2020/09/23

| 更新

2022/02/10

iPhone標準「マップ」アプリがさらに便利に!新機能や基本的な使い方を解説

iPhoneなどに標準搭載されている地図アプリといえば「マップ」だ。実はOSのメジャーアップデートのたびに、飛躍的に使い勝手が向上している。

進化した「マップ」アプリ

2021年9月に正式リリースされたiOS 15とともに登場した最新版でも、魅力的な進化を遂げた。基本的な機能と合わせて、その使い勝手を紹介しよう。

【目次】

極めてシンプル。「マップ」の基本的な使い方

「マップ」アプリの使い勝手は極めてシンプル。アプリを開くと現在地が表示される。[矢印アイコン]をタップするごとに、現在自分が向いている方向とノースアップ(北が上方向)の切り替えができる。進むべき方向や目的地との位置関係がわかりやすく便利だ。

iOS 15のマップアプリ

もちろん、ピンチイン/ピンチアウトで地図を拡大縮小することや、スライドで動かすこともできる。検索窓に住所や施設名を入れて検索し、そこへ行くためのルートや所要時間を表示できるほか、クルマや徒歩、交通機関を選択し[出発]をタップすれば音声でのナビゲーションも利用できる。さらに、自分の現在地や目的地をすばやく相手に共有する機能もあり、地図アプリとしての基本機能は十分備わっている。

iOS 15のマップアプリ

メニュー内の画面もシンプルでわかりやすい。画面下部のタブをフリックで上方向に引き上げると、ユーザーの使用ログから機能をレコメンドしてくれる[Siriからの提案][よく使う項目]や検索した[履歴]などが表示される。また、画面右上のアイコンをタップすることでも、同様の項目がリスト化して表示される。

iOS 15のマップアプリ

さらに、スポット情報の表示も充実。地図上の飲食店などをタップすると表示される情報が整理されて、これまで以上に見やすくなったほか、レストランなどは「食べログ」などのレビューサイトと連動。クチコミ評価もマップ上で確認できる。

iOS 15のマップアプリ

便利な交通機関検索と配車サービス

「交通機関」の検索機能は、土地勘のない出先などにいるときに効果を発揮する。最寄りの公共交通機関と直近のダイヤが確認できるため、移動時間と手段の把握ができる。

まず、画面右上の矢印アイコンをタップして自分の現在位置を表示してから、画面下部を上にスワイプし、表示されるメニュー画面から[交通機関]をタップ。なお、[交通機関]が表示されない場合は、[よく使う項目]から[+追加]をタップして[近くの交通機関]を追加しよう。

iOS 15のマップアプリ

すると、最寄り駅やバス停が直近のダイヤとともに表示される。もちろん、最寄り駅などへの道案内も可能だ。

iOS 15のマップアプリ

そして、タクシーを選択すると自分がインストールしている配車サービスアプリと連係し、自分の現在位置までスムーズにタクシーを呼ぶこともできる。設定するには、「設定」▶[マップ]▶[配車予約]とタップしよう。

iOS 15のマップアプリ

表示モードは4種類から切り替え可能

さらにiOS 15からは、地図右上にあるアイコンをタップすることで、表示モードを簡単に切り替えることができるようになった。表示モードは、[詳細マップ][ドライブ][交通機関][航空写真]の4種類だ。

[詳細マップ]はスポット情報が細かく表示される、スタンダードな表示スタイル。[ドライブ]は道路の混雑状況などが表示されるため、クルマでの移動前にチェックしておくと便利だ。そして、路線図などが表示される[交通機関]は自身と公共交通網の位置関係を把握できる。上空からの写真で地図が描かれる[航空写真]は、ランドマークなどを確認する際に役に立つ。

iOS 15のマップアプリ

また、全体的に地図情報はより充実し、わかりやすくなった。信号機や横断歩道に加え、標高なども把握でき、土地の情報が細かく把握できる。

大幅に進化した「ルックアラウンド」機能

また、実際に地上で撮影した写真が見られる「ルックアラウンド」機能も進化。機能が搭載された当初は東京や大阪、名古屋、京都など、大都市圏中心の対応だったが、地方にも拡大。地図を拡大表示すると、対応エリアなら[双眼鏡アイコン]が左下に表示され、タップするとルックアラウンド機能が使える。

iOS 15のマップアプリ

タップで前進、スワイプで視点の方向を変えられるほか、同時に表示されるマップを操作することで視点移動も可能だ。スムーズな操作でさまざまなエリアを“バーチャル街歩き”が楽しめる。

iOS 15のマップアプリ

3D表示はナビ利用時にも便利

また「マップ」アプリの特徴のひとつが「3D表示」だ。表示モードを[航空写真]にすると、画面右上に[3D]というアイコンが表示される。

iOS 15のマップアプリ

[3D]をタップすると都市部を中心に、精度の高い3Dモデリングで街を眺めることができる。スワイプで表示する場所を移動しても、3Dの街並みがスムーズに表示される。

iOS 15のマップアプリ

これらの機能は、カーナビ利用時にも便利だ。より正確になった到着時間や3Dを駆使した案内表示は、フルスペックのカーナビに匹敵する描画性能を実現しているので見やすい。もちろん、対応ナビであれば、モニター表示に最適化して操作閲覧ができる「CarPlay」で利用することも可能だ。

ちなみに、上記機能とは別に「Flyover」という空中散歩が楽しめる機能もある。世界の主要都市や人気観光地を美しい立体表示で空から見下ろせるという趣向で、東京や大阪、金沢といった大都市を検索することで、「Flyover」というアイコンが現れる。タップすると、上空からの視点で空中散策が始まる。

iOS 15のマップアプリ

世界各地のおすすめスポットをまとめた「ガイド」

新機能の「ガイド」は、世界中の「マップ」ユーザーが気になる場所やおすすめの場所をまとめた一覧だ。自分でつくったガイドを公開することもできる。なお、現在(2022年2月)、ガイドが表示されるのはアメリカ、カナダ、イギリスのみとなっており、日本での対応はまだ未定なので、今後対応されることに期待したい。ここでは操作方法だけ紹介しておこう。

ガイドを表示するには画面下部を上にスワイプし、表示されるメニュー画面を下にスクロールして[ガイドを詳しく見る]をタップ。

iOS 15のマップアプリ

さまざまなガイドが表示され、気になるものをタップするとガイドを見ることができる。また、[エディターのおすすめ][発行者で探す][都市]などで閲覧でき、さまざまな場所について知識を深めておくことができる。

iOS 15のマップアプリ

純正アプリならではのシームレスな連係と使いやすさ

iPhoneはもちろん、iPadやApple Watchとのシームレスな連携は、純正アプリならではの利点だ。移動時には、iCloudアカウントをリンクさせた各端末にスムーズにナビゲーションを連係できる。たとえば、電車での移動中、降車駅が近づくとApple Watchがアラートを上げてくれる。

ただ、iOS 15から新たに搭載された「ARナビゲーション」は、現時点(2022年2月)で日本は未対応となっている。カメラを使って現在地を識別し、目的地までのルートをAR表示してくれるという便利機能だけに、対応されたらぜひ利用してみたいところだ。

「マップ」アプリは基本性能に加え、使い勝手も向上。さらに便利な機能が数多く詰め込まれた。普段使い慣れているマップアプリにはない便利な機能など、気になる人はぜひこの機会に試してみてほしい。

文:吉州正行