抽出など、位置情報を設定することでさまざまなシーンで便利になる。
位置情報をオンにしておかないと使えないアプリも
なかには、位置情報が必須となっているアプリも存在する。たとえば、自宅やオフィスなど、現在地周辺に食事を届けてくれるフードデリバリー系のアプリなどがその一例だ。また、タクシーの自動配車アプリなどでも、位置情報を利用して現在地付近の空き車両を検索したり予約を行ったりする処理に現在地情報が必須とされている。
フードデリバリーアプリの場合、配達先の指定はもちろん周囲のレストラン情報などを共有するために位置情報が必須とされており、タクシーの自動配車アプリの場合は電話で配車場所や時刻を伝える手間を省くために必要なデータとして活用されている。
さらには、前述のように「Google マップ」アプリなどの地図アプリや乗換案内サービスも位置情報をオンにすることで、現在地から目的地までのルートや所要時間を把握できたり、渋滞情報などをリアルタイムで確認したりすることが可能になる。
位置情報をオンにするときの注意点
位置情報をオンにしてスマートフォンを利用する際にまず気をつけるべきは、SNS上での位置情報利用だ。Twitter、Instagramなどの利用機会が多いSNSには、投稿時の現在地情報を追加できる機能が備わっている。
設定でオン/オフの切り替え自体は可能だが、オンにしたまま利用を続けると、本来共有したくなかったプライバシーをインターネット上で公開してしまうリスクが生じる。場合によっては、位置情報と投稿内容から個人を特定されるおそれもある。
また、多くのSNSには写真や動画の共有機能が備わっているが、カメラ機能や写真機能の設定によっては、スマートフォンで撮影した写真や動画に位置情報が含まれてしまう場合もある。これらも同様に、住所や生活習慣などの個人情報の特定、悪質なつきまといといったリスクが懸念されるため、くれぐれも利用時には注意を払いたい。
具体的には、「位置情報が表示された画面のスクリーンショットを無闇に共有しない」「位置情報が含まれた投稿を控える」といったことに気をつけておけば、リスクを抑えることができるだろう。
ほかにも注意しておきたいことは、やはり「個人情報が外部に蓄積される」ことだろう。
位置情報のなかには現在地だけでなく、行動履歴や近隣の店舗・施設情報といったデータも含まれるため、悪意のある誰かがそれを入手した場合、個人の住居や行動パターンといった情報の推測につながるおそれがある。
とはいえ、ほとんどのサービスにおいては位置情報の用途は規約などで限定されており、無断で外部へ情報が流出する心配はほとんどないといえる。運営企業側での情報漏洩などのセキュリティ事故が発生しない限りは、大きな問題につながることは少ないだろう。
位置情報をオフにするメリット
では、位置情報をオフにするメリットは何だろうか。ひとつは、データ通信量を抑えられる点だ。最近は使い放題プランやWi-Fi環境が整備されていることもあり、モバイルデータ通信を気にする人は少なくなっているかもしれないが、少ないギガプランの人は、位置情報をオフにしておくと、少しでもデータ通信量を抑える助けになる。
もうひとつは、電池持ちへの影響だ。データ通信を繰り返すことは電池の消費に繋がってしまうが、位置情報をオフにすることで電池消費を抑えることができる。
このことからも、個人情報保護の観点とあわせ、位置情報を使わなくても問題ないアプリは、設定オフにしておくほうがメリットを享受できると言える。
位置情報のオン/オフを切り替える方法
ここからは、実際に位置情報のオン/オフを切り替える方法について解説していく。機種によって差があるものの、設定の流れはAndroidとiOSの2種類に大別される。
・Androidの場合
Androidの場合は、画面上のメニューバーから下にスワイプして位置情報のマークをタップすることで位置情報の切り替えを簡単に行える。
アプリごとに設定するときには、「設定」▶[位置情報]▶[アプリの権限]▶アプリ と選択することで[常に許可][アプリ使用中のみ許可][許可しない]のなかから適した設定を選ぶことができる。
・iPhone(iOS)の場合
iOSの場合、全体のオン/オフは「設定」▶[プライバシー]▶[位置情報サービス]と遷移することで設定できる。
アプリ単位での設定は、[位置情報サービス]欄の下部から個別に選択。この際、位置情報の利用は[なし][次回確認][このAPPの使用中のみ許可][常に]の選択肢から選ぶことができる。
リスクをおさえたうえで位置情報を活用
スマホにおける位置情報データの利用は、多くのサービスを便利にするものだ。たとえば、カメラアプリの利用時に位置情報をオンにしておけば、旅先などで撮影した写真をひとつのフォルダにまとめ、スムーズに整理することもできる。
だが、プライバシーと密接に関わる性質から、個人の特定などにつながるリスクも存在する。そのため、必要に応じてアプリごとの設定を分けることが重要だ。SNSやゲームアプリなどには位置情報の利用を求めるものも存在するが、自身の使い方ややりたいことに合わせて「必要なものだけ」をオンにし、位置情報を使わないアプリはオフにしておくと良いだろう。ぜひ、位置情報のオン/オフの妥当性を見極めつつ、スマホをより便利に活用してほしい。
文:TIME&SPACE編集部