2020/11/24
最新の『Xperia 5 II』と、Xperia 1 II/10 II/5を比較!5G対応など違いや特長を紹介
auの2020年秋冬モデルとして、2020年10月に「Xperia 5 II(エクスペリア ファイブ マークツー)」が発売された。昨年10月に発売された「Xperia 5」の後継モデルだ。
本記事では、同じXperiaシリーズとして「Xperia 1 II(エクスペリア ワン マークツー)」(2020年5月発売)、「Xperia 10 II(エクスペリア テン マークツー)」(2020年6月発売)、Xperia 5と比較し、Xperia 5 IIの進化ポイントや各機種の特長を紹介する。
本体スペック比較
機種名 | 機種クラス | 発売年月 | 対応通信規格 | 画面 | ディスプレイ解像度 | 本体サイズ | 重量 | カラー | メインカメラ 有効画素数 |
サブカメラ 有効画素数 |
静止画ズーム | OS | CPU | バッテリー容量 | 電池持ち時間 | 内蔵メモリ(RAM/ROM) | ワイヤレス充電 | 生体認証 | 防水 | 防塵 |
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Xperia 5 II | ハイエンド | 2020年 10月 | 5G/4G | 約6.1インチ 有機EL シネマワイド™ディスプレイ |
フルHD+[2,520×1,080] | 約68×158×8.0mm | 約163g | ブラック/グレー/ ブルー/ピンク |
約1,220万画素/約1,220万画素/ 約1,220万画素 |
約800万画素 | 9倍 | Android 10 | Snapdragon 865 5G Mobile Platform 2.8GHz/1+ 2.4GHz/3+1.8GHz/4 |
4,000mAh | 約120時間(4G LTE/WiMAX 2+エリア) 約115時間(5Gエリア) |
8GB/128GB | × | 指紋 | IPX5/IPX8 | IP6X |
Xperia 10 II | ミドルクラス | 2020年 6月 | 4G | 約6.0インチ 有機EL トリルミナスディスプレイ for mobile |
フルHD+[2,520×1,080] | 約69×157×8.2mm | 約151g | ブラック ホワイト ミント |
約800万画素/約1,200万画素 約800万画素 |
約800万画素 | 10倍 | Android 10 | Snapdragon 665 2.0GHz/4+ 1.8GHz/4 |
3,600mAh | 約140時間 | 4GB/64GB | × | 指紋 | IPX5/IPX8 | IP6X |
Xperia 1 II | ハイエンド | 2020年 5月 | 5G/4G | 約6.5インチ 有機EL X1™ for mobile |
4K[3,840×1,644] | 約72×166×7.9mm | 約181g | ブラック ホワイト |
約1,220万画素/約1,220万画素/ 3D iToFセンサー/約1,220万画素 |
約800万画素 | 9倍 | Android 10 | Snapdragon 865 5G Mobile Platform 2.8GHz/1+ 2.4GHz/3+1.8GHz/4 |
4,000mAh | 約105時間(4G LTE/WiMAX 2+エリア) 約100時間(5Gエリア) |
8GB/128GB | ○ | 指紋 | IPX5/IPX8 | IP6X |
Xperia 5 | ハイエンド | 2019年 10月 | 4G | 約6.1インチ 有機EL シネマワイド™ディスプレイ |
フルHD+[2,520×1,080] | 約68×158×8.2mm | 約164g | ブラック/グレー ブルー/レッド |
約1,220万画素/約1,220万画素 約1,220万画素 |
約800万画素 | 10倍 | Android 9 Pie | Snapdragon 855 2.8GHz/1+ 2.4GHz/3+1.7GHz/4 |
3,000mAh | 約105時間 | 6GB/64GB | × | 指紋 | IPX5/IPX8 | IP6X |
Xperia 5 IIとXperia 5とでは見た目はほぼ変わっておらず、外形寸法もほぼ同じ。大きく変わったのは中身で、5G対応のハイエンドチップセットやRAMの増量、カメラ機能が進化している。Xperiaといえば、21:9の縦長ディスプレイを思い浮かべる人も多いと思うが、それだけスタイルが確立されたモデルになっているという見方もできる。
またXperia 5 IIは、最上位モデルのXperia 1 IIと比べてもカメラ性能以外に差異が少なく、Xperia 5シリーズではあるが、Xperia 1シリーズよりも少しコンパクトなハイエンドモデルとして完成度の高いモデルといえるだろう。
それでは、各項目について細かく確認していく。
サイズ・ディスプレイ・重さ比較
Xperia 5 IIのディスプレイサイズは、Xperia 5と変わらず6.1インチで、解像度は2,520×1,080ピクセルの有機ELを搭載する。本体サイズもほぼ変わっておらず、厚みが0.2mm薄くなった(最厚部は9.1mmと同じ)程度だ。
Xperia 5からの進化としては、Xperia 5 IIでは、Xperiaシリーズとして初めてディスプレイのリフレッシュレートが120Hzに対応した。これは1秒間に120回の画面書き換えに対応しているということになる。また、画面の書き換え時に黒い画面を挿入する残像低減技術により、240Hz相当の表示を実現し、Xperia 5の60Hzから4倍滑らかな表現が可能となった。タッチディスプレイも最大240Hzの検出感度に対応しており、ゲームの繊細な動きにも正確に追従できる。最上位モデルのXperia 1 IIではリフレッシュレートが60Hz、残像低減時も90Hzとなるため、画面の滑らかな表現ではXperia 5 IIのほうが高性能だ。
一方のXperia 1 IIは、ディスプレイサイズが6.5インチと大きく、解像度も4K(3,840×1,644ピクセル)と高精細で、解像度の低い動画を4K画質に変換する「4Kアップスケーリング」にも対応。ゲームなど動きが激しい映像に強いXperia 5 IIに対して、Xperia 1 IIは4Kの高精細な映像を楽しめるディスプレイといえるだろう。画面が大きいぶん、本体サイズもひと回り大きくなっているが、横幅約72mmは十分に片手で持てるサイズだ。
Xperia 5 IIとXperia 5、そしてXperia 1 II共通の仕様として、ディスプレイの高画質化エンジンは「X1™ for mobile」を搭載。映像制作者の意図を忠実に再現した画作りで映画を視聴可能にする「クリエイターモード」にも対応。コンテンツ側の対応が必要だが、Netflixの映画なら自動的にクリエイターモードが有効になる。また、標準規格(SDR)の映像をHDR相当にアップコンバートする「HDRリマスター」に対応しており、HDR非対応の動画も、鮮やかな色彩感とコントラストのある美しい映像で楽しめる。
Xperia 10 IIはディスプレイサイズが6.0インチともっとも小さく、高画質化エンジンも一世代前の「トリルミナスディスプレイ for mobile」を搭載。コントラストや精細さでは上位モデルに一歩劣るが、幅広い色域で豊かな自然の色合いや繊細な色の違いを再現できる。
CPUに強力なモバイルプロセッサを搭載するXperia 5 IIとXperia 1 II
Xperia 5 IIは5G対応にあわせて、最上位モデルのXperia 1 IIと同じSnapdragon 865 5Gを搭載。Xperia 5に搭載している一世代前のSnapdragon 855と比べ、処理性能、グラフィック性能ともに25%アップしたハイエンドなチップセットだ。最近のスマホには欠かせないAIで使われる機械学習の処理能力は、約2倍と大幅に進化している。また、Xperia 5 II、Xperia 1 IIともにRAMを8GB搭載しており、ゲームも存分に楽しめるだろう。日常使いにおいて、性能不足を感じることはないはずだ。
Xperia 10 IIは、チップセットにミドルクラスのSnapdragon 665を搭載する。RAMも4GBとなり、3Dグラフィックを多用する最新ゲームを快適に動かすのは難しいかもしれない。とはいえ、ネットやメール、SNSなどの日常使いで困ることはないだろう。
カメラスペック比較
Xperia 5 IIの背面カメラは、超広角(16mm F2.2)、望遠(70mm F2.4)、標準(24mm F1.7)のトリプルカメラで、画素数はすべて1,220万画素となる。トリプルカメラなのはXperia 5と変わらないが、標準レンズのセンサーサイズが1/2.6型から1/1.7型に大型化。より多くの光を取り込めるようになり、暗所に強くなった。
画像処理エンジンには、ソニーのデジタル一眼レフカメラαシリーズの画像処理アルゴリズムを取り入れた「BIONZ X for mobile」を搭載するほか、20コマ/秒のAE・AF追従高速連写や瞳AFが動物にも対応するなど、Xperia 5からアップデート。カメラレンズそのものも、Xperia 1 IIと同じくソニーのα™シリーズにも搭載されているZEISS(ツァイス)のレンズ(T*コーティング)を採用し、不要な反射光を低減し、クリアな描写を実現している。
最上位モデルのXperia 1 IIが、4つ目のカメラとして被写体までの測位を行う3D iToF(Time of Flight)センサーを搭載し、暗いシーンでも高速オートフォーカスに対応しているので、カメラ性能で選択しても良いだろう。
Xperia 10 IIは、標準(26m F2.0)、望遠(52m F2.4)、超広角(16m F2.2)のトリプルカメラを搭載するが、すべて1,220万画素のXperia 5 IIとは違い、Xperia 10 IIは標準レンズのみ1,200万画素で、残り2つは800万画素となる。
なお、フロントカメラについては、4機種とも800万画素 F2.0で共通だ。
4機種とも共通で生体認証は指紋のみ
Xperia 5 II、Xperia 10 II、Xperia 1 II、Xperia 5は共通して、生体認証に指紋センサーを搭載する。顔認証には非対応だ。指紋センサーは4機種とも、本体の向かって右側に搭載されており、Xperia 5以外は電源ボタンと兼用になっている。
本体右側に指紋センサーがあると左手での解除が大変な印象もあるが、Xperiaは本体の幅が狭いので指が届きやすい。
オーディオ比較
Xperia 5 IIとXperia 1 IIは、立体音響技術Dolby Atmosに対応している。たとえば映画を観ている際、ヘリコプターの音が頭上からしたり、背後から誰かが近づいてくる音が聞こえたりと、音の方向なども再現できる技術だ。イヤホンやヘッドホンを利用する場合にのみ使えるスマホも多いが、両機種とも内蔵スピーカーでも利用できる。なお、Xperia 10 IIとXperia 5はDolby Atmosには非対応だが、4機種とも共通してハイレゾには対応している。
また、Xperia 5 II、Xperia 10 II、Xperia 1 IIは、最近のスマホでは省かれることの多い3.5mmジャックを搭載しているのも特長だ。変換ケーブル不要で有線イヤホンを利用できるので、音質重視のオーディオファンや、遅延が気になるゲーマーにはうれしいポイントだろう。
Xperia 5 IIはバッテリー容量が増量
Xperia 5 IIのバッテリー容量は4,000mAhで、Xperia 5の3,000mAhから増量した。電池持ちも5Gエリアで約115時間、4G LTEエリアで約120時間となり、Xperia 5の約105時間(4G LTEエリア)からアップしている。USB PDの急速充電にも対応しており、最短30分で約50%充電することができる。
Xperia 1 IIも4,000mAhだが、大画面で解像度の高い画面ということもあり、電池持ちは5Gエリアで約100時間、4G LTEエリアで約105時間とXperia 5 IIよりも少し短めだ。こちらも急速充電に対応し、最短30分で約50%の充電が可能。なお、Xperia 1 IIのみワイヤレス充電に対応している。
Xperia 10 IIのバッテリー容量は3,600mAhで、電池持ちは140時間(4G LTEエリア)だ。
Xperia 5 IIはGoogleアシスタントキーを搭載
Xperia 1 IIにはなく、Xperia 5 IIにのみ搭載された機能として、Googleアシスタントキーがある。ほかの機種では電源ボタンの2度押しで起動していたが、Xperia 5 IIはアシスタントキーの長押しでGoogleアシスタントを起動でき、操作がわかりやすく便利だ。
そのほかの機能
最後に、各モデルの共通仕様を確認しておこう。
・防水防塵
4機種すべて共通のIPX5/IPX8・IP6X相当の防水防塵。
・おサイフケータイ®
4機種すべて共通で搭載。
・ワンセグ/フルセグ
Xperia 1 IIとXperia 5は対応だが、Xperia 5 IIとXperia 10 IIは非対応。
・5G通信
Xperia 5 IIとXperia 1 IIが対応。
最上位モデルに匹敵するスペックを持つコンパクトなXperia 5 II
シリーズ最上位のXperia 1 IIに迫るスペックを持ちながら、ひと回りコンパクトになったXperia 5 II。コンパクトなスマホが好きな人や、大きなスマホが操作しづらいという人にはぴったりだろう。本記事を参考に、ぜひ自分にあったスマホを選んでほしい。
文:山本竜也